「OK」を「おけ」 10代の半数が表現

「OK」を「おけ」 10代の半数が表現
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メールやSNSなどで「OK」という単語をひらがなで「おけ」などと表現することがある10代の若者が半数に上ることが文化庁の調査で分かりました。こうした表現は、いずれも入力ミスがきっかけで使われるようになったとみられ、専門家は「若者の間で入力ミスであろうと、とにかく早く返信したほうが仲間に信頼されるといった思いが強い。若者が常にせかされた社会で生きていることの表れだ」と分析しています。
この調査は、日本語の使われ方が時代とともにどのように変化しているかを把握するため文化庁が毎年実施し、ことしは全国の16歳以上の男女、3500人余りのうち、およそ54%が回答しました。

このなかで、メールやSNSなどで「OK」という単語をひらがなで「おけ」と、また、SNSに画像などを掲載する時などに使う「UP」という単語をひらがなとアルファベットが混じった「うp」(うぷ)と表現したことがあるか聞きました。すると、「使うことがある」と回答したのが、10代が50%ちょうど、20代が36.6%に上るなど、若者の間では日常的に使われていることがわかりました。

これらの表現は入力ミスがきっかけで使われるようになったということですが、使用する理由としては、「手間を省くため」が59.5%と最も多く、次いで「相手への親しさを表すため」が23.2%、「気持ちをわかりやすく伝えるため」が15.8%でした。

また、同じくSNSなどで、喜怒哀楽を表した顔の絵文字を使う人たちは56.1%、(笑)や(汗)などの表現を使う人たちは39.3%と4割近くに上りました。

日本語学に詳しい日本大学の田中ゆかり教授は「若者の間で入力ミスであろうと、とにかく早く返信したほうが仲間に信頼されるといった思いが強い。若者が常にせかされた社会で生きていることの表れだ」と分析しています。

若者たちは…

スマートフォンのSNSなどで若者たちがよく使う表現について東京の街なかで話を聞きました。

18歳の女子学生は「普通にOKと書くと堅苦しいと思う時に『おけ』を使います。なるべく早く返事をしたほうが心配させないですむし、文字を打っている間にマークが出たりするので、早く打たないといけないと思ってしまう」と話していました。

18歳の男子生徒は「返信が面倒くさい時に『おけ』で終わらせます。返信しないとクラスで仲間はずれにされたりするので怖いです。若者の人つき合いはきついです」と話していました。

また、18歳の女子学生は「『うれしい』って文字を使って書くより、絵文字を使ったほうが『やったー!』という本心が伝わると思う」と話していました。
この調査では慣用句などの使われ方についても調べています。

この中で、「確信犯」という言葉について聞いたところ、本来の意味である「政治的・宗教的な信念に基づいて、正しいと信じてなされる行為や犯罪」を選んだ人は17%ちょうどにとどまりました。一方で、本来の意味とは違う「悪いことだとわかっていながらなされる犯罪や行為」を選んだ人は69.4%に上りました。この結果を同じ質問をした平成14年度の時と比べると、誤った意味で理解している人は、およそ12ポイント増えていました。

また、「琴線に触れる」という慣用句については、本来の意味である「感動や共鳴を与えること」を選んだ人は38.8%だったのに対して、本来の意味とは違う「怒りを買ってしまうこと」を選んだ人は31.2%でした。

さらに、「混乱したさま」を意味する「上を下への大騒ぎ」という慣用句を正しく使った人は22.5%で、「上や下への大騒ぎ」と、「を」を「や」と誤って使っていた人は60.8%に上りました。