2016年9月21日15時07分
警察の特殊詐欺の捜査「だまされたふり作戦」で、送られた荷物を受け取ったとして詐欺未遂罪に問われた便利業の男性被告(59)=埼玉県=に対する控訴審判決が21日、名古屋高裁であった。村山浩昭裁判長は、今年3月の一審・名古屋地裁の無罪の結論を維持し、検察側の控訴を棄却した。
判決によると、昨年8月、名古屋市中川区の男性(当時81)宅に、息子を装った男から「300万円が必要」との電話があったが、男性が不審に思い警察に通報した。男性はだまされたふりをしたまま、被告の住所に偽物の現金の入った荷物を発送。被告はその後、指示役の男から荷物の受け取りを指示された。
村山裁判長は「共犯者と共謀した事実は認められない」とした一審の判断を支持。他方、一審が「(同作戦の前に)被害者が詐欺と気づいた時点で、詐欺の危険性はなくなり、詐欺未遂罪は成立しない」と判断した点については、「後から事件に関与した者は常に処罰されないことになり、結論は正当とは思われない」と指摘。同罪成立の余地があるとした。
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朝日新聞社会部
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