iPhone7 / iPhone7S発売から5日が経過、皆さんはもう買われましたでしょうか。
元携帯電話販売店店長だった私はまだ購入していません。それには理由があったり・・・
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iPhone通は発売日には買わない?
毎年新型iPhone発売日にはAppleStore銀座に行列ができる、と言っても昔よりずっと少なくなった印象を受けます。日本で一番最初に発売されたiPhone3G、あの当時まさにSoftbankの携帯を売っていたので正直AppleStoreやSoftbank直営店で働いてなくて心底良かったと思った記憶があります。
そんなiPhone、私は発売日には絶対に買いません。こんな言い方をするとアレですが、新型iPhoneを発売日に買うなんてあり得ないとまで思っています。
いえ、というより正確に言うと発売日ではなく初期ロットですね。
これはiPhoneに限った話ではないのですが、精密な電子機器だけあって初期ロットには大量の初期不良があったりします。
過去にあったiPhoneの初期不良
過去に私が売ったiPhoneにあった初期不良を書き出してみます。
- 画面のズレ
iPhoneを始めとした画面が付いている電子機器全般がそうなのですが、いわゆる画面の部分は液晶と呼ばれるパーツと実際に指でタッチするガラス等のパーツを組み合わせて出来ています(その間に液体があるとか細かい話をしちゃうとキリがないのでそういうものだと思ってください)。
このトラブルはその液晶がタッチ面に対して斜めにズレているというもの。つまり、iPhoneをちゃんと手に持って真っ直ぐ見てもiPhoneの中の液晶部分だけ斜めになっているので、上部と下部の端の方が切れてしまっているんですね。ズレはほんの1mmぐらいだったのですが、これ以外に気付きます。
- 使用時/充電時の異常発熱
これは結構テンパります。何使ってると異様に熱い。冬でもホッカイロいらずなんてレベルじゃありません、確実に低温やけど起こすぞこれ!ってレベルでした。
- 画面の黄ばみ
一部の販売員(お客さんもかな?)の間で尿漏れなんて呼ばれていた現象ですw
特にiPhone4Sに多かった記憶があるんですが、画面の全体/一部が黄色く変色してしまっている現象。パッと見ただけじゃわからないような端の部分だけ、みたいなものもあったので後述のドット抜けと共に購入時は念入りに確認するべきです。
- カメラレンズのズレ
これは結構気付かずに使っている人が多いんじゃないかなと思っています。カメラも液晶と同じように、ガラス面と本体内部のカメラユニット2つの部品で構成されています。そのカメラユニットが本体内でズレてしまっているというもの。流石に写真の一部が黒みがかるようなものは見たことありませんが、よく見てみると100~200台に1台ぐらいの割合であったような気がします。
- スピーカーからの出音の音割れ
今回からツインスピーカーになったiPhone。そのスピーカーから出る音が些細な音であっても割れてしまっているというもの。
- マナーモードスイッチの異常
これはiPhoneの故障でも比較的多い部類でもあるんですが、マナーモードスイッチを入れると通常バイブが鳴るんですが、スイッチの入りが甘いらしく何度もオンオフを切り替えられるという現象。その結果多分経験した事がある人もいると思うんですが、しばらくずっとブーブーバイブがなり続けます。
- 液晶のドット抜け
多分これがiPhone初期不良で最も多いんじゃないでしょうか。液晶はざっくり言うと小さな点がいっぱいに敷き詰められていて、それぞれが発色する事によって表示がされます。その液晶のどこか1点だけが発色しない現象。通称ドット抜けです。何故か知らないんですが画面の真ん中よりも気づかないフレーム脇の部分とかに多かった印象があります。
もちろん初期不良交換出来ます!しかし例外も・・・
様々な初期不良の一例をあげてみましたが、細かいところを言えばまだまだありました。もちろんほとんどの場合が初期不良交換可能です。しかしながら今のオペレーションがどうかは存じ上げないですが、当時はキャリアによって、また在庫状況によって初期不良交換が販売店でできずAppleStoreへ行かねばならないという事態が多発していました。
当然、販売した時点でiPhoneの所有権は購入者にあるので販売店に在庫が無い、またはキャリアのオペレーションによりキャリアショップやAppleStoreへ誘導しなければならないと言った理由で初期不良交換が出来ないケースが存在します。(稀にキャリアの判断等でそもそも初期不良として認められない、みたいなケースもありました・・・)
「じゃあどうするの!?」といえば販売員側も必死で頭を下げてお客さんにAppleStoreへ行って貰わなければなりません。売っている側としても買った側としても、せっかく新しいiPhoneなのにただえさえ手続きが面倒くさい販売店でやっと手に入れたのに更にAppleStoreに行けとはどうなってるんだという事になりますよね。
だから私のような元販売員なんかは初期ロットを買わないんです。初期ロットが流通し終わる頃にはAppleも問題を認識して対応しているケースが多いですからね。ハードウェア面もソフトウェア面も含めて。そういうリスクを背負って10万もする端末を買うなんて馬鹿げていると思ってしまいます。
一番最悪なのがAppleStoreへ行って初期不良だと認めて貰えない場合です。もうこうなったら気分は最悪、懐さえ許せば新品のiPhoneを海にでも投げつけて水没させたいぐらいです。
・・・あかんやん、iPhone7防水やん!
本当にユーザーが思っているような防水?
ここから今日の本題。前置きがながすぎる!
皆さん防水といえばどういうイメージでしょうか。
- 湘南のサーファーでも安心!海でも大丈夫!
- 忙しいオフィスワーカーがコーヒーを壊してもへっちゃら!
- あっ、トイレに落としちゃった・・・でも防水だから大丈夫!
- よーし!お風呂でゲームでもしながらゆっくりするぞー!
- ちょっと雨が強くなってきたな、防水だから気にしないけど!
- ちょっと台所仕事中に水がかかっちゃった!
さあどのレベルでしょうか?
実はいわゆる携帯端末で防水と謳っているもので実際に想定されているのは6番なんです。塩分濃度の強い海水やコーヒー?勢い良く水に落とした?酸性の雨水?お湯?それ全部水没故障してしまう可能性があります。
携帯の防水性能
携帯電話の防水端末はもう10年近く前からあるでしょうか。そんな中iPhoneがついに防水対応、歓喜をあげたユーザーも多いハズ。そんな私が防水携帯を販売する時にお客さんに必ず言っていた説明を書いてみます。
「この携帯防水なんですけどね、これあんまり過信しないで下さいね!携帯の防水性能って深さ1mの真水に30分つけても本体内部に水が侵入しないよーって言う基準なんです。つまり例えば携帯と一緒に海で泳ぐとかダイビングするとか携帯にもジュース飲ませちゃうとかすると水が入っちゃう可能性があるんですよー。後お風呂!お風呂の場合一番怖いのは内部の結露なんですよ。なんならお湯かけて無いのに結露で水没なんて可能性もあるんであんまりオススメしませんよー。それともう一点、携帯の水没判定って壊れているかどうかじゃないんです。電池パックや本体の見えにくいところに防水判定シールって言う白に赤の点々がついてるシールがあるんですけど、どんなに本体がちゃんと使えていてもそのシールが滲んでいると水没です!ってなっちゃうんです。だから全然違う事で本体の修理頼んだら水没でしたって言われて修理代金高くなったり断られる事もあるんですよ、注意して下さいね!」
うん、長い。それとチャラい。
とそれはいいとして、ようはそういう事です。強い衝撃を与えて水分に触れる(例えばトイレに落とすとかマリンスポーツをするとか)、真水以外の液体をかける(海水やコーヒー等)、結露する可能性がある使い方をする(お風呂)。そういう場合防水性能が発揮されるかどうかは正直未知数です。衝撃に関してはなんとなくわかりそうです。真水以外は例えば防水部分に使われているゴムやコーティングが劣化してしまってそこから水分が入ってしまう等が有り得そうですね。雨水に関してはいくら酸性雨だからと言ってそこまで真水に比べて影響はなさそうですが、防水性能の基準から言えば真水ではないのですNGという事になります。
防水はあんまり信じちゃダメ
私の今までの経験からです。防水なんてあんまり信じちゃダメです。
携帯の故障で一番多いのが水没と言っていいぐらい水没で携帯を壊すユーザーって多いんです。で、10台に1台ぐらいは防水携帯を謳っていた携帯の水没による故障修理の受付をしていました。つまり防水を過信して水没させちゃうユーザーって本当に多いんです。防水なんて本当にただの保険ぐらいに考えておいて下さい。
くれぐれもiPhone使いながら入浴とかしない方が懸命です。大体2年サイクルで携帯を買い換えるユーザーがシステム上多いですが、多分2年持ちません。水をかけたりしてないけど調子悪くて故障かな?なんて思って見てもらったら内部結露で少しずつ基盤が腐食して行っていて、水没シール真っ赤っ赤なんて余裕で想像できます。
皆さんもアホみたいに高い携帯端末、くれぐれも水没させないようにお気をつけ下さい・・・!