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廃炉、年末に正式決定 閣僚会議、21日了承へ

廃炉を含む見直しが固まった高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市で2016年9月15日、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

 政府は20日、日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉を軸に、高速炉研究開発計画を抜本的に見直す方針を固めた。すでに1兆円超の国費を投入しながら実績を上げていない施設に、巨額の追加費用の投入は困難と判断した。関係自治体との調整が残っており、廃炉の最終判断は年末となる方向だ。一方、使用済み核燃料を再処理して使う核燃料サイクル政策は維持する方針だ。

 政府は21日に菅義偉官房長官、松野博一文部科学相、世耕弘成経済産業相らが出席する原子力関係閣僚会議を開いて方針を決定する。政府関係者によると、閣僚会議は「日本の高速炉の研究開発計画を年末までに見直す」ことを了承。もんじゅは、その計画見直しで「廃炉も含めた抜本的な対応を検討する」との方針を示す。

 もんじゅを巡っては、多数の機器点検漏れなど安全管理上の不備が相次いだことを受け、原子力規制委員会が昨年11月、所管の文科省に、新たな運営主体を半年をめどに探すよう勧告。文科省は、もんじゅの運転管理部門を分離し、新たな法人の設立を目指したが、電力会社などから協力は得られなかった。

 もんじゅの再稼働には、規制委による新たな規制基準をクリアする必要がある。政府は耐震補強工事などで約5800億円の追加費用が必要と試算しており、政府・与党内では廃炉を求める声が高まっていた。ただ、もんじゅは日本の高速炉の研究開発計画の中核施設で、廃炉にすれば中長期的な計画の見直しに影響する。このため文科省は「高速炉計画にもんじゅは不可欠」と主張した。

 これに対し、存続に否定的な経産省は「代替施設はある」と反論。核燃料サイクルを維持するため、もんじゅの1世代前に当たる実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の活用や、フランスが建設予定の新型高速炉計画「ASTRID(アストリッド)」での共同研究などにより後続の高速炉開発に向けた研究を続ける考えだ。【大久保渉、岡田英】

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