写真・図版 9月20日、米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)は、自動運転車の開発・走行に関する包括的な指針を公表し、安全性確保に向けて自動運転システムの設計に政府がより深く関与することなどを提案した。写真はカリフォルニア州で6月撮影(2016年 ロイター/Noah Berger)

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 [ワシントン 20日 ロイター] - 米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)は20日、自動運転車の開発・走行に関する包括的な指針を公表し、安全性確保に向けて自動運転システムの設計に政府がより深く関与することなどを提案した。

 指針には、15項目からなる安全性審査が盛り込まれ、自動車メーカーに対し、自動運転システムがどう作動するか、不具合が生じる理由などについての自主的な情報提供を呼び掛けている。

 このほか、自動運転車が歩行者と衝突した場合の対応、自動運転車の制限速度など多岐にわたる項目が含まれている。

 自動運転車の開発で各社がしのぎを削り、規制当局が対応に追われる中、連邦政府には規制の一本化が求められていた。

 今回の方針で、メーカーの自主的な対応を重視した背景には、正式な規制強化には議会承認などで数年かかる可能性があるという現実がある。 

 フォックス運輸長官は20日の記者会見で、今回の指針を義務化することを目指すと表明。「自動運転に関する方向性が示された」としつつも、現在の政策に多くの疑問が残されていることは認め、少なくとも年1回は見直しを行う方針を明らかにした。

 運輸省当局者は会見で、アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグル、ウーバー・テクノロジーズ、テスラ・モーターズ<TSLA.O>など自動運転車を開発する企業に対し、安全性審査に関する質問に6カ月以内に回答することを求めると語った。

 当局はまた、米連邦航空局による航空機の承認手続きと同様、自動運転車の発売前に連邦当局による技術の検証と承認を義務付けるかどうかも検討したいとしている。

 グーグルは先に、州ではなく連邦政府が自動運転車の規則を決めるべきだと訴えており、今回の指針はこれに沿った形となった。