2016年09月20日

今さらになって「ワールドトリガー」一気読みしたら超面白かった、ないし「汎用的な能力バトル」の話

いやーもっと早く読んどけばよかったです。なんで読んでなかったんだっけかなあ。我ながら見る目がない。


言うまでもなくワールドトリガーはジャンプの連載漫画なわけで、漫画記事読む人だったら知らない人の方が希少だと思うんですけど、今までちゃんとチェックしてなかったんですよ私。ちらちらみてはいたんですけど。

けど、最近のランク戦辺りからちょっと気になりまして、ちゃんと1巻から通して読んでみたらまあ面白いのなんの。「近界(異世界)からの侵略」という舞台設定だけ見れば割とよくある話かと思うんですが、敬遠してたら損しました。


この漫画、一応分類的には「トリガーという武器を使った能力バトル」ものになると思うんですけど、「汎用ものの能力バトル」というか。一部の例外を除いて、「一点ものの能力」があんまり登場しないんですよね。


能力バトル漫画の肝は、「能力の多彩さ」と、「その能力を使った戦略・戦術」です。で、大体の能力バトル漫画の場合、「あるキャラクターの能力は、そのキャラクターしか持ってない」んですよね。キャラクターはそれぞれ、「性質的に、自分にしか絶対出来ない」ことをもっていて、そこから個性や戦術を構築している。

ところが、ワールドトリガーの場合、黒トリガーやサイドエフェクトという例外を除くと、殆どのキャラクターが汎用の「ノーマルトリガー」を使っている。しかも、黒トリガーにしても、劇中すぐに使わなくなってしまったり、あるいは何人かで使いまわしたり出来てしまう。遊真にしても迅にしても、黒トリガー使ってる時期ってほんの一時ですしね。

「戦闘において、根本的にその人しか使えない能力」というものが、普段はあんまり出てこないんです。(出力的には、千佳の狙撃とか生駒旋空とかありますけど)

つまり、登場人物の大多数は、「量産型の、他の人でも同じことが出来る能力」を使っていて、それでもその中で「その人にしか使えない戦術」とか、「その人なりの工夫」とか、「圧倒的な精度、出力」みたいな要素でちゃんとキャラ分けがされていて、しかもそれにちゃんと納得感がある。

これ、「安易な一点もの能力と、それによる多彩さに頼らない」っていう意味で、すごーーい難しいことをやってらっしゃると思うんです。すごいなーと。


特にボーダー内でのランク戦については、長距離・中距離・短距離とそれぞれの守備範囲を軸に、「チームとしての戦術、作戦、駆け引き」が凄くきちんと描かれていてめっさ面白いわけです。一人一人がちゃんと自分の仕事をしていて、スプラトゥーンのような「役割わけバトル」という側面があります。分業超重要。

あと、主人公の一人である三雲が、「ちゃんと弱い」キャラであることも好感が持てます。「一見弱そうで、でも実はすごい潜在能力が」とかじゃないんですよね。素質があるわけでもないし、経験を積んでいるわけでもない。強い人と正面からぶつかると全然歯が立たないし逆転の目もない。だからこそ、自分も強くなれるようにあがきながらも、なによりチームとして、全体として勝てるように工夫する。

なんというか、「キャラクターの仕事っぷりにものすごい説得力がある」とでもいうのでしょうか。


読んでいて思ったんですが、多分ワールドトリガーの面白さって三つの局面があって、

・超強い人たちが超強い活躍をする、「さすが」の局面:トリオン兵相手の闘いとか
・敵もものすごい強い連中が出てきて大ピンチになって、そこから逆転するカタルシス:近界民大規模襲撃とか
・チームプレイとしての戦術がすごい精度で描写される:ランク戦とか

それぞれ、面白さの質が違っていて、色んな角度から楽しめる漫画だなーと思ったわけです。まあ、迅さんの能力ちょっとチート過ぎじゃね?とか細かい点はあったりしますけど、それはそれで面白い。

キャラクターとしては、太刀川さんや北添さんのやる気のなさがお気に入り。あと、「高圧的なんだけどちゃんとすごい実績や能力がある」鬼怒田さんもいい味出してますね。千佳にだだ甘いところも好感が持てます。また、小南さんは可愛いと思います。

ここ最近では、生駒隊の全く会議してないっぷりが非常に楽しかったです。生駒達人さんいい味出しまくりですね。ナスカレー食べたくなりました。


なにはともあれ、引き続き追いかけて参りたいと思いますので、先行ファンの皆さまよろしくお願い致します。
posted by しんざき at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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