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上陸 なぜ今年は多いのか 16号で6個目

日本に上陸した台風の経路

 台風16号は今年6個目の上陸となった。2004年の10個に次ぎ、1951年の観測開始から2位タイだ。1号の発生が7月3日と史上2番目に遅かったり、初めて東北地方から上陸したりするなど今年の台風は「異例ずくめ」。何が影響しているのか。

 専門家が指摘するのが、偏西風の蛇行に伴って発生する「ブロッキング高気圧」の影響だ。通常、台風は西から東に移動するが、今年は日本の東側にこの高気圧が停滞したため、行く手を遮られた台風が北上し、北海道や東北への上陸につながった。木本昌秀・東京大教授(気象学)は「珍しい高気圧ではないが、長期間続いたため異常なケースを引き起こした」と分析する。

 海面水温の上昇を指摘する専門家もいる。坪木和久・名古屋大教授(気象学)によると、8月は日本の南西の海域で海面水温が30度を超え、平年より2度高かった。海面水温が高いとエネルギーを蓄えて台風になりやすい。また、日本の南には「モンスーン渦」と呼ばれる台風の「種」を生む低気圧も発達していたため、坪木教授は「台風になりやすい状況がそろっていた」と話す。

 地球規模の気候変動が影響した可能性もある。今年夏は、台風の発生が最も遅かった98年同様、南米ペルー沖の海面水温が上昇する「エルニーニョ現象」から、低下する「ラニーニャ現象」への移行期に当たる。坪木教授は「因果関係ははっきりしないが、今回の台風発生の背景に関係している可能性がある」と指摘する。【酒造唯】

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