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 大阪市営地下鉄の民営化を巡る本格的な議論が、開会中の市議会でいよいよ始まる。民営化を実現したい吉村洋文市長に対し、市の関わりを残す民営化なら賛成すると条件を突きつけた自民党市議団。市民にとってより良い地下鉄になるのか。民営化ありきの議論に警戒の声もある。

 「地下鉄民営化は、大阪都構想に次ぐ大きな改革の目玉」。吉村市長は13日、自らを支える大阪維新の会市議団との会議で、強い言葉で意気込みを語った。

 2004年、関淳一市長時代に始まった民営化の議論は、完全民営化が公約だった橋下徹市長を経て、10年以上続いてきた。

 橋下氏後継の吉村市長も推進する立場で、18年4月からの民営化を目指す。「サービスが向上し、利益追求をする中で沿線への波及効果もある」と語る。ホテルなど新たな事業への進出にも期待がある。

 その好機ととらえるのが9月議会だ。市議会(定数86)に提出した民営化に向けた基本方針案は、維新(37人)と賛成の方向で調整する公明(19人)で可決に必要な過半数に達する。だが地下鉄の公営事業を廃止し民営化するには3分の2以上(58人)の賛成が必要。共産(9人)は明確に反対で、自民(20人)の賛成が欠かせない。

 橋下氏の民営化案に2度反対してきた自民が今回、態度を変えた。市の100%の株式保有▽地下鉄会社と市・議会の協議体の設置▽社長人事や事業計画への関与方法の確立など市の関わりを残す条件を突きつける代わりに、民営化を認める方針を決めた。

 背景に、自民が国政や府内の地…

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