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盛り土なし計画変更、共有されず 技術系起案か

豊洲市場の盛り土を巡る経緯と発言

 東京都の豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で、都幹部や部局のトップに情報が上がっていなかった背景について、担当部局の中央卸売市場に所属していた複数の幹部職員が、部内の連携が不足していたと証言した。中央卸売市場は、各部が築地市場と新宿の都庁本庁舎に分かれて設置された経緯があり、ある担当職員は「双方の距離感」が一因となって、「盛り土計画」変更の情報が共有されなかったと指摘した。

 都によると、中央卸売市場は以前、全ての部が築地市場の青果棟3階に置かれ、豊洲市場への移転が決まった直後の2002年2月、市場整備の担当部(現・新市場整備部)だけを残して、都庁に機能を移した。

 新市場整備部は「新市場の建物の設計及び施工」などを主な目的とし、設計図作製を含めた建設計画を主導した。技術系職員が多く在籍し、盛り土計画の変更を起案したのも同部とみられる。

 盛り土計画は09年7月〜10年7月に変更されたとみられるが、当時の幹部職員は「新宿と築地の間で距離感があった。技術系職員とのコミュニケーション不足を感じていた」と証言した。中央卸売市場の担当者は問題発覚後、「技術系職員の間では建物下に空洞があるのは共通認識だった」と説明したが、連携不足のため情報が中央卸売市場内で共有されず、技術系以外の職員に伝わっていなかった可能性が高い。

 一方、新市場整備部の幹部は都議会への対応に追われ、都庁で作業をすることが多かった。都議会の議事録によると、15年10月の都議会定例会でも新市場整備部の担当部長が「敷地全体を全てきれいな土に入れ替え、その上に2・5メートルのきれいな土による盛り土を行うことで、合わせて4・5メートルのきれいな土で覆う」などと説明している。ある担当職員は「幹部に十分に情報が伝わっていたか分からない」と明かした。

 この問題で、09年7月〜11年7月にトップの中央卸売市場長を務めた岡田至氏が毎日新聞などの取材に応じ、建物下に盛り土をしないことを記載した土壌改良工事の関連書類に決裁の押印をしたと証言した。この際にも部下からは決裁の際に盛り土がないことを説明されなかったという。【円谷美晶、川畑さおり】

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