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 津波で街ごと流された跡に、偽物のバス停が一つ、また一つと置かれてゆく。バスは通わないけれど、住めなくなった荒れ地に集う人々がいる。

 仙台市若林区荒浜は、震災前、約2500人が住む街だった。仙台駅から海水浴場のある深沼(若林区荒浜)までバスで約40分。だが家々の多くが流された。災害危険区域に指定され、海水浴場は閉鎖された。

 昨年6月、バスの終点だった空き地に、昔と同じバス停が置かれた。近くには慰霊碑。元住民らは「バスが再開するのか」と驚いた。でも、よく見ると「偽・仙台市交通局」と書いてある。

 いったい誰のいたずらだろう?

 置いたのはアーティストの佐竹…

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