将棋の羽生善治王位(45)=王座・棋聖=に木村一基八段(43)が挑戦している第57期王位戦七番勝負(中日新聞社主催)の第6局は13日午前9時、神奈川県秦野(はだの)市の旅館「元湯 陣屋」で指し継がれ、午後6時44分、114手までで後手番の羽生が勝ち、対戦成績を3勝3敗のタイとした。
決着は最終局に持ち越された。持ち時間各8時間のうち、残りは木村12分、羽生26分。第7局は26、27日、陣屋で行われる。
本局は3局連続で角換わり腰掛け銀の戦いとなった。対局再開後、羽生が1時間以上の長考で放った2七歩(56手目)が鋭い一手。同飛には5九角が厳しいため、木村は2九飛(57手目)と辛抱した。しかし後手が4八角(58手目)から馬をつくった後、5七桂成(70手目)と空成りしたのが、木村の見逃していた絶妙手だった。
劣勢となった木村は9筋から手を作り、懸命の粘りを見せたが、羽生は4七金(78手目)の両取りで駒得を拡大。飛車を転回して4八飛成(98手目)と攻めかかり、最後は先手玉を受けなしに追い込んだ。
副立会人の佐藤紳哉七段は「木村さんにミスが出た後も積極的な手順で優位を拡大し、羽生王位らしい一局だった」と振り返った。
5七桂成で良くなった
羽生善治王位の話 待っているだけの将棋になり、中盤の2九飛(57手目)では、どう指せばいいのか分からなかったです。5七桂成(70手目)では少し良くなったと思いました。終盤は駒得の分、良いと思いました。
作戦良くない気がした
木村一基八段の話 作戦が良くないような気がしました。1日目の4四歩(48手目)では自信がありません。その後、大きなミスが出て、みっともないことをしてしまった。次局ではないようにしたいですね。
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