丸井グループは20日、子会社の丸井が保有する「新宿東口ビル」(東京・新宿)を売却すると発表した。かつて丸井の「ヤング館」として知られ、若者文化の中心にあった同ビルだが、丸井グループは保有資産の見直しを急ぐことにした。売却額は約130億円。売却先は非開示だが、引き渡しは30日を予定している。
マルイが新宿に初進出した1962年9月から使われてきた同ビルは、長く「マルイヤング新宿」(通称ヤング館)として営業していた。バブル期にはDC(デザイナー・キャラクター)ブランドの発信拠点として名をはせ、セール時には多くの若者が行列を作ったことで知られる。
2009年2月にはファストファッションを中心とした「新宿マルイカレン」として新装開店したものの、12年3月に閉店。その後は賃貸用不動産として運用され、現在は若者向け紳士服店の「ザ・スーツ・カンパニー」や家具・雑貨店の「ケユカ」などがテナントとして入っている。
売却で丸井グループは約120億円の特別利益を計上する見通し。一方、カード事業での利息返還額が過去の想定よりも膨らみそうなことから、「利息返還損失引当金」を特別損失として追加で繰り入れることを検討している。どちらも2016年7~9月期に計上する予定だ。
丸井グループは16年4~6月期決算と併せて発表した中間期や通期の純利益予想に与える影響は軽微になるとみている。