慰安婦問題を巡る昨年末の日韓合意に基づいて韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」が、日本政府に対し、安倍首相から元慰安婦に宛てた「おわびの手紙」を要請していることが分かった。

 日韓両政府関係者が明らかにした。

 財団は、日本政府が先月入金した10億円から、昨年末時点の生存者に約1億ウォン、死亡者の親族らに約2000万ウォンを支給する方針だが、一部の元慰安婦や支援団体は日韓合意や財団の事業に反対している。首相の手紙を添えることで、「韓国内の反対世論を和らげる」(財団理事)狙いがある。

 要請は韓国政府を通じて行われたが、日本政府は日韓合意にない追加措置の実施には慎重な立場で、回答を保留している。菅官房長官は20日の記者会見で「(日韓)合意を両国が着実に実施していくことが極めて大事だ」と語った。