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 日本とキューバは、キューバが日本に負っていた中長期債務約1800億円のうち、1197億円を日本側が段階的に免除することで合意した。残りの615億円は今後、18年間で返済するという。安倍晋三首相が22日からキューバを初めて訪問する前に懸案を解決し、経済関係の強化を図る狙いがある。

 ハバナ市内で19日、在キューバの渡辺優大使とキューバのカブリサス閣僚評議会副議長が、合意文書に署名した。

 合意によると、返済する615億円のうち253億円は、キューバ側が国内に日本貿易保険(NEXI)名義の基金を作り、二国間で合意したプロジェクトなどに使う。パリクラブ(主要債権国会議)ではフランス、スペイン、イタリアが同様の形をとり、外貨不足に悩むキューバへの配慮をみせている。

 1970年代、キューバにとって日本は西側最大の貿易国の一つで、日本企業の拠点もあったが、キューバが債務不履行に陥り、日本企業は次々と撤退した経緯がある。

 署名後、カブリサス副議長は朝日新聞に「かつてのように密接な経済関係を両国が復活させる重要な一歩だ」と語った。(ハバナ=平山亜理)

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