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「空洞説明受けず」決裁 当時の市場長

豊洲市場の「盛り土」を巡る経緯

 東京都の築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で、2009年7月〜11年7月に担当部局トップの中央卸売市場長を務めた岡田至氏が毎日新聞などの取材に応じ、建物下に盛り土をしないことを記載した「特記仕様書」に決裁の押印をしたと証言した。一方で仕様書を決裁する際に部下から盛り土がないことを説明されなかったとして「はっきり確認しないまま押印した私に管理責任がある」と謝罪した。

 土壌汚染対策については外部有識者の「専門家会議」が08年7月に高さ4.5メートルの盛り土を提言したが、都幹部などの証言で09年7月〜10年7月に計画が変更されたとみられる。

 仕様書は11年8月に受注した共同企業体と結んだ土壌汚染対策工事の契約書に添えられ、工事の範囲や工法なども記された。敷地全体の土を2メートル掘削して砕石層を50センチつくることを意味する「施工範囲 A.P.+2.5メートルよりA.P.+2.0メートル」と、建物下に盛り土をしないことを意味する「建設エリア以外のA.P.+6.5メートルよりA.P.+2.5メートルまでを土で埋め戻す」との記載がある。

 岡田氏によると、部下から建物下を空洞にするという計画を聞かされたことはなく、盛り土があるという認識で押印した。当時の石原慎太郎知事や都議会には専門家会議の提言を確実に実施すると説明しており、「地下に空洞をつくることを検討するよう指示したことや議論したことはない」と明言した。これまでの都の聞き取りにも同様の説明をしたという。

 その上で「盛り土がないことは今回の報道で初めて知った。(部下から)『地下を空洞にすることを考えています』と言ってもらえる体制になかったということで、組織の長として責任がある」と述べた。

 契約書には石原氏のサインと押印があるが、岡田氏は「(提言を覆すような)重大なことを報告しないことは絶対にない」と話しており、石原氏も盛り土がされないことを認識していなかった可能性が高い。【円谷美晶、川畑さおり】

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