キトラ古墳 壁画保存施設を報道関係者に公開

奈良県明日香村のキトラ古墳で見つかった極彩色の壁画を保存・公開するための施設が、今月24日の開館を前に報道関係者に公開されました。
公開されたのは、明日香村のキトラ古墳の隣に整備された「キトラ古墳壁画体験館四神の館」です。
飛鳥時代に造られたキトラ古墳の極彩色の壁画は傷みが激しく、石室の壁から、はがし取って修復が進められていますが、この施設で保存・公開されることになり、今月24日の開館を前に20日、内部が報道関係者に公開されました。

建物は地上1階、地下1階で、地上部分では開館に合わせて行われる展示で、修復を終えた方角の守り神の「白虎」と「朱雀」が公開されます。
また、天井に描かれた世界最古の本格的な天文図とされる壁画が初めて一般に公開され、金ぱくと朱色の線で書かれた古代中国の星座などを間近に見ることができます。
地下は展示スペースがあり、実物大の石室の模型が置かれるほか、壁画の映像を映し出す大型スクリーンも設けられています。
担当する文化庁の建石徹古墳壁画対策調査官は「キトラ古墳の壁画は当時の中国や朝鮮半島との交流を示す非常に貴重な資料だ。保存修復の過程を紹介する展示とともに実物を見てほしい」と話しています。

壁画は年に4回程度公開される予定で、開館に合わせて展示は来月23日まで行われ、見学には事前の申し込みが必要だということです。