シリアでの停戦に関する米ロ合意については、米ロ相互の不信感や非難の応酬にもかかわらず,シリア全土で概ね守られているとされていましたが(もっとも、この間政府軍、及び反政府軍は、たがいに合わせて300件の停戦違反があったとして相互に避難していました)、シリア軍は19日、7日間続いた停戦を終了すると発表しました。

この問題について、米国務長官等米政府は、停戦合意によれば、シリア政府に停戦を守らせる義務は、ロシアにあるとして、ロシアに対してシリア軍の発表について説明を求めたとのことです
(日本時間1000現在ロシアの反応は報じられていない)
また、この発表を受け、おりしも国連総会に集まっていた代表は、サウディ外相の呼びかけで、外相レベルで会合し、今後の対応を検討した由。
会合にはカタール、独、英、米、仏、トルコ等が出席した由。

他方アレッポでは19日、人道援助を搬入しようとしていた国連、国際赤十字の合同援助車列18台が空爆を受け、赤十字のボランティア12名及び運転手1名が死亡した事件が起きました。
この事件に対して、国連のシリア特別代表は激しく攻撃を非難したほか、仏外相も攻撃を非難した由(おそらく英米等他の国等も非難していると思うが、報道では取り合えず2者の名前が出ている)
空爆という以上、やったのは政府軍機かロシア機かと思われますが、今のところ詳しい状況は不明
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/18/غارات-تقصف-حلب-للمرة-الأولى-منذ-بدء-الهدنة.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/19/قصف-جوي-ومدفعي-على-حلب-بعد-انتهاء-الهدنة-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=600382
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/19/واشنطن-تطالب-موسكو-بتفسير-لإعلان-إنهاء-الهدنة-بسوريا

米ロの停戦合意については、そもそも当初から米ロ間の相互不信も伝えられ、特にデリゾルでの米軍機等による(英軍機も参加した模様)誤爆事件後は、停戦の継続も危ぶまれて、きましたがついに公式に?破棄されたことになりました。
しかし、ケリー長官は、これまで何度か、今回の米ロの停戦合意が、シリア問題解決の最後の機会であると発言してきており、これからどうするつもりでしょうか?
この調子では国連傘下の会議もとりあえずはなさそうですね。
矢張り、悲しいながら銃口が物を言う季節に戻ったということなのでしょうか?