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マスター:稲田和夫
シナリオ形態:シリーズ
難易度:非常に難しい
形態:
参加人数:13人
サポート:0人
リプレイ完成日時:2016/09/14


みんなの思い出

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オープニング

 雲一つない晴天で、穏やかな硫黄島沖の海上を、二つの異様なモノが水飛沫を立てて航行していた。
 前を行くのは、サタニックアンカーと呼ばれる巨大な人間輸送用のディアボロだ。
 横幅は平均して10m強、そして長さに至っては300m近くある。
 一見すると伝説上の(シーサーペント)大海蛇を思わせるが、その頭部はナマコに酷似しており、無数の触手を生やしている。
 どうやら、オオイカリナマコと呼ばれる、実在する3mもの大きさを誇るナマコをモチーフにしているらしい。
 そして、それを追跡する10m程度の怪魚の姿をした悪魔騎士アブガルの背中には撃退士たちの姿があった。
「もっとスピードはでないんですか!? アブガルさん!」
 黒く長い髪の少女が切迫した声を上げた。
「追いつくのは造作もねえさ。だが、お前らやり方はちゃんと考えてあるんだろうな? 腹の中の人間をどうやったら助けられるかをよ」
「にゃ……中の人を傷つけないように注意して戦うだけじゃダメなんですかねぇ……」
 白い髪に黒い蓮の花のような羽を生やしたハーフ悪魔の少女が首を傾げる。
「ここは海の上だぜ? アンカーを殺しちまったら中の人間と一緒に海に沈むだけだろ? まあ、中の人間も多少は持つだろうが、それを引き上げるのも一苦労だろうが」
 撃退士たちが沈黙すると、アブガルはゲタゲタと笑う。
「ベロソスによるとアンカーは巨体を維持するために、脳みその働きを助ける神経節が体の真ん中にあるそうだ。それを潰せば殺さずに動きを止められる。つまり、海に浮かせたまま人間共を助けられるって寸法だな」
「……気に入らねえな」
 ペンギン帽子の少女が不機嫌な表情で呟いた。
「そこまで解っているなら何でお前一人でやらない? 俺たちを巻き込むのは何が狙いだ?」
「人間共を気遣うのが面倒なんだよ。この距離からアンカーの神経節をブチ抜くのは大した手間じゃねえが、中の人間共も一緒にブチ抜かれるぞ」
「……悪魔であるお前がそこまで人間に配慮する理由が聞きたい」
 自身の義手の具合を確かめていた男が口を挟む。
「簡単な計算だよ。このまま魂を持ち逃げされるのは俺の面子にかかわる。かといって、人間共を海の藻屑にしちまったら資源の無駄だろう? 一旦お前らに返してやれば、後々改めていただくことも出来るじゃねえか?」
 ペンギン帽子の少女が不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「悪魔らしい理由で安心した……と言いてえところだけどな」
 しかし、彼女がそれ以上何か言う前にアブガルが警告を発した。
「来やがったぞ。ベロソスの野郎だ」
 一斉に前を見た撃退士たちの目に映ったのは漆黒の翼を広げてこちらに飛来するベロソスの姿であった。その容姿は完全に半魚人そのものと化している。
「俺はこのまま高みの見物と行くが……幾つか忠告させてもらうぜ? まず、ベロソスの相手をするヤツはこのまま俺を足場にするしかなさそうだな。そして、アンカーを叩きに行くヤツらは……」
 ベロソスは一旦思案するような顔を見せたが、やがて下卑た笑いを浮かべた。
「いいこと考えた。お前ら、俺の腹の中に入れ。そのままアンカーの上に『発射』してやるよ」
 確かに、ここまでの戦いでアブガルが見せて来た能力に鑑みればそれが有効な手段なのだろう。
「仕方ありませんね……サンバラトさんを助けるためです」
 小柄な銀髪の少女が決意を固める。
「そうね……アイツを取り返すためならなんだってやってやるわ」
 金髪の悪魔の少女も同意した。
「決まりだな……おっと、一応忠告してやるが腹の中に入るからと言って妙な考えは起こすなよ。飲み込んだヤツを吐き出すか消化するかも含めて俺の能力だからな……さぁて、とっとと準備しな!」


 執念、あるいは現状への不満。現在このベロソスという貴族系統無爵位の悪魔を支配している感情はそれに尽きた。
「歌舞伎者が……! またしてもこの私の邪魔をしおって……!」
 違う、と心の何処かで自らの冷静な部分が叫び声を上げるのを彼は無理やり押さえつけた。

 ――これはまたとない好機なのですぞ!

 ――お前、ツラだけは俺より老けてる癖に頭が回らねえな。これがうまい話だと本気で信じてるのか?

 ――……少々、若には刺激が強すぎたのではありますまいか。あの表情をご覧になられたか?
 
 ――じゃあ何か? 泣いて謝りながら魂をいただけってか? アイツもそろそろ俺たちのやり口ってのを知らなきゃならねえ時期だ。それをどう感じてどうするかはヤツ自身の問題さ。こういうのは解り易くした方が良いのさ。

 ――私の計画がお気に召さぬのか? あの硫黄島という地は絶好の条件を備えているのですぞ!

 ――……まあ、好きにやってみろ。運が良ければ少しは上りがあるかもしれねえしな。とにかく、お前が無風流なマネをしなければ最後までケツはもってやるよ。

「気に食わぬ……!」
 それは、いつでもどこか意見が食い違い、そしていつで最終的には向うが正しかったことに対する苛立ちであった。

「この私を……コケにしおって!」
 そして、コケしつついつも自分を最悪の状況から守っていたのはあの忌々しい巨大な背中だった。

「違う! 奴はいつもあの図体で私の栄達を阻んで来た!」
 今度こそ、正しいのは自分だ。だから、ここで奴を出し抜くことが出来れば自分には栄光の道が開ける。 その妄執だけが今のベロソスを突き動かしていた。


「お館様……」
 撃退士と共にアブガルの背に乗っているハルヒロは自身がヴァニタスとなる前の事を思い出していた。
 小学校三年生になってすぐ、ハルヒロのママに弟が生まれた。
 ママがハルヒロのパパと別れた後、ハルヒロを引き取ったのは自分の両親の意向に逆らえなかっただけだったから、ママはますますハルヒロに対して無関心になった。
 新しいパパも、ママと自分の血を受け継いだハルヒロの弟のことは愛していたが、当初からハルヒロの事は邪魔だったらしくママ以上に態度が露骨だった。
 幸い、学校でのハルヒロは友達にも恵まれまあまあ楽しい生活を送ることができたが、他の子供たちと自分の境遇の違い――自分は誰にとっても『特別』ではないことを感じずにはいられなかった。
 そして、アブガルがゲートを開き――サンバラトとその父親であるアブガルだけが自分を『特別なモノ』として扱ってくれた。
 
 だから、ハルヒロは目の前でディアボロに変わっていった両親も、幼い弟も、級友たちのことも忘れることが出来た。

 ――きっと、自分は悪なのだろう。償うべきなのだろう。

 それでも、自分がサンバラトと捕えられている人たちのために戦うことはきっと正しい筈。
 そう信じてようとするハルヒロにとっては不謹慎だとわかっていても、アブガルの背中はとても頼もしく見えた。


「う……」
 重体を負い、サタニックアンカーの頭部の触手に拘束されたままであったサンバラトは頬に当たる潮風によってようやく意識を取り戻す。
「僕は……一体……んっ……! んんっ……」
 何とか体を動かそうと身を捩るサンバラトであったが、全身に絡みついた触手のおかげで全く動けない。
「皆、ごめんなさい……」
 無力感に項垂れるサンバラトの視界に、突然アンカーと並走するアブガルの姿が目に入った。
「父上……? どうして……」
 訝しむサンバラトであったが、彼はその背中に懐かしさを感じるのを抑え切れなかった。

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プレイング

ちのうしすうがたかい・雪室 チルル(ja0220)
高等部2年4組 女 
心情:
「ベロソス!さっきはよくもやってくれたわね!」

目的:
敵の撃破と人質の救出

準備:
・作戦
2手に別れて行動。それぞれベロソスとサタニックアンカーの撃破を狙う。
その際、ベロソス討伐担当はサタニックアンカーへの射出の際、
飛んでいるところを狙われないように一斉に攻撃を仕掛けて迎撃を阻止。

今回はベロソス討伐として行動。
基本指針としては高火力攻撃による速攻を狙い、
相手がなにか手出しをする前に撃破することを狙う。

・準備
戦闘終了後に備えて救急箱を用意。

行動:
・射出
遠隔攻撃による牽制で射出中のところを狙われないようにする。
また、チャンスがあれば羽などを狙って空中移動能力を阻害する。

・射出後
星の鎖を使用して空中への移動を妨害することで海上に叩き落とす。
その際、味方に合図をとって攻撃準備を行い、
発車後はすぐに相手の後ろ側を取れるようにしておく。
可能であれば相手が分身する前に撃ち出すことを目的とする。

・叩き落とした後
味方全員で一斉攻撃。
分身を使ってきたら敵ごとまとめて範囲攻撃でなぎ倒す。
また、相手が再浮遊しようとしたら再び星の鎖を使用し、
絶対に空中に逃がさないようにする。
更にそこで落下したところを狙って奥義で確実に仕留める。
とにかく基本は相手にスキルを使わせないように、
一方的に叩きのめしてそのまま押し切るつもりで挑む。
なお、星の鎖の使用回数が切れたら他の人と交代。

死神を愛した男・郷田 英雄(ja0378)
大学部6年2組 男 
【討伐】班
「ヤツの執念には侮れないものがある」
最期まで気を抜くな

-心境
手を組むのは業腹だが
こいつがいなければ遂行できない作戦なのも理解している
物事に順序をつけてやるだけで、次は手前だ

-行動
阻霊符使用
こいつはもう使えないな、と義手を海に捨て
太陽の位置を確認し、見上げた時に逆光にならないように位置取り
戦闘中、海に放り出された味方は可能な限り鎖で回収
また自身が流されそうな場合はアブガルの腕などに鎖を固定し耐える
_戦闘後
残念だが、戦う気分じゃあないな
しばらく傍観していよう

-戦闘
基本鎌/射程外銃交換
[闘気解放]継続使用
生命30↓[吸魂符]優先使用
[シールド]使用時生命43↓で盾緊急活性
別班射出時には銃で気を引き
以降、敵飛行時は行動を遅らせ、待ちの姿勢
味方が撃ち落としたら接近し攻撃/近接攻撃でくるならカウンターで/滞空するなら銃で翼狙い
[荒死]射程内なら積極使用し早期決着を目指す
「はッ、今度こそぶっ潰す!」
敵分身時は一番近い個体に攻撃

-その他
称号希望
アドリブ/台詞作成歓迎

歴戦の戦姫・雫(ja1894)
中等部1年1組 女 
・心情
「落ち着いて事を成さないと・・・」

・行動
【神経】に向かう
ボディペイントと隠密を使用してサンバラトの救出に行う
途中で発見されなかったらサンバラトを解放、仲間と共に合流する
解放が困難な時、解放前に発見された場合はその場で応戦して一騎掛けを使用してアンカーの気を引く
仲間が神経節を破壊する前に可能であればサンバラトの解放、難しい場合でも道連れにされない様に敵戦力を低下させる
「作戦変更ですか・・・でも、あの人は必ず助けます」

レッドタイドが出現していたら萬打羅を使用して盾ごと撃破する
触手を破壊する際は神威を使用して迎撃、レッドタイドが出現していなければ萬打羅を併用する

戦闘終了後は、サンバラトが攫われない様にとハルヒロが馬鹿な真似やアブガルの元に戻らない様に注意を払う
可能であればアブガルの質問をする
「貴方は何がしたいのですか?今回の行動から歪ながら二人に愛情があると見受けらますが・・・」

※アドリブOK

蒼の絶対防壁・鳳 蒼姫(ja3762)
大学部3年3組 女 
★アドリブ称号歓迎★

★心情
静矢さんと一緒に頑張るのですよぅ☆

★準備
阻霊符
絆→静矢さんに

★行動

【討伐】に静矢さんと一緒に参加
仲間と連携してベロソスの討伐を目指す
静矢さんとは特に連携して行動する

飛行しているベロソスに対しては射程が届く限り魔具は楽器で攻撃
ジプシーダンス使用し攻撃
静矢さんと連携する場合は連想撃で2人でタイミング合わせ攻撃
「行くのですよぅ、静矢さん☆」

射程内に入ればベロソスに対してMSも考慮し攻撃

ベロソスの攻撃は布槍に持ち替えて素の防御力で防御
「……これくらいは持ちこたえてみせるのですよぅ☆」

アンカーへ向かう組が射出される瞬間にアンカーへ向かう組が狙われないように援護
タイミングを合わせベロソス討伐班の仲間と一緒にベロソスに対して一斉攻撃
アンカーへ向かう組の邪魔をさせないようにする
「邪魔はさせないのですよぅ☆」

えーちゃんの作戦履行時(時間差射出でのベロソスへの薙ぎ払い攻撃)
えーちゃんの薙ぎ払いでのスタン効果が出ても出なかったりしても畳みかけるように
えーちゃんの攻撃にタイミングを合わせて攻撃を仕掛ける
「えーちゃん、ナイスファイトなのですよぅ☆」

夜明けを告げる者・鳳 静矢(ja3856)
大学部4年8組 男 
アドリブOK
【討伐】
阻霊符常用
蒼姫へ絆使用

*行動*
初めにアブガルに二つ提案し協力求める
「私含め飛べない者も居るのでな
なるべく奴に近付いて武器が届く様にしてくれないか
「もし奴を私等のスキルで下に引きずりおろせそうなら
落ちる奴を背中で受け止めてもらえないか?

最初は連想撃で攻撃
特にアンカーへ向かう者射出時は
ベロソスが狙わない様に連想撃で手数多くし
他の味方と共に狙う隙与えない様に攻撃
「蒼姫、行くぞ!

連想撃尽きたらラストジャッジメントで攻撃
それも尽きたら紫天で攻撃
ベロソスが落ちて近接可能なら刀優先使用し攻撃
また分身発生時は紫天使用せず
本体のみの時に確実に当てに行く
「今のレート差ではだいぶ痛かろう?
「これはとっておきなのでな
分身ごときに使ってやる訳にはいかん

とにかく攻め立て速攻で倒す事を心掛け
前回使った渦潮を起こす大技を使わせる前に倒す事を目標とする
「あれを使われれば飛べない者はまず流されるだろうしな

英蓮の試み実行時
薙ぎ払い後畳みかける様に攻撃加え
英連への反撃を抑制

アブガルへ個人的に事前に一つ頼んでおく
了承得られれば実行し大技直後のベロソスに迫り斬る
紫天使用可能なら使用
「もし奴が渦潮を起こす技を発動させた時は即座に私を呑み込んでくれないか
そして大技直後の奴に向かって射出してくれないだろうか?


敵攻撃は回避
但し避けようがない場合は無理せず受け止め
水面への落下を防ぐ事を念頭に置く

生命0以下時
根性使用

金眼の闇猫・水無瀬 快晴(jb0745)
大学部1年9組 男 
アドリブ称号可

▼心情
……サンバラト、助けさせて貰う、よ!

▼準備
阻霊符(必要時展開

▼行動
【神経】
アンカーから射出される時はベロソスから狙われないように注意して行動
狙われそうになった場合はスナライで狙撃して対応

文歌(jb7507)と一緒に囮として連携して行動
レッドタイド出現時レッドタイドと主に戦う
スナライで射程をある程度の射程を保って攻撃を仕掛ける
仲間のBS攻撃でBSがかかっている状態の時や仲間の攻撃で怯んでる時を狙って射撃する
蝕手が邪魔な場合蝕手にもスナライで距離を取って攻撃を仕掛ける
「……甘いっ!

レッドタイドや蝕手が自身の周囲に近寄って来た場合
夜想曲とダンスマカブルの射程内なら
夜想曲>ダンスマカブルの優先度で使用し攻撃する

レッドタイドをすべて撃破したり
救出作戦が失敗したら状況によって文歌と神経破壊に向かう
神経破壊時はHSで潜行しつつ魔具をエネルギーセイバーに持ち替えてエネルギーセイバーで神経を断ち切る
「……断ち切らせて貰う!

約定の獣は力無き者の盾・長幡 陽悠(jb1350)
大学部1年8組 男 


■目的
ベロソスの撃破及び市民の救出

■行動
【神経】
潜行する人達の成功率を上げる為に囮を対応
ストレイシオンを召喚、ブレイブロア使用(効果切れで再度使用)
「よろしくな。…全力で守ろう」
前衛にストレイシオンで支援攻撃、中衛には俺がいるようにして戦況を常時気にしておく
ベロソスからの流れ範囲攻撃や敵の一斉攻撃時等、必要に応じ防御効果使用
攻撃は単独やフリーの敵を狙うよう指示、射程内でハイブラスト使用
仲間危険時は盾を装備切り替えし庇う(召喚獣と自分の近い方が)
敵が海上に落ちた際はストレイシオンで牽制
仲間が海上に落ちた際はクライムでストレイシオンに乗り早急に回収、戦線復帰させる

潜行側が神経節を破壊するのが困難な場合は敵が減った機(仲間で対応可能と判断した場合。2/3以下)を見計らって破壊しに行く
ストレイシオンをスレイプニルに変更しクライムと追加移動で向かい、迅速に破壊狙う(必要なら到着直前に武器イオフィエル切替で自身で攻撃)


納豆伝道師・袋井 雅人(jb1469)
大学部2年8組 男 
アドリブ、ランダム絡み、突然のハプニング、何でも大歓迎ですよ!

自分は神経節破壊の方に参加させて頂きます。
今回は自分が活躍するよりも仲間のみんなが活躍出来るように心がけて行動しますよ。
自分は囮役をやらせて貰うので「ゴルドレーヴェ」を大振りに振り回して敵を挑発しながら、こちらからは攻撃をしかけずに敵が攻撃を仕掛けた際にそこに割って入るようにいやらしく立ち回るようにしますね。
スキルはケチケチしないで豪快にバンバン使用していきますね。
特に「闇渡り」は敵の目を攪乱するのに使用しますよ。
潜行班によってサンバラト君が無事に救出されれば本当にラッキー、救出に失敗してもショックは受けずにこうなったら全部やっつけちゃえばいいんですね! と開き直ります。
逆境に陥れば陥るほどみんなを励ますように逆に自分のテンションをドンドン上げていこうと思います。
仲間から戦闘不能者が出たら自分も敵を直接攻撃しますね。
最後の方はもう狂ったように笑いながらひたすら剣を振るいまくっているハズ……。
仲間と一緒に依頼を解決して無事に久遠ヶ原学園へ帰りますよー!

撃退士・アステリア・ヴェルトール(jb3216)
大学部1年4組 女 
>仮
・行動
ベロソス討伐。
基本的に「翼」で飛翔しての対応。
(根底として、そこまでアブガルを信じていない為)
行動概要としては仲間との協調を重視。

戦闘に於いては槍にて交戦が主軸。
但し槍の取り回しに難がある際は即座に双剣に切り替え。
必要に応じては狙撃銃での遠距離射撃なども。
※槍については魔具参照。
全長2m、足りない射程は黒焔にて形成。

「魔剱」行使時は巻き込む可能性も加味して十分に注意を。
消耗は「血」で補い。

>対ベロソス
まず前提として仲間との連携が最優先である。
また決定打を持たない為、行うのは行動妨害を主目的にした物となる。
仲間の攻撃の間隙を突く、攻撃体勢を妨害するなどか。
元々紙の上に回復手段も乏しい為、翼の自由性と潜行効果を活用した戦いが軸となる。

また神経節側には信頼出来る人達が向かっているので気にせず。
此方にいる以上はその為に尽くす。
それこそが応える事に繋がると思うから。
大丈夫、きっと上手く行くと。

撃退士・シルファヴィーネ(jb3747)
高等部2年1組 女 
【神経】

○【神経】方針
潜行班と囮班に分かれ囮班はレッドの対処とアンカーの注意をひき、
潜行班はアンカーの隙を狙い拘束されたサンバラトの救出を狙う

救出実行が困難、、、あたは潜行班が発見された時点で囮班は囮役を潜行班と交代
潜行班はアンカーの頭部の注意を惹いて囮班は神経節破壊を目指し救出はアンカーを無力化してからで


○行動
私は潜行班
アブカルに撃ち出された後はベロソスを過ぎてアンカー手前の上空で闇の翼を使用して出来れば太陽を背に飛行
そこからハイドアンドシークで潜行し囮班が注意を惹いているうちにアンカーに発見されない様に迂回し頭部の死角に回り込む
触手が囮班に伸びてサンバラトの拘束が甘くなっている瞬間を雫とタイミングを合わせて触手を排除
その際はサンバラトを傷付けないように注意しざっくり行き過ぎないように
ある程度拘束を解けば自力で抜けられるでしょ、力不足なら私達が引っ張りあげるわ
全部取り戻して、勝って帰るんだから

救出後はサンバラトを抱え一時後退
状態次第で一人は護衛、もう一人は神経節破壊へ
戦う意思があるなら後衛で支援をお願い
言っても責任感じて大人しくなんて出来ないなら、目の届くところにいて貰った方がこっちも落ち着くわ

戦闘は近接戦主体で
無理はせず出来るなら救出の成否に関わらずアンカー頭部の牽制に
闇の翼で引き続き空戦を行い回避を優先しつつ頭部を攻撃し注意を逸らし時間稼ぎ

ペンギン帽子の・ラファル A ユーティライネン(jb4620)
大学部1年8組 女 
「俺と遊んでくれよなー、ベロソスちゃんよー」
悪魔の心を折って畳んで刀削麺にすることに血道をあげている我らがメカ撃退士は今日も平常運転である。
関連人物には特に縁もゆかりもないが、悪魔だけは殺す気満々である。足場の悪魔はとりあえず無視してベロソスの方のみを集中して倒す。

仲間と連携。
ベロソス対応。
分身と大渦潮警戒。
分身が出たらどっちが本物かは頓着せずに近い方もしく主戦力が対応しなかった方から潰す。

初手からウォーウォー唸って機械化。陰陽の翼は状況を見て随時対応。
防御面は紙なので位置取りには注意。単体攻撃は、持ち前の回避でいなしつつも、範囲攻撃は主目標にはならないように注意し縁の方に行けるように注意。

仲間たちの攻撃を助けるために敵には矢継ぎ早にバステを入れていく。一度でかからなくともかかるまで重ねて攻撃していく。

距離が離れている状態ではデビルズバイスで動きを抑え込みつつ「束縛」。

こっちは足場が悪い事から相手の自由な空中機動を妨害し、振り回されないように足止め。

束縛を使い切ったら紅蓮龍爪で捕まえつつ微細振動を叩き込んで「麻痺」付与。相手を一点に固定して攻撃側の優位な位置取りが出来るように腐心する。

ワイヤーを巻き取る形で陰陽の翼で接近。「魔刃〜」を叩き込んでナノマシン注入、内部から爆砕。

「一人でやれることは限られてんだぜ、どんだけ部下を使役しようと一人じゃ出来る事は知れてんだぜ」言葉でも切り崩す

紡ぎゆく奏の絆 ・水無瀬 文歌(jb7507)
高等部3年2組 女 
【神経】

心情】
捕まっている人とサンバラトくんを助けようっ

目的】
レッドタイド倒して神経節破壊し
市民とサンバラトくん救出

行動】
阻霊符使用
アンカーへの射出と同時にPS使用

アンカーから落ちそうなら不動使用
潜行班を先に行かせるべく囮班としてレッドタイドと戦闘


恋人のカイ(jb0745)と連携
「あの蛸顔…ブラッドウォーリアの亜種かな?
ブラッドWは魔法攻撃に耐性があったはず…攻撃の際注意だね
まず因矢の魔法攻撃で麻痺狙い(触手もいれば触手ごと
麻痺後ハルヒロくんにワイヤーで敵の行動止めて貰う
動きがとまれば剣に持替え死角から破手で一気にトドメ

味方危機時A鎧使用

蛸撃破後カイと神経へ
カイが潜行で神経に接近するまで陽動
命中の高い通常魔法攻撃で神経のみよく狙い攻撃

戦闘後
アブガルさんへ
「助けていただいて,ありがとうございました
助けて貰った人を攻撃なんて無粋ですので今日は帰ります
でも人々を殺したり,恋人に前に重傷を負わした事は忘れてないですよ
いつか必ず罪は償ってもらいます

雷閃白鳳・支倉 英蓮(jb7524)
中等部3年1組 女 
ベロソス討伐班

★事前のお願い事
アプ叔父様〜?消化も射出も能力なんですよね?だったら吐き出す時にお口で止めて隠れさせて貰えますですか?(悪い顔
タイミング見て歯を叩きますから、ベロベロさんに最高の猫ロケットをお願いするのですよ!
お礼は‥後で歯磨きで如何です?(歯垢見て←)何なら鱗磨きも付けますですよ!

アンカー班と一緒に口へ入り隠密で虎視眈々と(歯裏や歯周ポケット等に隠れ)期を計る
ベロソス交戦中、此方に視線と意識が切れた時や、大渦の術等の段取りに入りそうな時に歯を小突いて合図。因子開放しながらアプ腹へ急いで飛込み、ベロソスへ即射出して貰い、勢いに乗って一発逆転のE刀での薙ぎ払いを仕掛ける(初回の皆の射出をみて速度と到達時間等計算に入れつつ暗殺の如く
きっと皆さんはその隙を逃さぬはず!
成功したらスーパーフルもっこタイム発動で最大火力で味方攻撃にレシーブで空中コンボですよ!

失敗したら執拗に飛行攻撃で纏わりE刀攻撃。集中力奪う
相手の動きを見て予測しつつ、翼・顔・腕を気分で狙いと武器を様々に変えて隙を生ませるように攻撃
翼を上手く使い定点に留まらない
隙あらば薙ぎ払い再度狙う
海流の動きも警戒(術の奇襲系の想定
分身は傷を個体別に異なる場所に付け目印化&手応え等で看破

敵攻撃は翼と手足を極力縮め最小面積で受け回避(トラウマ←
水ならE刀で蒸発しませんかね(



リプレイ本文

「ハルヒロ君、私から離れないで!」 
 サタニックアンカーの上で川澄文歌(jb7507)が叫んだ。
「わかったよ! お姉ちゃん!」
 元気よく返事をするハルヒロ。しかし、彼はその時自分に向かって来る無数の触手に気付く。
「しまった……!」
 しかし、文歌が笑顔を見せる。
「大丈夫!」
 その言葉通り、ハルヒロを絡めとろうとした触手は、渦巻く炎のようなアウルによって阻まれた。
「ありがとう、ピィちゃん」
 ハルヒロを守ったのは、文歌が召喚した鳳凰、ピィちゃんの加護であった。
 主人に呼びかけられ鋭く鳴くピィちゃん。
 しかし、この時、更に多数の触手が文歌たちの方に襲い掛かる。
「え……!」
 茫然となる文歌の眼前で、高質化した触手がありとあらゆる方向からピィちゃんに襲い掛かり、その体を串刺しにする。
「ピィちゃん! きゃあ!」
 触手は、ピィちゃんによる加護が失われたこの瞬間を見計らったように今度は文歌を捕獲した。
「く、文歌に何かしたら殺すよ!」
 水無瀬 快晴(jb0745)は触手を切断しようとエネルギーブレードを構えた。
 だが、触手の数は余りに多く、快晴も自分に迫る触手を切り払うので精一杯である。
「せめて、触手の届かないところに移動しないと……!」
 しかし、触手は快晴の想像以上に長く伸ばすことが可能であり、死角は無かった。
 一方、苦戦を強いられていたのは長幡 陽悠(jb1350)も同様であった。
「ストレイシオン……!」
 眼前で、これまで多くの戦いを共に乗り越えて来たストレイシオンが硬質化した触手に貫かれていく。
「ありがとうな、ストレイシオン……そしてスレイプニル、後は任せる。一緒に飛ぼう!」
 回避に専念して体勢を立て直した長幡は、準備が整うと即座にスレイプニルを召喚し、その背に跨り空中高く舞い上がった。
 その、長幡を容赦なく追尾する触手たち。対する長幡はその内接近して来た何本かを、ハイブラストで吹き飛ばす。
 そして、ぎりぎり触手の攻撃範囲に入るか入らないかの高度まで上昇、その位置で触手の注意を惹き付けるよう、出鱈目に飛び回って、何とか味方が体勢を立て直す時間を稼ぐ。
「このままでは味方が押し切られてしまう……予定変更ですね」
 雫(ja1894)は残念そうに呟くと、アンカーの触手に捕えられているサンバラトを見た。
 しかし、雫が潜行を解除しようとした瞬間、袋井 雅人(jb1469)と目が合う。
「大丈夫です。僕たちを……学園の仲間を信じて、任せてください!」
 袋井は雫に向かって力強く頷いて見せると、これ見よがしにゴルトレーヴェを頭上に掲げ、振り回す。
「さあ、掛かって来なさい!」
 その派手な動きと大声に惹き付けられたのか、無数の触手が袋井に向かう。
「でやあああああああ!」
 だが、袋井も大剣を振り回して硬質化した触手の刺突を弾き、隙あらば触手を横薙ぎに叩き切って行く。
「こうなったら、全部やっつけちゃえばいいですよね!」
 だが、撃退士とて体力は無尽蔵ではなく、流石の袋井も徐々に息が上がり始める。その隙を逃すまいと触手が一気に襲い掛かった。
「……なんてね!」
 だが、次の瞬間袋井の身体が、足元に広がっていた自身の影の中に沈む。そして、アンカーの触手は空しく自身の皮膚に弾かれた。
「神経節の場所は、事前に聞いていますからね! 破壊させて貰います!」
 そして、闇渡りで一気に神経節の側に出現した袋井は剣を逆手に持ち替えると、神経節に突き立てようとする。
 だが、弱点に対する攻撃を察知したアンカーが、袋井に向かって何かを口から発射した。
「ぐっ……」
 その何かに真横から激突され、袋井が呻く。
「と、飛び道具があるなんて聞いていませんよ……!?」
 しかし、袋井が何とか身を起こした瞬間、彼は飛び道具の正体を認識した。ぬらりと光る真紅の蛸のような頭部がゆっくりと此方を向く。
「ブラッドウォーリア……いや、これがレッドタイド・ヴァイキングですか!」
 射出されたディアボロは、アンカーを護衛すべく真紅の刃の斧を構えじりじりと袋井との距離を計り始めた。


「このチャンス、絶対無駄には出来ないわ。必ずここで助けて見せる……」
 シルファヴィーネ(jb3747)は自分に言い聞かせるように呟くと、太陽を背にして気配を消したまま、翼を静かに動かし少しずつ拘束されたサンバラトの方へと接近していく。
 仲間が囮になって苦戦しているという事実が、焦りに繋がったのか、彼女の身体が触手の一本に触れてしまう。
(しまった……!?)
 シルファヴィーネ(以下シルヴィ)と、やはり気配を消してアンカーの体表をよじ登っていた雫の表情が強張った。
 シルヴィと接触したアンカーの触手が震え、獲物を探すように周囲を嗅ぎ回る。しかし、次の瞬間別の触手が快晴のライフルに吹き飛ばされたため、触手は快晴の方に向かう。
 安堵したシルヴィは今度こそサンバラトを拘束している触手を切断できる間合いへと辿り着く。
(やるわよ……)
 シルヴィが視線で雫に合図をする。
 雫の方はサンバラトの真下、万が一サンバラトが触手から振り落とされそうになったらすぐに受け止められるような位置に陣取っている。
(お願いします)
 雫が頷いたのを確認したシルヴィがグリムリーパーを振り上げる。その刃が太陽の光を受けて禍々しく輝いたその時であった。
「!? ……こいつっ!」
 まるで何かを感じたかのように、アンカーの頭部がくるりとシルヴィの方を向いた。
「図体ばかりデカいクセに……!」
 一か八かで鎌を振ろうとするシルヴィだが、それを雫が制止する。
「シルファヴィーネさんは、サンバラトさんをお願いします!」
 シルヴィは一瞬躊躇した後、雫の意図を理解してサンバラトの下に回り込む。
 同時に、アンカーの体表を駈け上がって跳躍した雫が大剣を振り下ろす。シルヴィの方に注意していたアンカーは咄嗟に反応出来ず、サンバラトを捕えていた触手が根元から叩き切られた。
「やった……!」
 間髪入れずにシルヴィが、空中に投げ出されたサンバラトを見事にキャッチする。
「よかった……」
 この光景を見てようやく雫は安堵した。
 そして、この一瞬の気の緩みが致命的だった。
「雫……!」
 シルヴィが叫んだ時には、すでにアンカーの口から斧が投擲された後であった。
 どん、という衝撃を感じゆっくりと自分の肩を見る雫。そこにはぬらりと光る真紅の刃の手斧が突き刺さっていた。
「なに、が……」
 茫然とする雫の前で、アンカーの口から斧の持ち主であるディアボロ――二体目のヴァイキングが這い出した。
「く……あ……」
 そして、ヴァイキングはよろめく雫の頭を片手で掴むと、あっという間にアンカーの口の中に引き摺り込んでしまう。
「雫っ!」
 ようやく事態を理解したシルヴィが叫んだ瞬間、今度は背後から伸びて来た触手がいきなりサンバラトとシルヴィを絡めとる。
「きゃあああああっ!」
 そして、悲鳴を残してシルヴィとサンバラトもまたアンカーの口へと飲み込まれていったのであった。


 たった一人でヴァイキングの相手を続けていた袋井は満身創痍だったが、彼は一向に諦めていなかった。
「あはははははははー、やれるまだやれるぞ!」
 全身血まみれで、疲労に濁った眼で不自然なまでに爽やかに笑うその姿はどこか凄絶さすら感じさせる。
 だが、それが癇に障ったのか今度はアンカーの触手が袋井の身体に巻き付いた。
「このっ……」
 必死にもがく袋井の眼前で、レッドタイドが斧に魔力を集中させる。
「……これは、まずいかもしれないですよ」
 袋井の顔が引きつった瞬間であった。
「ハルヒロ君、お願い!」
 文歌の必死の叫びが響く。
「お姉ちゃん、任せてっ!」
 文歌の指示を受けてハルヒロが割り込んで来た。その手からワイヤーが伸び、レッドタイドに絡みつく。
「間に合った……!」
 そして、この時長幡の声が袋井の頭上から響く。はっとなった袋井が頭上を見上げると、スレイプニルに騎乗した長幡が袋井に向かって急降下していた。
「切断します!」
 長幡のイオフィエルが煌めき、触手が切り離された。
「掴まって下さい!」
 自由になった袋井は長幡の指示に従い、手を伸ばして長幡に掴まる。
 そして、長幡はそのままスレイプニルに急上昇を命じた。
「助かりました、長幡さん。でも、ちょっと申し訳ないんですが途中で下ろして貰えますか」
「はい……?」
 ぎょっとした表情になる長幡に、袋井はあははと笑って見せ――ぱっと手を放した。
「袋井さんっ!?」
 そう叫んだ長幡は眼下を見て気付いた。
 丁度、真下にワイヤーで拘束されたレッドタイドが位置しているのだ。
 この間、ハルヒロは触手相手に奮戦していた。だが、ハルヒロの注意はワイヤーで拘束されたままもがくヴァイキングに向けられている。
「早く……止めを刺さないと!」
 しかし、アンカーもそれは解っているのか仲間が束縛を振り解くまでの時間を稼ごうと執拗にハルヒロを攻撃する。
 そして、遂にヴァイキングの筋力がワイヤーの張力に打ち勝ち、ぴんっという音と共にワイヤーが切れ始める。
「さっきまでのお返しですっ!」
 その瞬間、上空から落下して来た袋井が、落下の勢いを利用してゴルトレーヴェをレッドタイドの頭部に突き立てた。
 巨大な刃はそのままレッドタイドを唐竹割にして、アンカーの背に突き刺さる。
「さあ、皆で無事に久遠ヶ原へ帰りますよ!」
 全身に衝撃を受けながらも剣を支えにして何とか立ち上がった袋井は、やっぱり血まみれでガッツポーズを決める。
 増々頭に来たのだろうか。アンカーは触手ではなく今度は巨大な頭部を袋井に向かってもたげた。
「♪みんなに届け☆ Happy Song――!」
 その頭部に、文歌の歌声を変換した衝撃波が炸裂する。
「動きを封じられていたって――歌うことは出来るんだよ」
 目があるかどうかは分からないが、恐らくこちらを認識しているであろうアンカーに向かって片目を瞑って見せる文歌。
 アンカーは咄嗟に触手で文歌を振り回して体表に叩きつけようとするが、文歌はなおも不敵に笑って見せた。
「私の歌を聞いてくれてありがとっ☆ でも。よそ見しててもいいのかなっ?」
 違和感あるいは嫌な予感のようなものを感じたアンカーが、下を向いた時には快晴が無防備になったアンカーの神経節にまで辿り着いていた。
「さっき、言っておいた筈だよね……文歌にこれ以上何かしたら、殺すって」
 咄嗟に触手を伸ばすアンカー。しかし、無尽蔵に思えた彼の触手もここまで撃退士たちの攻撃で流石に目に見えて減っており、快晴を足止めするには足りない本数である。
「無駄だよ……断ち切らせて貰う!」
 快晴の周囲に闇が広がった。
 そして、闇の中で、エネルギーセイバーのアウルの刃が光を放ち――その刃の軌跡に沿って次々と切断された触手が宙に舞う。
 やがて、アンカーの巨体がびくん、と揺れた。エネルギーセイバーの刃がアンカーの神経節を焼いたのだ。
「もう一撃……!」
 そして、踊りの最後を飾るように振り下ろされた刃が閃光と共に神経節に深く突き刺さり、完膚なきまでにそこを焼き尽くした。
「やった!」
 力の抜けたアンカーの拘束からようやく抜け出した文歌はアンカーの体表に着地する。
 そして、神経を破壊されたせいで鎌首をもたげた態勢のまま激しく痙攣するアンカーを見上げ、ふっと表情を曇らせる。
「……サンバラトくんたちは?」


「おのれ……アブガル! 貴様そこまで邪魔だてするかぁ!」
 ベロソスが吼えたのは、アブガルが次々と撃退士たちをアンカーの上に射出する光景を目の当たりにしたせいである。
「行かせるか!」
 水かきのある手に魔力が集中していく。魔法攻撃で射出中の撃退士たちを狙い撃ちにするつもりだ。
 しかし、ベロソスの手から魔力が放たれようとした瞬間、飛来して来たアステリア・ヴェルトール(jb3216)のロンゴミニアトが黒い炎を纏い襲い掛かる。
「――ベロソス!」
「ちぃぃ!」
 ベロソスは直前で身を捻って刺突を回避。黒炎が渦巻いて襲い掛かるが、それすらも周囲に張り巡らせた水のバリアで相殺すると、集中させた魔力をアステリアに叩きつけた。
「ぐぅ……!」
 圧縮された水圧を腹部に受けたアステリアが悶絶する。
「汚らわしい雑種が……ここで引導を渡してくれる!」
 そのままアステリアに止めを刺そうとするベロソス。だが、その背後から巨大なクローアームが彼に掴みかかった。
「小癪な!」
 ベロソスはアステリアに当てようとしていた水流のカッターをそのクローアームに向け、攻撃を防ぐ。
「ちっ……外しちまったか」
 半壊したクローアームをワイヤーで巻き取りながらラファル A ユーティライネン(jb4620)は苦い笑いを浮かべた。
「貴様は……始めて見る顔だな」
 硫黄島ゲート攻略に参加していたラファルだが、実際の所ベロソスと直接対峙するのはこれが初めてであった。
「へへ……お前がベロソスちゃんか。折角だから、俺とも遊んでくれよ」
 不敵に笑うラファル。今度は右手のみならず、全身の擬態が解除され機械化されたラファルの身体が露わになって行く。
「ふん、死にぞこないのデク人形如きが」
「私と仲間に対する侮辱……万死に値します」
 アステリアが凄まじい目つきでベロソスを睨み付けながら言う。その全身から流れる血が、まるで黒い炎のように燃え上がり、アステリアが先ほど受けた傷が癒え始めていた。
「デク人形だぁ? ……誰のせいでこうなったと思ってやがるクソ悪魔が!」
 殺気を膨れ上がらせた二人が同時に動き、ベロソスとの壮絶な空中戦が始まった。


 三人が空中戦を繰り広げながら、徐々に高度を下げるのを見て雪室 チルル(ja0220)が仲間たちを振り向いた。
「作戦通りに行くわよ、準備はいい!?」
 当初、撃退士たちはアブガルの背中から一斉に攻撃して仲間のの射出を援護する筈だった。
 だが、ベロソスが撃退士たちの予想より高い高度で攻撃準備に入ったため、飛行能力を持つラファルとアステリアが先行して敵の攻撃を阻害したのである。
 この間、ずっと自身の義手の調子を確かめていた郷田 英雄(ja0378)であったがこの時諦めたように、義手の接続を外す。
「こいつはもう使えんか」
 そう呟いた郷田は自身の義手を空高く放り投げる。そして投げられた義手が落下し始めた瞬間には、郷田の手には拳銃が握られていた。
「攻撃開始―!」
 チルルが叫んで引き絞っていた矢を放つ。
 同時に、鳳 静矢(ja3856)と鳳 蒼姫(ja3762)も、射撃を開始した。
「蒼姫、行くぞ!」
「合点ですよぅ、静矢さん!」
 放たれた対空砲火はあっという間に郷田の義手を粉々にしつつ、上空のベロソスへと襲い掛かった。
「人間共が!」
 一気に劣勢に追い込まれ、歯噛みするベロソスを、ラファルがここぞとばかり挑発する。
「これが人間の力だよクソ悪魔! ……一人でやれることは限られてんだぜ! どんだけ部下を使役しようと、お前一人で出来る事はな!」
 しかし、ラファルたちにも余裕はない。ラファルは幾度となくベロソスの動きを封じるための技を繰り出したが、それらは全て回避、もしくは防御され彼女のアウルも限界に近づいていたのだ。
(デビルズバイスはあと繰り出せて一発……コイツ相手じゃ、スキルを換装している暇はねえ……)
 悩むラファル。そして、そんな彼女を嘲笑うかのようにベロソスは遂に切り札を使用する。
「ならば、これはどうだ!」
 ベロソスが両手をかざすと、海水が立ち上りベロソスに周囲にで渦を巻く。そして、瞬く間にベロソスと全く同じ姿をした分身が複数出現した。
「水が無尽蔵にあるここならこの程度の芸当造作も無い! 死ね!」
 そして、アブガルの分身たちは同時に魔力のチャージを開始した。
(あれを一斉に撃たれたらやばいぜ……!)
 ラファルが焦りを感じたその時、突如ベロソスの近くの空間がぐにゃりと歪み、揺らめく黒い炎が、アステリアの形となった。
「――雑種!」
「ならば、その木偶人形、全て砕く――! デア・フライシュッツェ!」
 ベロソスの周囲に次々と黒い魔法陣が展開する。その数は三二。そしてその全てから黒い魔剱が放たれ、分身の群れに降り注ぎ、分身は次々と魔剱に貫かれて消滅。遂に本体だけが残された。
「貴様!」
 ベロソスが吼える。同時にその両手に分身を構成していた海水が再度収束し、片手に一本ずつ、魔力と水で構成された剣のような物を形作った。そして、その刃は大量の水を利用してまるで光のように長く伸びていく。
「やらせるかよ!」
 ラファルの放った不可視のアウル――デビルズバイスが今度こそベロソスの本体をを拘束する。
「掴んだぜ!」
「これしきのことで!」
 だが、ベロソスはそれを意に介さず両手の剣をそれぞれラファルとアステリアに向けて振り回した。
「どうだ、一人じゃ何も出来ねえっていっただろうが……」
 肩を袈裟懸けに切断されたラファルは吐血しながらも不敵に笑い、ベロソスに向かって中指を立てた。
「ラファルさんの言う通り……ですね」
 同様に、腹部を横一文字に切り裂かれたアステリアも清々しく笑う。
 何故なら、彼女の眼には動きを封じられたベロソスにアブガルの上からチルルが放った星の鎖が巻き付く光景がしっかりと映っていたのだ。
「大丈夫、きっと上手く行く……」
 アステリアがそう呟いた直後、二人の闇の翼が同時に砕け、二人は海に落下した。


「くそ、届かんか……!」
 アブガルの背中の上で、郷田が歯噛みした。彼は仲間が海に落下した場合はアレイスティングチェーンで救助するつもりであったが、二人の落下した位置が離れすぎていたのである。
「世話が焼けるぜ」
 アブガルは溜息をつくと、その巨体をうねらせると二人の落下した地点に向かった。
「……」
 下を見た郷田は不快そうに眉をしかめたが、素早く二人をチェーンで引っ張り上げた。
「大丈夫そうか?」
 心配する静矢。
「大丈夫だ。気絶はしているが重体には至っていない」
 郷田が答える。
「オイオイ、何か俺様にいう事があるんじゃねえのかい?」
 アブガルが言い立てると郷田は心底不快そうにこう返した。
「そうだな……今は手を出さないでおいてやる。物事には順番があるからな。手前は次だ」
「倅のダチにしちゃあ、礼儀ってモンを知らねえな」
 アブガルが笑うが、その時蒼姫が警告の叫びを上げた。
「皆さん、後ろですぅ!」
「人間共……!」
 自ら上がったベロソスが、怒気を漲らせた。
 だが、怒りを爆発させる機会を待っていたのはチルルとて同じである。
「ベロソス! さっきはよくもやってくれたわね!」
 怒りに任せて自らの大剣を叩きつける。その刃はベロソスが形成した水の剣ごと、ベロソスの身体を叩き伏せ――周囲に飛沫を飛び散らせた。
「分身……!?」
 そして、次の瞬間恐ろしいことが起きた。ありとあらゆる方向から無数のベロソスがアブガルの背中に上陸して来たのである。
『人間共……!』
『人間共……!』
 分身たちが口々にわめく。
「とにかく、数を減らすですぅ!」
 蒼姫が近くにいる一体に向けて、アウルの雷を放つ。放たれた雷は見事にベロソスに命中し、分身を飛沫へと変えた。
「きゃあ!」
 だが、同時に分身の放った魔力の弾も蒼姫に命中する。
「蒼姫!」
 静矢が叫ぶ。
「……これくらいは持ちこたえてみせるのですよぅ☆」
「こいつも分身か……!」
 一方、別の分身を大鎌で薙いだ郷田も周囲を見回し、歯噛みする。
 静矢も連続攻撃で、二体の分身を同時に破壊する。
「とにかく、数を減らして本体に辿り着かねばな……!」
 この分身はかなり精密なものらしく、撃退士たちに対して反撃する能力さえ備えていた。
 だが、分身が精密な分、海水を利用しても数には限りがあるらしく、ひたすらに分身の破壊に徹した撃退士たちの作戦も功を奏し、気が付けば分身も残り少なくなっていた。
「本体はそこね!」
 そして、遂にチルルが他のベロソスの影に隠れて魔法のチャージに集中しているベロソスを発見した。
「さっきのお返しよ! 纏めて吹っ飛べー!」
 愛用の大剣を大きく振り上げるチルル。その切っ先に、冷気のようなアウルが集中していく。
「小娘が!」
「どっちが早いか勝負よ! ブリザード・キャノン発射!」
 チルルの突き出した剣の切っ先から冷気の如きアウルが奔流となってベロソスに襲い掛かる。
「人の背中で何てモノをぶっ放しやがる……」
 アブガルの文句をよそに、チルルの放ったアウルは瞬く間に進路上の分身を砕き、ベロソスへと到達した。
「お、おのれぇ……!」
 その威力に危険を感じたのだろうか。ベロソスは咄嗟に集めた魔力を盾のように前面に展開し、攻撃を受け止めた。それでもなお、そのチルルの攻撃の威力は凄まじくベロソスは苦悶の声を上げる。
 そして、遂に水の障壁が突き破られ、まともに攻撃を浴びたベロソスは絶叫と共に飛沫となって砕け散った。。
「……え?」
 やや遅れて、その光景の意味に気付いたチルルの表情が強張った。
「グハハハハハ! 所詮は小娘か!」
 ベロソス本体の上げる勝ち誇った笑い声が、たった今チルルが砕いた分身のすぐ後ろの海の上から響き渡った。


 ベロソスは決して無傷ではなかった。
 先ほどチルルを欺いた分身はより精密な動作が可能な分、すぐ近くでコントロールする必要があるらしく、本体もチルルの攻撃の範囲内にいたせいで、直撃を受けていたのだ。
 なので、ベロソスは飛行してアブガルから遠ざかりながら、水を使った広範囲魔法を放とうとしていた。
 すでに、その前兆として周囲の海水が渦を巻き、ベロソスの周囲に巨大な水の壁を作っている。
 その壁を眺めながら、アブガルがふう、と溜息をついた。
「まあ、ルールの範囲内か……『追いつくために』『撃ち出してやる』と言ったのはこの俺だからな」
「なんだと……?」
 ベロソスがその言葉を訝しんだ瞬間、アブガルの口が突き出され、ぺっという汚らしい音共に――黒い蓮の花が海上に咲いた。
「えれにゃん、……いきまーっす!」
「な、なんだとおおお!?」
 突如、アブガルの口から飛び出した支倉 英蓮(jb7524)を見てベロソスが絶叫した。刀を構えて突進して来る支倉の速度は、彼女自身の翼とアブガルによる加速もあり、逃げ切れるものではなかった。
「おのれ……おのれ……!」
 それでも、この時ベロソスにはまだ選択肢が残されていた。強引に魔法を発動するか。あるいは魔法を中断し、一旦退避するか。
 その選択肢を奪ったのは蒼姫の的確な援護だった。
「えーちゃんのナイスアタックの邪魔はさせないのですよぅ☆」
 蒼姫の放った蒼い雷がベロソスを打ち据えた。
「ぐ……!」
 そしてベロソスが体勢を立て直した時には既に支倉に懐に入り込まれていた。
「さあ、ベロベロさん! 最高の猫ロケットを受けてみるですよ〜!」
 スピード、タイミング共に狙いすました一撃がベロソスの胴を薙ぐ。
 だが、ベロソスもほぼ同時に水の剣による一撃を繰り出しており、結果二人は相打ちとなる。支倉の受けた傷は深く、ベロソスの方は一瞬悶絶して意識が遠のいたものの肉体に対するダメージという点では遥かに浅かった。
 だが、この攻防で真に被害が大きかったのはベロソスの方であった。
「しくじった……だと!?」
 膨大な魔力を固定したデリケートな状態では一瞬の意識の途切れも致命的であり、せっかく固定した大量の海水がまるで滝のように音を立てて海に帰って行く。
「やった……さあ、ここからがスーパーふるぬっこタイムですよ……!」
 吐血しながらも、勝利を確信した支倉が笑う。
 そして、崩れさる水飛沫の向こうにベロソスが見たのは、自らを滅する光と闇の混沌の輝きであった。
「英蓮、お前の一撃を無駄にはしない……!」
 アブガルの上に立った静矢の両手に明と暗の藤色の輝きが宿る。やがてその輝きは静矢が番えた絶影の矢に収束していく。
「馬鹿な……! この私が、家畜どもに敗れるだと?!」
 だが、ベロソスは理解していた。最早回避は出来ないと。
「とっておきだ! 食らえ!」
 放たれた矢に宿ったアウルは飛翔するにつれ、徐々にその形を変えていく。そして、ベロソスの胴体を貫いた時、アウルは翼を広げた鳳凰となってベロソスを覆い尽くした。
「が……はっ……」
 鳳凰が消滅した後もなお、ベロソスは空中に留まっていた。
「あのレート差で、まだ動けるのか……!」
 身構える静矢と撃退士たち。
 だが、気力だけで意識を維持していたベロソスの目に、丁度その時神経節を破壊され動きを止めたアンカーの姿が映った。
「我が切り札までも……!」
 そして、茫然とするベロソスの見守る中、突如アンカーの口から体液が噴き出した。
 撃退士たち。そして、アブガルとベロソスまでがその凄惨な光景に目を奪われる中、アンカーの口からぬるりと人影が這い出した。
 その人影は背中から悪魔の翼を広げると、一気に傷口を突き破って飛び出し、空中に浮かぶ。
「なるほど」
 最初に状況を理解したのはアブガルだった。
「蛙の子は蛙……とかいうのか? まあ、腐っても俺の倅ってことだな」


「ずるいですよ……サンバラトさん。帰ってきたら……いっぱい怒ってあげようと思っていたのに……」
 傷つき、サンバラトに右肩を貸して貰っている雫が微かに笑う。
「なによ、助けに来たのはわたしたちなのに、こんなのかっこ悪すぎじゃない……」
 同じく、サンバラトの左脇に抱えられたシルヴィもご不満な様子。
「違うよ……二人が僕を助けに来てくれたから、僕ももう一度戦う事が出来た……」
 体内で雫とシルヴィがレッドタイド・ヴァイキングと戦っている最中に、サンバラトが二人を援護したようだ。
「フフフ……そう言う事ですか、若。逞しくなられましたな。安心いたしました」
 この時、突然ベロソスが笑った。
「え……」
 その悪意のない、優しい声に驚いた顔をするサンバラト。
「このベロソス、若の晴れ姿をこの目で見ることが出来ないのだけが心残りですが……お達者で」
 それがこの、野心と執念に突き動かされた悪魔の最後の言葉だった。
 言い終わると同時に海面に落下したベロソスの亡骸は、どこまでも深く沈んで行った。
「ベロソス……」
 かつては家族で会った悪魔に暫し瞑目した後、目を開けたサンバラトは長幡と視線があった。
「あ……」
 何か言おうとするサンバラトだったが、長幡が優しく笑って首を振ったのを見て言葉に詰まる。しかし、直ぐに気付いて少しだけ笑った。
「うん、そうだね……ヒユウ。そして皆……本当にありがとう……」
 硫黄島攻略艦隊が撃退士たちに追いついたのはそれから数分後であった。


「おい、この子供か……?」
「間違いない……やれやれ、これで一安心といったところか」
 輸送艦の甲板の上で、アンカーの体内から救出された市民たちを確認していた撃退庁の職員の会話を聞き、興味本位でその子供を見たサンバラトの表情が綻んだ。
 その少年は、かつてハルヒロが率いていたディアボロにさらわれたとある楽団のフルート奏者の少年であった。
 詳細は発表されないのだろうが、彼こそが『有力者の子弟』らしいことをサンバラトは理解した。
「よかった……」
 一方、ハルヒロはかつて自分が手を下してさらった人々が救出される様子をじっと見つめていた。
 その傍らでは、文歌が自衛官や撃退庁の職員らと話し合っている。
「……では、ハルヒロ君は取りあえず久遠ヶ原で預かるということで大丈夫なんですね?」
 相手も納得している訳ではないのだろうが、仕方がないといった風情で文歌に承認を与える。
「良かったね。ハルヒロ君」
「ありがとう、おねえちゃん……」
 その時、それまで胡坐をかいて甲板に座っていたアブガルがゆっくりと立ち上がり、その巨体には少々不釣り合いな小さい翼を広げた。
「さて、取りあえずはカタがついたらしいな。俺様はこのずらかるが、構わねえよな?」
 嫌らしく笑うアブガルに関係者の何人かは口惜しさを滲ませる。
 海上というこの状況ではどう考えてもアブガルの方が有利なのだ。無駄な犠牲を出さないためにも、救出した市民たちの安全のためにも、ここでの戦闘は避けるしかない。
「残念だが……こっちとしても戦う気分じゃないんでな」
 郷田が肩を竦める。
「助けていただいて,ありがとうございました。助けて貰った人を攻撃なんて無粋ですので今日はお帰りください。でも人々を殺したり,カイを傷つけた事は忘れてないですよ……いつか必ず罪は償ってもらいます」
「今は見逃すけど、次は絶対に倒す、よ……」
 文歌と快晴はそうアブガルを見上げて睨みながら言い放った。
「それと……もし、英蓮ちゃんに変な事をしても許しませんので……そのつもりで」
 さらに、文歌がこう付け加えると、戦闘中の勢いはどこへやら、ずっと文歌の背中に隠れていた支倉がビクッとする。
「あ、あの〜アブ叔父様? そ、その歯磨きの代わりにお風呂でお背中を流すというのは……や、やっぱり」
「風流の解らねえヤツだ。冗談に決まっているだろうが……男に気でも使ってるのか?」
「にゃっ!?」」
 真っ赤になる支倉を嘲笑う。
「貴方は何がしたいのですか? 貴方には歪ながらも二人に愛情があると見受けらますが……」
 雫が問う。
「愛情? 俺は単にケリをつけただけさ。ハルヒロとの供給ラインも切ったしな……これで俺とそこの二人はもう何の関係もねえってことよ」
 アブガルはサンバラトとハルヒロを見てさらりと言い放つ。明らかに動揺を見せた二人だったが、必死にそれを堪える。
「後は……島でのバカンスの間に、この地球も大分騒がしくなってるみたいじゃねえか?……そろそろ俺のために戦うとするか」
 言いたいだけ言って、今度こそアブガルは飛び去るのであった。


依頼結果/参加キャラクター

依頼成功度:大成功面白かった!:8人
MVP一覧
 夜明けを告げる者・鳳 静矢(ja3856)
 雷閃白鳳・支倉 英蓮(jb7524)
重体一覧
 −

ちのうしすうがたかい・
雪室 チルル(ja0220)

高等部2年4組 女 ルインズブレイド
死神を愛した男・
郷田 英雄(ja0378)

大学部6年2組 男 阿修羅
歴戦の戦姫・
雫(ja1894)

中等部1年1組 女 鬼道忍軍
蒼の絶対防壁・
鳳 蒼姫(ja3762)

大学部3年3組 女 ダアト
夜明けを告げる者・
鳳 静矢(ja3856)

大学部4年8組 男 ルインズブレイド
金眼の闇猫・
水無瀬 快晴(jb0745)

大学部1年9組 男 ナイトウォーカー
約定の獣は力無き者の盾・
長幡 陽悠(jb1350)

大学部1年8組 男 バハムートテイマー
納豆伝道師・
袋井 雅人(jb1469)

大学部2年8組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
アステリア・ヴェルトール(jb3216)

大学部1年4組 女 ナイトウォーカー
撃退士・
シルファヴィーネ(jb3747)

高等部2年1組 女 ナイトウォーカー
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

大学部1年8組 女 鬼道忍軍
紡ぎゆく奏の絆 ・
水無瀬 文歌(jb7507)

高等部3年2組 女 アストラルヴァンガード
雷閃白鳳・
支倉 英蓮(jb7524)

中等部3年1組 女 阿修羅


依頼相談掲示板

相談卓
雫(ja1894)|中等部1年1組|女|阿修
最終発言日時:2016年08月29日 10:21
質問卓
鳳 静矢(ja3856)|大学部4年8組|男|ルイ
最終発言日時:2016年08月28日 11:21
挨拶表明テーブル
宝井正博(jz0036)|教師0組|男|一般
最終発言日時:2016年08月28日 10:49


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