中国「民主の村」 住民と警察が衝突し多数のけが人
中国では珍しい直接選挙で選ばれた前の村長が、賄賂を受け取った罪で実刑判決を受けたことに対し、住民が抗議活動を行って警察と激しく衝突し、多数のけが人が出るなど緊張が高まっています。
中国では珍しい直接選挙が認められ、「民主の村」として知られる南部の広東省烏坎村の前の村長は、今月8日、村の公共工事をめぐって賄賂を受け取った罪で、懲役3年1か月などの実刑判決を受けました。これに対し、村の住民は前村長は無実だとして、抗議集会を開いたり、デモ行進を行ったりして反発を強めていたところ、警察は13日、公共の秩序を乱したなどとして住民13人を拘束するとともに、催涙弾やゴム弾を使って住民を取り締まりました。現場で撮影したとされる映像には、盾を持った警官隊に住民が投石するなど、激しく衝突する様子が写っています。香港のメディアによりますと、現場では多数のけが人が出ているということで、住民と警察の間の緊張が高まっています。また、中国本土では、インターネットに投稿された現場の映像や書き込みが次々と削除されているほか、警察が中国版ツイッター「ウェイボー」で、インターネット上でのデマを厳しく取り締まると警告するなど、当局は混乱が広がらないよう神経をとがらせています。