宇宙に微生物は? 日本の研究グループが解析へ

宇宙に微生物は? 日本の研究グループが解析へ
生命の起源に迫る研究の一つとして、宇宙空間を漂う微生物は存在するのか調べようと、日本の研究グループが世界で初めて国際宇宙ステーションに設置した装置が地上に戻り、20日、JAXA=宇宙航空研究開発機構から解析を担当する研究者に引き渡されました。
宇宙空間に微生物は存在するのか調べようという装置は、千葉大学などが世界で初めて開発したもので、縦横10センチ、厚さ2センチのガラスを素材にしたパネルには、宇宙空間を漂う物質をしっかりと捕らえられるよう多数の微細な穴が設けられています。

去年4月、アメリカの宇宙輸送船「ドラゴン」で、国際宇宙ステーションに届けられたあと、去年5月からことし6月までの1年余りにわたって、日本の実験棟「きぼう」の船外に取り付けられ、宇宙空間にさらされていました。

装置は、先月下旬、アメリカの宇宙輸送船「ドラゴン」で地上に戻り、20日、茨城県の筑波宇宙センターで、解析を担当する東京薬科大学の山岸明彦教授のグループに引き渡されました。
グループでは、装置の中に、微生物や有機物などが含まれていないか解析を進め、早ければ来年の春ごろに結果がわかる見通しだということです。

山岸教授は「もし、宇宙空間から微生物が見つかれば、地球の生命が別の天体からもたらされた可能性が出てくるし、地球の生命が別の天体に影響を及ぼしている可能性も出てくる。いずれにしても生命の起源に迫るうえで、非常に重要な研究で、丁寧に解析を進めたい」と話しています。