秋になって『秋雨』、『秋の長雨』、『すすき梅雨』なんて言葉がある通り雨の日が続く日も案外多かったりします。また、急に気温が下がりはじめて朝夕の通勤に車を使っている人の悩みといえば窓の曇りでしょう。
今日はそんな窓の曇り対策のお話です。
なぜ窓が曇るのか?
まず、なぜ窓が曇ってしまうのかといえば空気中に水(水蒸気)があるからです。空気は温度が高いほど水蒸気を多く含むことができます、逆に温度が低くなれば水蒸気を含むことができません。(冬になると空気が冷たくなって乾燥しやすいのはこのためです。)
窓の曇りは結露と同じことです。
この現象は水分を多く含んだ温かい空気が急に冷やされる事によって水蒸気を含むことができなくなって、空気中に含まれていた水分を吐き出してしまう現象です。
車内が暖かく、外が寒いとき、密閉度の高い車内では同じ水分量の空気がガラスという薄い境界線上で冷やされ行き場をなくした水が放出されそれが窓ガラスに付いている状態。これが窓の曇りです。
なので、窓を曇らないようにする方法は
- 水蒸気の量を減らす
- 気温差を減らす
- 窓に水蒸気がくっつかないようにする
この3つのうちどれかをすることによって解消できるということです。
水蒸気の量を減らす
エアコンスイッチをONにする
一番効果的で楽なのはエアコンのスイッチ(ACボタン)をONにすることです。以前エアコンの仕組みについてお話しましたが、室内機が冷やされそこで結露が発生するので密閉された室内の湿度が下がり、窓が曇るための水分が室内から減るためです。
↓エアコンの仕組みについてはこちら↓
スイッチオンで10%~15%燃費が悪くなるエアコンの裏話 - クルクル!クルマ業界ウラ話
この方法は冬場ヒーターを入れている時でも有効です。コンプレッサーを動かしていれば外気よりも冷たくなった室内機側で結露が発生するからです。
温度差を減らす
窓を開ける
温度差を減らす一つの方法は窓をあけることです。窓を開けることで温度差が減るので結露することが防げます。ただし、注意したいのは冬場、窓が曇ってから窓を開けても時すでに遅しです。すでに曇っている場合は曇りを拭き取る必要があります。
なぜなら、一度水として放出されている水蒸気を冷たい空気を導入したところで取り込めないからです。曇る前に対策として窓をあけておくことは有効です。
窓を温める
窓を閉めていいる状態で境界線である窓を温めれば、境界線が外に移り水蒸気が付着しないということです。エアコンのスイッチを温泉マークのようなモード(デフォッガーモード)にして暖房風を勢い良く当てれば窓が暖まり、曇りがとれます。窓を締めたままでやると室内が温まってしまうので逆効果になることもありますので、窓を開けるか、エアコンの風を外気循環にして空気を入れ替えながらするのが有効的です。
またリアガラスには熱線が入っており『デフォッガーボタン』を押すとガラスだけが暖められるので同じように曇りをとることができます。
熱線を使わず、視界を確保しつつフロントガラス自体を暖める技術があれば自動車メーカーはこぞって採用するでしょうね。
窓に水蒸気がくっつかないようにする
ここからが注目ポイントです。水蒸気が冷えて目に見える水になり窓に細かく付着する現象。これが窓の曇りです。ということは水が空気から放出されても見えない状態であれば窓の曇りは発生しないということです。
窓をキレイにする
水蒸気は窓自体にひっついているのではなく、実は表面に付着している物質、すなわちホコリやタバコのヤニ、窓を開けたとき侵入する排気ガスやPM2.5などです。
ちなみに中国、特に上海ではすごく霧が出ます、空気中のPM2.5が濃いからです。現地の人たちは「晴れている日はPM2.5少ないヨ。」「曇りの日、雨の日はPM2.5多いヨ。」と言っていますが、それ目に見えているかどうかだけですね・・・情報操作ってコワイですね。
窓でも同じことが言えます。窓にこれらの付着物があると、そこに水蒸気がまとわりついて見える水、すなわち曇りになるのです。
なので対策の第一歩としてはしっかり窓をキレイにしましょう。
この際、注意したいのは油分をしっかりとることです。
車は日々道路を走っているので窓を開けたり、外気循環にした時に他の車が微量に出す燃料の燃え残りや古めのスクーターが出している白煙に含まれるオイルを付着させてしまっています。
こうした油分にも水分は弾かれつつも付着するのでしっかり取り除きましょう。薄めた台所用中性洗剤や無水アルコールなどで取ることが出来ます。
窓の内側をコーティング?
みなさんも窓の外側は撥水コートをして雨の日の視界を快適にしていると思います。私も撥水ワイパーを好んで使用しています。撥水ワイパーは徐々にワイパーゴムからシリコンオイルを出して窓ガラス表面にコーティングをつくり、撥水します。
しかし、撥水コートを内側にしてしまうと逆に曇りやすくなってしまいます。撥水させるということはガラス上に水分を乗せると言うことと同じです。
ではどうすれば良いのかというと、
界面活性剤をコーティングすれば良いのです。
界面活性剤をコーティングすれば親水性が高まり、粒になりにくいので水が目に見えにくくなり、曇り止めになると言うことです。
そして界面活性剤といえばどこのご家庭にもある
台所用中性洗剤
のことです。やり方にはコツがあるのでご説明しましょう。
まずは上記でご紹介した通り薄めた台所用洗剤や無水アルコールで窓をキレイにしてから、窓を乾かしてください。
台所用洗剤の原液をキッチンペーパーやマイクロファイバーに1滴たらします。ココでたくさん原液を付けてしまうと後で拭き取るのが大変です。
直接窓に塗って薄くのばしていきます。
その後、別のきれいなキッチンペーパーやマイクロファイバーで乾拭きします。洗剤の筋やにじみが消えるまでしっかり拭きましょう。
フロントガラスだと写真がわかりにくいので手鏡でもやってみました。
この通り施工部分だけ曇っていませんね。
この方法は拭き取りにかなり労力を要しますので、ミニバンなど大きなガラスの車はサイドミラー部分の横窓や運転席を中心に少しずつやっていくことをオススメします。
バイクのヘルメットシールドでもできるので試してみてくださいね。
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