豊洲市場の盛り土問題で、東京都が2011年8月、建物の下に盛り土をしないという内容の工事契約を結んでいたことが19日、分かった。契約書には石原慎太郎知事(当時)の押印があった。
1級建築士の水谷和子氏が都に情報公開請求し、工事請負契約書を入手した。契約書は水産仲卸売場棟がある「6街区」についての「豊洲新市場土壌汚染対策工事」に関するもの。添付された仕様書は盛り土の対象を「新市場予定地(5街区、6街区及び7街区)における施設建築物の建設エリア以外」としていた。
5街区には青果棟、7街区には水産卸売場棟があり、水産仲卸売場棟も含め盛り土はされていない。契約は11年8月30日付で、契約額は約333億円。契約書には石原氏の名前が記載され、都知事の押印があった。
石原氏はこれまでの取材に、建物の下に空洞がある現在の設計になったことは「一切報告を受けていない」としている。
都は現在、豊洲市場の建設経緯を知る職員から詳しい事情を聞いており、ブラジルから21日に帰国する小池百合子知事に今週中にも報告する。