台風16号 和歌山県に再上陸 四国などで猛烈な雨

台風16号 和歌山県に再上陸 四国などで猛烈な雨
強い台風16号は四国と近畿を暴風域に巻き込みながら北東へ進んでいて、和歌山県に再上陸しました。四国や近畿、東海などでは各地で猛烈な雨が降り、土砂災害や川の氾濫の危険性が非常に高まっていて、気象庁は厳重な警戒を呼びかけています。
気象庁の発表によりますと、強い台風16号は、20日未明に鹿児島県に上陸し、その後も東よりに進んで、午後1時半ごろに和歌山県田辺市付近に再上陸しました。
中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心から半径90キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

この時間は、四国と近畿の一部が台風の暴風域に入っていて、午前10時40分ごろには、高知県の室戸岬で40.5メートル、午後1時ごろには、和歌山県の南紀白浜空港で37メートルの最大瞬間風速を観測しました。

四国や近畿などには台風本体の発達した雨雲が四国にかかり、午後1時までの1時間には、国土交通省が徳島県神山町に設置した雨量計で102ミリ、午後0時半までの1時間に兵庫県の淡路島の洲本市で91ミリの猛烈な雨を観測しました。

また、気象庁のレーダーによる解析では、午前11時までの1時間に徳島市付近でおよそ120ミリ、徳島県の石井町付近と神山町付近でいずれも110ミリ、午前11時半までの1時間には香川県東かがわ市付近でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったと見られ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。

午後1時までの24時間の雨量は、徳島市で平年の9月1か月分のおよそ1.3倍に達したほか、高知県宿毛市や高知県四万十市中村では平年の9月1か月分の8割から9割に達する大雨となっています。

九州南部でも、19日夜から20日明け方にかけて記録的な大雨となり、鹿児島県が南九州市に設置した雨量計で午前0時50分までの1時間に159ミリの猛烈な雨を観測しました。
また、宮崎県でも宮崎市や都城市などで110ミリ前後の猛烈な雨が降ったほか、宮崎県日向市では午後0時半までの24時間に降った雨の量が570ミリと、平年の9月1か月分のおよそ1.6倍の雨が降りました。

これまでの雨で宮崎県と大分県、愛媛県、高知県、徳島県、香川県、岡山県、兵庫県、大阪府、奈良県、京都府、それに三重県では、土砂災害の危険性が非常に高くなり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があるほか、香川県、徳島県、京都府、それに三重県では「氾濫危険水位」を超え、氾濫の危険性が非常に高まっている川があります。

台風はこのあとも太平洋側を東寄りに進むと予想され、西日本と東日本では20日夜にかけて雷を伴い1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、局地的に猛烈な雨が降るおそれがあります。
21日の昼までに降る雨の量は、近畿と東海で250ミリ、四国と伊豆諸島で200ミリ、北陸で180ミリ、関東甲信で150ミリ、中国地方で100ミリと予想されています。

風も非常に強まり、西日本の太平洋側では20日夕方にかけて猛烈な風が、20日夜にかけて非常に強い風が吹き、東日本の太平洋側では、これから21日の明け方にかけて非常に強い風が吹く見込みです。

21日にかけての最大風速は、四国で35メートル、近畿で30メートル、東海と九州北部、関東、それに伊豆諸島では20メートルから25メートルで、最大瞬間風速は四国で50メートル、近畿で45メートル、東海と九州北部、関東、それに伊豆諸島で30メートルから35メートルと予想されています。

波の高さは、九州北部と四国から東海にかけての太平洋側で6メートルから8メートルの大しけとなる見込みです。

気象庁は土砂災害や川の増水と氾濫、低い土地の浸水、それに暴風や高波に、厳重に警戒するとともに落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。