【TGS2016 インディー】暗闇のなか、少女は憑かれたように踊る。魂のアート『ヨルの採掘鉱』
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- 2016年09月19日
日本最大のゲームイベント、TOKYO GAME SHOW 2016。
今回、自分はそこに行けて本当に良かったと思っている。なぜなら、「これが完成するまで死ねないな」と思えるゲームに出会えたからである。
そのゲームの名は、『ヨルの採掘鉱』。小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された同名の童話小説を、作者のざとさんがゲーム化したアドベンチャーである。
このゲームは、少女「ヨル」が暗い道を進むアドベンチャーゲームである。
ヨルにできることは、歩くことと踊ることだけ。暗闇の中でヨルが踊ると、周囲に光の粒子が集まり、道が見える。
そして、その道に従って歩いて行く。
▲わかりづらいですが、踊っている
現時点ではそれだけのゲームではある。そして、おそらくそれ以上のゲームにはならず、ヨルの通る道を見て、プレイヤーがストーリーを感じるアドベンチャーになるのであろう。
だが、それだけでこのゲームには価値があるように感じた。
この段階でも、「何か」に向かって歩き、憑かれたように踊るヨルの姿は胸に刺さるものがあり、それを取り巻く抽象的で、非現実的な空間には狂気すら感じられた。
会場に飾られていたアートワークも印象的で。
それを忠実に再現した3Dアートも、2Dと3Dの狭間にあるような、不思議な空気を出していた。
そして、そんな空間を彷徨い歩く体験は間違いなく「非日常」の塊であった。
ゲーキャス自身がざとさんの描いたイラスト、世界観に惹かれたのは間違いないが、このゲームを触れば、多くの方が何かを感じるのではないかと思う。
現在のところ、ゲームは開発中であり、まだまだリリースの予定も立っていない。
アートも、ストーリーも、プログラムもざとさん1人で行っているので、完成にこぎ着けないかもしれない。
が、1人で作るからできる「一貫性」と、それに伴う「魂」が込められており、それが強烈な味になっていた。
ヨルの採掘鉱に込められた魂は、きっと一部のプレイヤーの心を捕らえて放さないだろう。
そして、その1人であった自分は、このゲームがリリースするまで死ねないな、と思えた。
今回、TGS出展の告知がなされていなかったため、このゲームを体験した方はほぼ居ないはずだ。
だが、他のイベントで『ヨルの採掘鉱』が展示されることがあれば、ぜひ体験してみて欲しい。
関連リンク:
ヨルの採掘鉱〜midlow jewel mine(小説家になろう)
コメント一覧
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- 2016年09月19日 23:49
- これはすごくきれいでしたね。すごいポリゴンとかモデルではなくて、センスでみせるきれいさでした。
話題にならなかったのが不思議でしたが、告知されていなかったんですね。
……あ、いえ、パクリとか言いたいわけじゃなくてこんな素敵なオマージュをまさかこのサイトで見かけるとは思わず……完成が楽しみです