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【言わねばならないこと】

<特別編>安保法成立1年

 日本を「戦える国」に変質させる安全保障関連法が成立して一年となった。本紙は、安保法や特定秘密保護法について市民や学者、文化人らが語る「言わねばならないこと」を随時掲載してきた。特別編として憲法、外交、自衛隊、市民活動の四人の専門家に、安保法の問題点や今後、懸念されることを聞いた。

君島東彦(あきひこ)さん

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◆9条改憲 過去への退化 立命館大教授・君島東彦(あきひこ)さん

 立命館大教授の君島東彦(あきひこ)さんは、憲法解釈を変えた安保法や九条改憲は「過去への退化だ」と批判。安保法に頼らぬ平和構想の議論を深め、提示することが大事だと訴えた。

猿田佐世さん

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◆外交に時間・人惜しむな 弁護士・猿田佐世さん

 弁護士の猿田佐世さんは「軍事に偏らず、金、人、時間を外交に振り向ける平和へのアプローチを疎(おろそ)かにしてはならない」と主張。安保法ができても「米国は満足してない」と、さらに軍事的な要求をしてくる可能性に言及した。

柳沢協二さん

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◆自衛隊に犠牲出る恐れ 元官房副長官補・柳沢協二さん

 元官房副長官補の柳沢協二さんは、安保法の新任務によって海外で自衛隊員に犠牲者が出る恐れを懸念。日本周辺でも米軍の戦争に巻き込まれる可能性があるとした。

岡野八代(やよ)さん

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◆命の問題に市民が決起 同志社大大学院教授・岡野八代(やよ)さん

 同志社大大学院教授の岡野八代(やよ)さんは「日本のデモの表情は変わった」と指摘。安保法への反対は「命の問題」であり「ママさんや学生たちが立ち上がり、個人で思いをぶつけた」と述べた。

 タイトルの「言わねば−」は戦前、軍部を痛烈に批判した反骨の新聞記者、桐生悠々(ゆうゆう)の言葉。言論人の心得を記した文章で「言いたいことを言うのは権利の行使」だが、「言わねばならないことを言うのは義務の履行」であり、犠牲を伴うとしている。

 

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