民進党の新代表に選出された蓮舫氏が好スタートを切った。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、蓮舫氏に「期待する」との回答が56.8%に上った。野党転落後の歴代代表より圧倒的な人気だ。ただ女性からの期待が高い半面、男性や地元・東京での人気はいまひとつ…。自身の歯切れのいい舌鋒と同様に“好き嫌い”がくっきりと分かれた。

 蓮舫氏への期待は、前代表の岡田克也氏が旧民主党代表に就任した時(平成27年1月調査)の35.6%、海江田万里氏の就任時の34.6%(24年12月調査)よりも大きい。蓮舫氏は各世代から支持を得ており、特に女性の人気が高い。「期待する」が65.5%と、「期待しない」の30.8%の2倍以上あった。

 これに対し、男性は「期待する」が47.5%にとどまり、「期待しない」の50.2%が上回っていた。中でも30〜50代の働き盛りの男性は冷ややかだった。

 職業別でみると、「期待する」と答えた人の割合が最も高かったのは専業主婦の65.1%。逆に弁護士や開業医といった自由業は41.0%、勤め人・管理職が48.1%と半数割れした。

 また、衆院比例代表ブロック別では、東京ブロックだけが「期待する」(45.7%)を「期待しない」(48.6%)が上回り、蓮舫氏の政治活動を間近で見ている地元での取りこぼしが目立った。

 一方、蓮舫氏のもとで民進党が政権を担う政党になると思うとの回答は16.5%のみで、蓮舫氏への期待が高かった女性も「思う」は21.1%にとどまった。岡田氏の旧民主党代表就任時の35.6%、海江田氏の24.9%より低く、蓮舫氏個人の人気が民進党全体の信頼回復につながっていない実態が浮き彫りになった。

 蓮舫氏は19日、そうした調査結果について、都内で記者団に「なるべく、その間を縮めていきたい」と述べ、信頼回復に努める姿勢を示した。ただ、好き嫌いがはっきりと分かれているだけに、今後の党運営次第では一気に失速しかねない。