金森さんがリースに出す土砂運搬船。東京湾内を巡航する

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 右肩上がりの経済成長はとうに終え、低成長時代に突入したニッポン経済。それでもバブルのごとく稼ぎ倒す強者は、少数ながら存在する。彼らは常人と何が違うのか――新型富裕層に秘密のスキームを直撃した!

<金森重樹さん…年収6453万円/土砂運搬船投資>
実業家。不動産投資に明るく、アパート一棟買い仲介会社やメガソーラー発電所を運営する。常に投資情報に目を光らせ、他人がやる前に実行する超行動型富裕層。『100%得をするふるさと納税生活』など著書多数

◆不動産はもはや天井! オルタナティブ投資に開眼

「ここ最近のテーマは脱不動産。今市場に出回っている物件では高いリターンは見込めない」

 と話す金森重樹さんが最近熱心に取り組んでいるのは、オルタナティブ(代替)の投資先。投資妙味のある案件は探せばまだあるという。その1つが、土砂運搬船だ。

「プッシャーバージ船といって、平べったい船を1.3億円で購入しました。といっても手持ちの銀行株を担保に融資を受けたので、手銭は出ていません。1500t積載できるこの船は川崎―木更津間を巡航するのですが、土木会社に貸し出して、月に250万円のリース代を受け取っています。年間の利回りにして24%。これが10年間続くので、最終的には投資金額の約2.4倍になる計算です」

 船体は古く、2年で減価償却できるため税制面でもお得感がある。メンテナンスや保険料はリース先の土木会社が持つ契約で、ランニングコストもかからない。実にうまみの多い投資だと金森さんもホクホク顔だ。

「トラックだと10t積んで運ぶのにも1人ドライバーが必要でしょ。それが船だと一隻で1500t運べてしまうから効率がいい。何をするにも土砂の運搬は発生するので、需給が安定しているのもいいですよね」

 土砂の運搬業を手掛けるうちに、土のポテンシャルに気づいた金森さんは、今度は掘るほうにも力を入れ始めた。山の持ち主に採掘料を支払う採石業者のスポンサーとなったのだ。

「防風林をつくるのにも、マンションを建てる際に高低差を埋めるのにも土砂は必要。実際に1立法メートル掘り起こすと、元値の何倍かで売れるんです。南相馬市などの山林に5000万円を投資しましたが、こちらは1年半で1億円になる見通しです」

 土砂運搬船と山への投資から得られる額を合計すると、これだけで年に約6453万円になる。ただし、金森さんはこの投資先に楽してたどり着いたわけではない。

「年中いろんな案件が舞い込みますが、お互いがお互いを保証できる状況でないと話には飛びつかない。投資する前には徹底して調査をかける手順は絶対必要です」

<金森さんの富豪哲学>

・不動産投資よりも利幅が大きい投資先を探す
・乗り物系は減価償却の期間が短いので◎
・景気に左右されない業態を調べつくす!

― [新型富裕層]の裏錬金術 ―