岩井屋は日本秘湯を守る会に加盟している日本百名湯の関脇
どうも千日です。この連休に行ってきましたよ、岩井温泉です。
その歴史は1200年とも1300年ともいわれている、山陰は鳥取県の秘湯で、日経新聞の日本百名湯にも選ばれた知る人ぞ知る温泉です。
聞いたことのない人が多いと思います。山陰方面の温泉としてはメジャーではありません。温泉宿も3軒位しかありません。
が、それでいて並みいる強豪を押しのけ関脇にまで頭角を出してくるのが岩井温泉であり、それを提供する岩井屋さんです。
正統派の旅館です。後述しますけど、お部屋や料理も温泉宿のど真ん中を貫く、今では数少ない旅館だと思います。
旅館のホームページはiwaiya | 鳥取 岩井温泉 岩井屋からどうぞ。えてしてこういうものは、実際に行くとなんだかがっかりすることが多いのですけど、岩井屋さんについてはその逆でした。
ホームページ以上のクオリティを繰り出してくる、今時珍しいお宿なんです。
目次
岩井屋の岩井温泉の4つのお風呂に入ってきた
岩井屋には4つの浴槽が3つの浴場に分かれています。
- 露天風呂と大浴場
- 大浴場のみ
- 貸切風呂
1と2は午後8時に入れ替えとなり、3の貸切風呂は予約不要で、空いてたら入って中から鍵をかけるシステムです。
つまり、1泊すればだれでもすべてのお湯を満喫できるようになっています。
今回、千日はすべての浴槽に浸かってきましたので、レポートしたいと思います。
露天風呂と大浴場
- 露天風呂 背戸の湯
- 大浴場 源泉長寿の湯
浴場への入り口はこんな感じでこじんまりとして風情があります。右下に見えるのは冷たいお茶のサービスです。
引き戸を開ける少しスペースがあり、一段下がって脱衣所です。簾が良いムードですね。さらに浴室へは段差を1つ降りるようになっています。
やはり露天風呂は大事ですよね、ちゃんとあります。街中の温泉ですので周囲から見えないように、敷地内の植栽で隠すように、うまく作ってあります。
日本秘湯を守る会の提灯が良いムードを醸し出していますね。もちろん源泉かけ流しで微かに硫黄の匂いがします。
大浴場は直立しても胸まで浸かる深い所が真ん中あたりにあります。周辺は30cmくらいの水深ですので、そこに横たわるもよし、腰かけるもよしです。
飲泉もあります。千日もちょっと飲みました。
大浴場のみ
- 大浴場 祝いの湯
もう一つの浴場は大浴場が一つのみです。カランは3つだけですのでかなりこじんまりしています。
この大浴場は奥の方が深くなっていて、やはり飲泉も備え付けられています。我々が来た時、男湯はこっちの方でした。
小さいですけど、秘湯のムードはこっちの方がありますし、お湯のまろみというか、温泉の度合いはこっちの方がありますね。
こちらの小さな祝いの湯の方がより濃縮された温泉を満喫出来ます。
小さな浴場での振る舞い方
千日とブルータス(我が家にステイしている留学生男子19歳)が入ると先に年配の男性が1人で湯船に入っていました。
我々も掛け湯をして湯船の隅の浅い所に入りました。
男性『どうぞ、こっちの方が深いですよ』
千日『ありがとうございます』
お互い知らない同士ですけど、ちょっとお話しをしました。お互い裸ですから少しこうして声をかけると、いくらか構えずにリラックス出来ますよね。
そういう気配りにさすがだなぁと思います。まだわたしには出来ません。
男性は自分の使ったカランの周りをシャワーでサッと流し、椅子と桶を所定の位置に戻し『ではお先にごゆっくり』と言葉を残して出て行きました。
良いですよね〜さりげなくて。
こういう小さな旅館で源泉かけ流しで24時間入浴できる所だと、大きなスーパー銭湯などとは違ってマメに清掃は行われない事が多いです。
他の人が泡に足を取られて転倒してしまうリスクをそれぞれが減らすようにすればもっと安全に、気持ち良く皆んなが利用出来るんです。
温泉道で1UPしたブルータス
この一連の所作について、あえてわたしは一言もブルータスに言いませんでした。自ら気付いてほしいと言う気持ちがあったんです。
我々は男性が出て行った後、二人きりで湯船に浸かって色んな話をし、二人並んでカランで身体を洗いました。
すると…
ブルータスは自らカランの周りをお湯で流し、桶と椅子を定位置に戻す所作を自ら実行しました。
ブルータスが1UPしました。
彼の祖国には公衆浴場の習慣はありませんが、今や、すでに温泉道の先達として彼に教える事が無くなった事を密かに喜びました。
予約不要の貸切風呂
- 貸切風呂 よいまち草
夕食後、ブルータスが満腹で寝ている間に、妻と一緒に貸し切り風呂に入りました。
引き戸が空いていたら入ってOK、中から鍵をかけるというシステムです。
初めは8時を過ぎてからそれぞれ、さっきと違うお湯に入ることが目的だったんですけど、千日は目ざとく空いているのを見つけまして、半ば強引に妻の手を引き連れ込みました(笑)。
脱衣所は二人でギリギリですけど、浴場、浴槽は二人で入るには十分な広さです。もちろんこちらも源泉100%のかけ流しです。
貸し切り風呂の健全な楽しみ方
普段、明るい照明の下で妻の身体を見ることが無いので、ついついコーフンします。
千日が先に服を脱ぎ、かけ湯をして浴槽に入ると、ほどなく小走りに全裸の妻が入って来て、かけ湯もせずにザブンと湯船に入って来ました。
千日『ちょっとちょっと!かけ湯しないと!』
妻『さっき入ってキレイだから良いの』
確かに食事の前に一度入ってますけどね。
ご容赦下さいm(__)m
こういう型にハマらない奔放な所作が咎められないのが貸し切り湯の醍醐味でしょう。お湯の水面越しに見る妻の肢体、少しのぼせそうです。
妻はサッと立ち上がり、素早く千日のバックを取りました。
千日『おお?』
妻『肩凝ってるね』
お湯を掛けながら千日の肩を揉んでくれました。どうやら千日の視線を逃れる為のようですが、コレはこれで極楽です。
交代して千日も妻の肩を揉んであげました。
千日『おっと(笑)』
妻『ちょっと(怒)』
若い人だとその先までイッてしまうんでしょう。
貸し切りとはいえ、公衆の浴場ですし、その後入る人も居るので、続きはなるべくお部屋の方でお願いします。
料理は夕食朝食ともに専用の個室で
千日夫婦とブルータス(我が家にステイしている外国人留学生19歳男子)の3名です。お部屋食の設定はなく、専用の個室での食事です。
夕食の写真
旅館の会席料理はどこも似たようなものになりがちですけど…前菜が良いとその後の印象が全然違って来ますよね。
前菜
部屋に入ってこれがセッティングされているのを見て、思わずみんな『おお〜』とハモってしまいました。
豆腐ちくわ(鳥取の郷土料理)
豆腐と魚の練り物が合わさったもので、鳥取県東部の郷土料理です。高タンパク低カロリーでヘルシーなのでお土産にも良いです。
お造り イカ(旬)、幻のモサエビ、マグロ、ハマチ、カンパチ
モサエビは甘エビと比べて身がしっかりしていて食べ応えがあります。鮮度が落ちやすいので永らく「幻のエビ」と言われていたんです。
こういうの、産地ならではの楽しみですね。
鳥取牛のステーキ
お約束の肉です、1人二個づつなんですけど妻からブルータスと私に一個づつ貰いまして三個食べました。
鯛の西行焼
当然ですが美味いです。偶に辛いのもあるんですけと、丁度良い漬かり具合です。
炊きものと土瓶蒸し
土瓶蒸しは妻の大好物です。肉のお返しにブルータスと私から妻に送りました。
天ぷら
この辺りで、我々3名の胃袋は限界に達しました。
デザート
別腹のデザート。何気なく添えられている巨峰の甘みと美味さは脳髄に稲妻が走ります。産地の近さがなせる業ですね。
いつものことながら、全部は食べきれない量です。天ぷらを少し残してしまいました。
朝食の写真
あれだけたくさん食べても朝はなぜかお腹が空くものです。旅館の朝食は良いですよね。下手したら夕食よりも楽しみだったりします。
右上の鍋には湯豆腐が入っています。
この宿を取った千日の株は昨日の夕食からこの朝食にかけて最高値を更新しました。
岩井屋の献身と良心
正統派の旅館です。
床の間には掛け軸とちゃんと生花が活けてあります。これだけですごく特別感があります。
殆どの旅館は床の間にはテレビが置いてますよね。
テレビを置くなとは言いません。実際、真っ先にテレビをつけるのは千日です。なんとなくテレビかついてないと落ち着かないタチなんですよ。
しかし一方で、「床の間は床の間でしょ」と思うんです。
テレビはこの向こう正面に壁掛けになっています。
床の間にテレビを置かない。
人によってはどうでも良い事なんでしょうけど、これが純和風旅館の良心(プライド)と旅館でテレビをつけたい千日のような宿泊客へのホスピタリティの落とし所なんだろうかと思います。
日本の旅館が凝縮されタイムスリップしたかのような気分
大正ロマンなロビーの写真です。窓の向こうには小さな日本庭園、錦鯉が泳ぐ池の上を跨ぐ渡り廊下の先に温泉の棟があります。
岩井屋は総部屋数14室の小さな旅館ですが、和風旅館の全てが凝縮されています。まるでこの中だけ違う時間が流れているかのような、そんな錯覚を感じさせるんです。
部屋だけでなく、旅館の階段や廊下の様々な場所に目を楽しませてくれる生け花や調度品が配置されています。
今回は一泊だけでしたけど、この宿なら何日か連泊しちゃうのもアリだなと思いますね。
因みに日本秘湯を守る会 公式Webサイト|日本秘湯を守る会|スタンプ帳のご案内に加盟している旅館ではスタンプカードがあり、スタンプ(一泊一個)が3年で10個貯まると1泊無料で宿泊出来るんですよ!
3年で秘湯の温泉宿に10泊。好きな人なら簡単にクリアしちゃうでしょうね。
まとめ〜心の垢を落とす場所
窓から見えるのは瓦屋根と日本昔ばなしに出てきそうな里山の風景です。
お風呂に入ってから夕食までのしばしの間、瓦屋根のむこうの山々に視線を向けながら空腹をやり過ごし、テレビから流れる大相撲中継のアナウンサーの実況を聴くともなく、聴く。
温泉だけでは流せない、日々の仕事でうっ積した垢がゆっくり剥がれ落ちて行くのを感じる時間でした。
どうやら、こんなにもわたしは疲れていたんですね。
以上、千日のブログでした。
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