■少年サンデー
サンデーといえば、毎週購読していない方からは、新編集長による改革宣言が記憶に新しいと思います。「今後の少年サンデーの運命の責任は僕一人が背負う覚悟の表明でもあります」という宣言文は、サンデーを読み続けてきた身として胸に熱いモノが込み上げますね。
では、その改革でサンデーがどうなったのか。基本的には新人育成のため、新連載を増やしていく方針になりました。他にも、ジャンプやマガジンに続いて電子版の配信なども行われました。
その煽りをうけ、「神のみぞ知るセカイ」「史上最強の弟子ケンイチ」などの、長らくサンデーを支えていた漫画が最終回を迎え、代わりに両作者の新連載が始まっています。ケンイチは唐突に終りへ向かった感が拭えませんでしたが、神のみは展開が早くなった事で良かった部分もあったと思います。
余談ですが、サンデー編集といえば、「烈火の炎」を「かっとび烈火」や「烈火100℃」というタイトルにしようと提案したりと、タイトルセンスがないイメージがありましたが、最近のサンデーの漫画のタイトルはセンスフルですね。特に「サイケまたしても」はタイトルの求心力が強い。
最近の少年サンデー
さて、そこで去年から異様に増えた新連載ですが、傾向としては「美少女押し」の漫画が多い印象があります。一人キャッチーな個性派美少女をメインに捉え、その周りを固めていく「だがしかし」方式です。
その中でも、僕が一番気に入っている漫画が、「魔王城でおやすみ」です。
・魔王城でおやすみ
「魔王城でおやすみ」は、今のところヒロインは上画像の姫様のみです。内容は魔王城に捕らえられたお姫様が、牢屋に入れられている間、暇なので安眠するための道具を探し城内を歩き回るだけのお話です。姫の牢屋内での自由奔放っぷりは、ジョジョ5部のポルポや、バキのビスケット・オリバの如しです。さながら「ミス・アンチェイン」と言ったところでしょうか。
この無職ライフの過ごしっぷりはいいですね。同じ無職として好感が持てます。
姫のすごい部分は、その板についた無職っぷりだけでなく、「安眠のためなら城内の魔物くらい容赦なく殺していく」ところにあります。
毛布にするため、どんどん殺す。枕にするためにもどんどん殺す。暇潰しの手段としても殺したりもします。サンデー主人公の中でも、トップクラスの殺傷率。
安眠のため以外にも、腹立ったから殺すこともあります。
とにかく可愛い上に、ギャグも安定して面白く、いつか5分アニメなどで気軽に観たくなる作品。ここから「WEBサンデー|魔王城でおやすみ」1話が読めますので是非。
・天野めぐみはスキだらけ
ネットでも話題の「天野めぐみはスキだらけ!」。この作品は凄くフェチズムを感じさせる内容で、「ムチムチに育った幼馴染が、無自覚にブラチラやパンチラをしまくってくる」という、ラブコメの軽いサービスシーンが無限に続いていく話。
中学生の頃に連載されていたら、「露骨じゃないエロスがいいんだよな」と気取りながら(十分露骨)使いまくっていたと思います。こんなスケベなカラダをしていても主人公のこと大好きなめぐみちゃん。サンデー一寝取られ向けの作品です。同人作家のみなさん、よろしくお願い致します。
「ヒメゴト〜十九歳の制服〜」という、非常にドロドロとした作風の百合漫画を連載していた、峰浪りょう先生の作品。
「ヒメゴト」は、こういったスマホの広告にありがちなやつに使用されるくらいに、ダークで濃い内容でしたが、「初恋ゾンビ」は一転して、明るいラブコメモノに。
「初恋ゾンビ」は偶にえっちなシーンはあるものの、今のところ設定が多少特異な点以外は普通のラブコメですので、余り言うことがありませんが(それだけに安定して面白いですが)兎に角ネタバレ抜きに、まずは「ヒメゴト」を読んでみてください。
・古見さんは、コミュ症です。
校内で話題の美少女ながら、コミュ症で誰ともまともに話せない古見さんが、勇気を出して友達を作っていく作品。読み切り時は一発ネタすぎて連載大丈夫か心配でしたが、いざ連載が始まると古見さん以外のサブキャラも個性が強く、飽きさせない面白さがあります。
美少女なのに極度に臆病という弱点により、読者のオタクの共感を呼び、更にそんな古見さんが唯一心を開いている主人公の存在という、非常にオタク狙い撃ちな作品です。
たまに見せる美人顔いい……。
サンデーの大御所、西森博之先生の新連載。西森博之先生がこの連載を告知する一つ前のブログ記事にて、ドアを少しぶつけただけの車の修理に40万取られた事に対し、「三橋のように噛み付いた」と書いてあるのを読んで、微笑ましい気持ちになりました。
閑話休題。さて「柊様は自分を探している。」も、さすが大御所の作品であり、安定した西森作品のオーラを、序盤から存分に発揮しています。
基本的には「道士郎でござる」「お茶にごす。」と流れは変わらず、天真爛漫で豪快な主人公が、西森先生特有のクズ野郎を、奇抜な方法で退治していく勧善懲悪モノ。しかし今回は「天使な小生意気」以来の美少女ヒロインなので、ヤンキーとヤンキーが争っている様子と違い、かわいいのです。
サンデーは大御所が安定した新連載をお出しできるのが良いですね。過去作が好きなら柊様を読んでも、まず間違いありません。今作は珍しくファンタジー要素もあります。そもそも、どの漫画にも救いようのないヤンキーで溢れている西森作品自体がファンタジー空間ですが。
余談ですが、「お茶にごす。」のカバー裏では、三橋と伊藤が温泉を掘り当てている様子が描かれていましたが、柊様にも小ネタで過去作の後日談があると嬉しいです。
他にも美少女押しではありませんが、藤田和日郎先生の「双亡亭壊すべし」も、初っ端から子供にトラウマ植え付ける気満々のグロで飛ばしてきて最高です。
あとヒロインが可愛い。
「うしおととら」アニメも面白かったですし、裏事情満載の「読者ハ読ムナ(笑)」も評判が良く、まだまだノリにノッている藤田和日郎先生。和月伸宏先生の「エンバーミング」では、「黒博物館」のキャラが、カメオ出演したりもしました。いつまでも妖怪のように元気で居て欲しいです。
読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
- 作者: 藤田和日郎,飯田一史
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/07/12
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連載中の作品
もちろん連載中の作品も面白いです。月一連載の「BIRDMEN」、高橋留美子先生の「境界のRINNE」、アニメ化決定した「競女」、イケメン男性が女性声で声優を目指す「天使とアクト!!」、うえきの法則などでお馴染みの福地翼先生の「サイケまたしても」などが好きです。
特に「境界のRINNE」は、いつまでもノリが変わらないるーみっくわーるど全開です。
最近の境界のRINNE、全ての高橋留美子ヒロインのかわいい部分を足して割ったような容姿と性格のれんげちゃんが登場し、お決まりのキャットファイトを繰り広げ高橋留美子感の最高潮な上に、来週は歴代随一のホモも出てくるので観た方が良いですよ pic.twitter.com/csI1hRdsdY
— にゃるら (@nyalra) 2016年7月23日
「天使とアクト!!」も、よくある女性声優モノでなく、俺様タイプの傲慢主人公視点で声優の世界が描かれるので、新鮮です。この顔と性格で女声を出すなんて、物凄くえっちな存在ですよアクトくん。
因みに「ハヤテのごとく!」は、いつも通り美少女たちがワチャワチャしていて、良くも悪くも何も変わりません。最近なら、突然路上でラップバトルが始まる回が笑いました。他にもナギがイカ娘の連載終了に触れるなど、オタク時事ネタに敏感なのは流石。畑健二郎先生が連載していた謎のロボット漫画は、よく分からないまま終わりました、残念。
「だがしかし」は、第二部に入り冬が訪れ、ほたるさんも居なくなりましたが、その状態でも全然面白いです。
という事で、最近のサンデーの話でした。
■オマケ 他の少年誌の新連載
オマケです。
・ジャンプの新連載
最近のジャンプの大きな動きといば「ニセコイ」「BLEACH」「こち亀」連載終了です。こち亀が終了した号で、ガッツリ「斉木楠雄」が1話丸々こち亀ネタにしていたのは流石の一言。
こち亀新作エピソード、実質檸檬がヒロインだったたし、寿司屋関連の落ち目で昔からのファンに叩かれてた時期でも、「ハムスター殺されてなきじゃくる檸檬はシコれる」と主張し続けてきたオタクたちへの救済だった
— にゃるら (@nyalra) 2016年9月18日
長らく連載されていた漫画が終わり、ジャンプにも新しい風が吹いてきています。
その中で一番勢いがあるのが、「ゆらぎ荘の幽奈さん」。ラブひなにToLOVEるを掛けたようなえっちな作品。超わかりやすい作風が最高です。因みに上画像の触手責めの回は、一度過激すぎてボツになった上でこうなったらしいですが、元がどれくらいヤバかったのか、気になり過ぎます。
後はまんま「対魔忍」な「誅魔忍」ちゃんが好きです。
ゆらぎ荘の対魔忍ちゃん、ただでさえ見た目が対魔忍なのに、今週すぐ主人公にベタ惚れしてたので、中身まで対魔忍になってしまった
— にゃるら (@nyalra) 2016年7月11日
他にもシュールギャグを極めて来た「鬼滅の刃」も好きです。今のジャンプで一番気になっているかも知れません。
この有無を言わせぬ謎の勢いが最高。
連載開始の頃は、漫画自体にこなれていない印象ですが、巻を追う事に目に見えて漫画力が上がっていくのが凄い。週刊連載が作家を鍛える事がよく分かります。
因みにどんなヒロインよりも作者のコメントの方がかわいいと評判。あざといです。
ショタ主人公分を、同じく新連載の「レッドスプライト」と同時に補給できるようになったので、大きなお姉さんも大喜びではないでしょうか。因みにレッドスプライトは、設定がどことなく「狂四郎2030」っぽくて気に入っています。少年誌でバーチャルSEXはしませんが……。
・マガジン
マガジンでは何と言っても、雷句誠先生の新連載がヤバいです。これは本当にヤバい。
このシーンなんて、元は過去作であるサンデーのキャラで、ジャンプ漫画のネタを、マガジン上で行っています。しかも、この話もオチでは全盛期のガッシュ並に熱く、ガッシュの最も熱い展開と、最も狂った展開を、一話に詰め込むような漫画です。今一番熱量のある新連載ではないでしょうか。
他にも「AKB49〜恋愛禁止条例〜」の作者が描く、忍者モノの「もののて江戸奇傑忍者絵巻」が好きです。
左右の手が逆についている事を活かした「逆手多刀流」を駆使する主人公と、そんな主人公に借金したため、旅についていく事になったヒロインの少年誌らしい王道モノ。
借金返済の代わりに100数えるまで膝枕をしてあげているのですが、主人公の寝顔が放っておけなくて、ずっと「99」でカウントを止めちゃうシーン。かわいい。
他には元はプリキュアの18禁同人誌を描いていたノビ……永椎晃平先生の「星野、目をつぶって。」も、過去に股間がお世話になった分、応援していきたいです。
ヤンマガKCの作品ですが、「やおろちの巫女さん」はヒロインが超好みなので、どうしても紹介したいです。
かわいい!
こちらから「漫画『やおろちの巫女さん』公式ページ « ヤングマガジン公式サイト|無料試し読みと作品情報満載!」1話が読めます。
・チャンピオン
イカ娘が連載終了したチャンピオンは、同じくほのぼの漫画枠を狙った「猫神じゃらし!」が好調です。
まぁでも、チャンピオンと言えば何と言ってもバキですね。再アニメ化決定おめでとうございます。チャンピオン読んでいる時は、基本バキの事しか頭に入りません。結局最初から最後までバキの話をしていた記事でした。