僕は貧困を描く書籍が好きです。
例えば、ノンフィクションでは鈴木大介さん。
かつて書評記事も書いたのですよ。『脳が壊れた』でますます著者が好きになりました。
そして漫画では『闇金ウシジマくん』ですね。こちらはフィクションですが、借金まみれになって落ちるところまで落ちていく人間模様がやけにリアルで、つい読んでしまう。しかし・・・
闇金ウシジマ君を一気読みしようとしたけど、だんだん滅入ってきたので分けて読むことにしました。なんというか、取り込まれる感じがするのです。
— ポジ熊 (@poji_higuma) 2016年9月18日
貧困ルポライターの鈴木大介氏は、取材中にこのような状態になることも度々あったそうですが、何となくわかりました。
ウシジマくん読んでると、気が滅入るのですよね。
あまりにもリアルな闇で心がやられる(´・ω・`)
この前も8巻まで読んだけど、1時間くらいダークモードに入ってしまった。
憎いぜ、闇金ウシジマくん!
今日も読むんだけどさ
この前は1~8巻まで読みました。漫画喫茶で3時間、ウシジマくん三昧です。最高のひとときだったのですが、この漫画を読むといつも気が滅入る。いやいや気が滅入るなら読むなよ、って言われそうですが、それでも読んじゃうのですよね。
後悔はしないのですけど、たとえノンフィクションだとわかってても、貧困や暴力の描写が容赦なくて、毎回当てられちゃうのです。読み終わった後に一抹の不安が心をよぎる。「借金は怖い、一寸先は常に闇なんだな」みたいな感覚が心の中で渦巻くのです。
今日も漫画喫茶に突撃して9巻から読み込むぞー!って息巻いていたのですが「う~ん、またあの気が滅入る状態が待っていると思うと、ちょっと怖いな」なんて考えてしまって。これをどうにか解消する方法はないものか?
数秒考えてひらめきました。そうか、この手があった!
ウシジマくん鬱対策はこれだー!!
ウシジマ君一気読み鬱症候群対策 pic.twitter.com/yPPK57o9Wp
— ポジ熊 (@poji_higuma) 2016年9月19日
2巻ごとに漫☆画太郎先生の書籍を挟むことで、闇金ウシジマくんの鬱属性を中和するのだ!!(ドーーーーン!!)
地獄甲子園を探したのですけど、店の検索機にひっかからない。うーむ、仕方ない、先生の漫画ならどれも同じパワーを持っているだろう、大丈夫!というわけでこの漫画をチョイスしたわけです。
僕は珍遊記世代ですが、そのあまりの面白さに内容はほとんど覚えていません。ただ、その絵画力には特有のインパクトがあって、それだけは記憶に刻み込まれています。
もし、宇宙人が地球に到来して万が一、先生の作品を最初に見つけてしまったとして、それが地球の文明だと早合点されて帰ろうとしたならば、僕は拉致覚悟で全力で弁明する自信があります。よりによって、どうしてそれを見てしまったのか、と。
話は脱線しましたが、先生の力をもってすればウシジマくんの闇などはウ〇コの力で消し飛ばしてくれるだろう、そのような見通しが僕にはあったのです。
先生、先に謝っておきます。
完全にナメてました。
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それはもっと危険だった
闇金ウシジマくん9巻から読書開始です。普段は活字しか追わない性質ですが、ウシジマくんは別。フィクションだとわかっていても、「もしかして、本当にこういうこともあるんじゃないの?」的な心境を作り出してくれる、そんな不思議を持った作品。没頭です。
9巻は無事に読了。1~8巻のような、とことん救いようのない話とは打って変わって、なんだかほっとする結末がありました。おや、ウシジマくん、どうしたんだい。随分と手ぬるくなってないか?
いやいやそんなことはありませんでした、日常のちょっとした閉塞感が延々と生々しく描写される10巻を読んでいるときに僕は「助けて、漫☆画太郎先生!」こんな風に思えたのです。
10巻読了。ああ、やっぱりウシジマくんはすげえや、僕の心を完膚なきまでのダークグレイに染め上げてくれている。この心地よい闇がたまらない。だが、このマイナスベクトルの快感に浸っている場合ではない。この調子で読み進めると、また強烈に心を侵食されてしまう。
僕は、漫画太郎先生の本を読んだ。
凄い、凄いよ画太郎先生。女の子は半端に可愛いけど、ネタは半端じゃなくくだらない。最後の一コマまで手を抜かない謎の勢いと粘着質なギャグセンス。猟奇的なのにギャグにしてしまう、謎の奇跡の連続です。笑わずにはいられない。
こうして僕は、ウシジマくんの2巻分の闇をめでたく浄化することに成功しました。これ以降はウシジマくん2巻に対して先生の1巻を挟み、無事に『闇金ウシジマくん』本日分を読み上げることに成功!・・・するはずだったのですが。
先生の漫画、2巻を読み進めて思いました。
「あ、これ、ウシジマくんより精神がやられるかもしれない」
あまり詳細には伝えられない(アドセンス規約関連も余裕で抵触)のですが、具体的には下品ネタが半端じゃなく下品です。乏しい語彙ではこう表現するしかないのですが、兎にも角にも汚すぎて、滅入ってしまう。時折挟むならまだ良いのです、下品ネタ。しかし、同じコマの使いまわしでひたすら究極的に連発されると、さすがに参ってしまいます。
ウシジマくんは8巻を読み切ったところで精神に浸食を来しましたが、先生の漫画は断続的に、しかも1.5巻を読んだか読んでないかの時点で、僕の心をノックアウトしてしまったのです。なんという恐ろしいコンテンツ力でしょうか。あれだけリアルに実社会の闇を描いたウシジマくんを、いとも軽く超えてしまうなんて。
とりあえずウ〇コネタがとにかくキツいです。
先生ごめん、僕もう無理でした(´・ω・`)
まとめとかウシジマくんの魅力とか
えー、まとめますと
漫☆画太郎先生の本はウシジマくん超え
ということになりますね。
・・・あれ?いや、違う違う。
漫☆画太郎先生の本は闇系漫画の中和剤としては刺激が強すぎる
こっちのほうがしっくりきますね。はい。
いやー、なめてました。闇を中和するなら、もう少しマイルドな作品にしとけばよかった。先生ってば、1巻ではそれなりに落としどころを作って笑えたのに、2巻の後半から急に畳みかけてくるんですもの。僕には耐えられませんよ、そんなの。『四月の君の嘘』あたりが良かったのかな。いやいや対極すぎて駄目か。
我が策、水泡に帰す、といったところですね。ま、ウシジマくんも11巻からは相も変らぬ鬱展開なのですが、ウシジマ社長の人間らしさやほっこりするラストも多少用意されていたので、1~8巻よりは当てられずに読むことができました。
あまりにも凄惨な描写が多いものですから、『闇金ウシジマくん』って、読んで初期のころに止めてしまう人が多いのではないでしょうか。確かに、借金以外の描写も凄く現実的で、時には他人事と思えない感情を惹起させます。家庭内不和、ブラック企業などなどなど。人の心の弱さをはっきりと浮き上がらせています。
ですが、ウシジマくんは10巻あたりから、色々な意味で面白くなっていきます。僕もまだ15巻ですけど、これからは足しげく通って最終巻までを読破してみせますよ。
ですから、まだ見ていない人はもとより、最初の頃に見るのを止めてしまった人も、その強烈な闇のパワーに負けずになんとか読み進めて欲しいのです。
闇金ウシジマくん、全巻読了したら初めての漫画書評にチャレンジしたい。
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以上、漫☆画太郎先生のコスモパワーをお送りしました(え?)