日人の残業時間は世界的にみて、かなり長く、その割に労働生産性が低いとも言われている。
あくまで計算されていないサービス残業を入れていない状態での話なので、それらをいれると、相当なものだろう。
9月19日 Nスタ
小池百合子氏、残業ゼロを提案
小池都知事は9月14日、都庁の全職員に向け
「夜8時には完全退庁。都庁の新しいルールにしたい。名付けて、残業削減マラソンであります。」
とメッセージを送った。
都庁職員の残業をゼロにするため、夜8時に消灯することを決めたとのこと。
「さっさと仕事を終わらせて早く帰るということを競い合う。そんな職場風土に変えて言ってもらいたいと思います。」
街の人50人にアンケート
Qほんとうに「残業ゼロ」で働くことはできる?
できない41人
できる 9人
できない派の理由
・期日(納期)決まっていたりするものもあるから
・仕事が減らない限り残業は減らない
・新しい人を全く採用しないで人件費のことばっかり言っている
・使えない人が部署に来て一から教えることもあり、その時間がかかって残業ということになる
・一人一人の負担が大きい
人手不足が一番の理由として挙がった
できる派の意見
会社と個人で工夫すれば改善できる。
仮に残業ゼロが実現した場合
①収入として入っていた残業代がなくなる。
②夫が早く帰ってくると、ゆっくりできなくなる。主婦も忙しくなる。
といった声も出ていた。
残業や長時間労働について
会社員(4年以内)や大学生は
できない派
・理想は遅めに出勤して、早めに定時で帰る。
・ちゃんと仕事を終わらせ、早く帰って次の日に響かないように早く帰りたい。
・残業ゼロでは仕事が終わらない。上司がいて帰りにくい時もある。
大学生の意見
残業が無く、福利厚生や職場環境を重視したい
入社4年以内の会社員
効率よく働き、残業がない方がいい
週に20時間以上の残業をする人(男性正社員)
25~29歳:19.6%
30~34歳:20.6%
35~39歳:19.4%
40~44歳:18.7%
出典:総務省「就業構造基本調査」2012年
働き盛りの世代では、1日に4時間以上の残業をしている方が2割ほど。
残業時間と過労死ライン
週に20時間=1ヶ月で80時間
これは過労死ラインと言われている。
労働基準監督署が過労死を労災認定する基準
発症前の1か月前:おおむね月100時間超
2~6か月平均 :おおむね月80時間超
実際に残業ゼロを取り入れている会社
住友重機械エンバイロメント
・週二回水・金は定時退社(原則残業禁止)
・会議時間短縮のため前日までに内容をメールするなど
結果
2010年度→2014年度
平均勤続年数2年以上増
残業が減ったかは説明なし
小林労務
・終業後パソコンを使用不可に(サーバーを切断)
・残業ゼロを徹底
結果、社員からは
・「仕事にメリハリがでた」
・「残業になりそうな人を助け合うことでチームワーク力が上がった」
まとめ
実に働き盛りの年代の2割の方は過労死ラインに該当してしまっているという現実がある。
海外でカロウシ(karousi)という言葉が認知されてしまっている悲しい現状がコトの深刻さを物語っている。
僕の身近で、水曜日だけ残業ゼロを実施しているところがある。
しかし、残業時間は減るどころか、水曜日以外の残業時間が延びてしまったという。
安易に残業ゼロの日をつくるだけでは、質的な改善は望めないということは明らかだ。
実際に残業ゼロにすることは、職場の環境によってはかなり難しいこともあるだろう。
いかにして職場内で残業しないで済むシステムを作るかがカギになりそうだ。
残業代が収入として入ってくるからこそ生活が成り立つという部分もある。
残業が必ずしも悪とも言い切れないところが、この問題を難しくしていると思われる。