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奨学金は、経済的に余裕がない学生が学費をまかなうために借りるものだが、現在奨学金利用者の自己破産が大きな社会問題になっている。
社民党の福島みずほ副党首は、今年3月の参議院予算委員会で「かつて奨学金は無利子だった。それがいまになって有利子が増え、これは社会人になるときに多額の借金になっている。極めて大きな問題ではなかろうか。」と、この社会問題の大きさを指摘した。
2004年では4.3人に1人だった奨学金利用者が2014年では2.6人に1人と大幅に増えている現状から、この問題は解決を優先するべきものになっている。(出典:「日本学生支援機構について」)
元文部科学大臣の馳浩氏は「そもそも借りたものは返す。その返済額のなかから次の奨学金の原資になるという制度の趣旨を理解していただきたい」と述べたが、最近の就職難や低賃金、非正規雇用等の問題により「借りたら返す」という理論では片づけられない問題となっていることが現状である。
同じ参議院予算委員会で桜井充議員は「延滞されている方々の内訳を調べてみると、失業している方々が約16%、いわゆる非正規雇用の方が約30%に及んでいて、約半分の方々が非常に厳しい状況になっている」と説明した。
2011年度末の日本学生支援機構の調査では、奨学金の延滞者は約33万人で、その延滞額の合計は876億円にものぼるという。
そもそも奨学金になぜ利子があるのだろうか。
奨学金問題対策全国会議の事務局長、岩重佳治氏によると、無利子の奨学金もあるが、応募する人が多く、成績基準や家庭の事情の審査等を厳しくせざるを得ない状況にあり、選考落ちしてしまう人が利子付きの奨学金を借りる仕組みになっているという。
無利子の奨学金は国がお金を出しているもので、有利子のものは外部の機関からお金を集めているので、その外部の利子を払うために学生からの回収率を上げているため、有利子となってしまっている。
実際に、かつて奨学金利用者で、現在の勤務先の会社の給料だけでは返済しきれず、夜はキャバクラで働いているというアリサさん(仮名)に「奨学金に利息がつくことに納得していますか」と問いかけると、
「利息がつくのは仕方がないと思うけが、額が大きいのでそれに戸惑っている。」
と回答。
アリサさんが学生時代に借りた384万円は、利子がついて社会人になったときにはすでに500万円以上になっていたという。
このような現状に対し、政府も動き始め、新たな施策を先月二日に閣議決定した。
「給付型奨学金については、来年度の予算編成を通じて結論を得、実現する」
給付型というのは、返済義務がないということである。海外では奨学金を国としての未来の人材投資と捉えるために給付型奨学金は多くみられるが、日本では例を見ない。
これに対して岩重氏は「とてもよい傾向だが、給付型を受けられない人達からバッシングが起こるかもしれない。この施策から、どんどん幅広くしていって多くの子どもたちを救っていくのだというメッセージとともに打ち出してほしい」とコメントした。
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