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猫の手借りて町再生 京都

小さな猫の人形に見入る女性たち
狛猫をまつる木島神社

 「第1回こまねこまつり」が18日、京都府京丹後市の金刀比羅神社を中心に峰山町のまちなかであった。丹後ちりめんで栄えた峰山町を文化の力で再生していこうと住民自らが企画した。手作りの良さ、あたたかさを見直そうと70店が出展した「こんぴらてづくり市」をはじめ、猫を描いたキルト展、「猫の目アート」など多彩なイベントを展開した。【塩田敏夫】

     実行委員会(田中智子委員長)が主催した。

     田中委員長によると、峰山町は江戸時代から機織りで栄えてきたが、その文化遺産を展示するミュージアムはない。丹後ちりめんが産業として衰退する中、町の歴史に誇りを持とうと5年前から「猫プロジェクト」をスタート。陶器に猫を描くワークショップなどを開いてきた。

     足元に大きなヒントがあった。峰山町のシンボルともいわれる存在の金刀比羅神社は、丹後ちりめんの業者や町衆たちによって支えられてきた。境内には全国でも珍しい狛(こま)猫が鎮座する木島神社がある。絹糸を生み出す蚕をネズミから守ってくれる猫を大切にしてきた伝統が脈々と息づいている。

     田中委員長はこうした先人たちの知恵や遺産を町づくりに生かそうと多くの住民と話し合い、行政に頼ることなく自分たちの手でできることをやろうと実行委員会を結成した。「こんぴらてづくり市」は今回で70回目で、これを記念して手作り石けんなどを販売する70店が出展。実行委員会の呼び掛けに共感した初参加の人も多かった。チェーンソーで木から猫の像を作る実演やキルト展など数多くのイベントが開かれた。

     金刀比羅神社を中心に峰山町のまちなかは多くの人が行き交い、「こんなにぎわいを見たのは初めて」と驚く人もいた。田中委員長は「何かが始まった感じです。狛猫が自分たちの町にあることを誇りにし、文化の力でしっかりと町づくりをしていきたい」と話した。

    〔丹波・丹後版〕

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