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Kaspersky Labは9月8日、「デジタル健忘症」に関する調査結果を公表した。それによると、デジタルデバイス上のメモに依存してしまう傾向や、スマートフォンの存在による集中力の低下傾向が明らかになったという。結果の概要はこちら(英語のみ)。
Kaspersky Labでは、デジタルデバイスに情報を保存したことで安心してしまい、その情報を忘れてしまう傾向をデジタル健忘症と名付け、2015年より職場におけるデジタルデバイスの使用に関する調査を行ってきた。
主な結果は以下の通り。
会議や会話の記録方法について、フランス、ドイツ、イタリア、英国、スペイン、ロシア、米国、メキシコ、ブラジル、インド、マレーシア、シンガポール、日本の13カ国で働くIT/テクノロジー、経営、営業/マーケティング、人事/財務を職務とするビジネスパーソンを対象として2015年12月下旬から2016年1月上旬にかけて行ったオンライン調査(調査会社:Arlington Research)では、44%がデジタルデバイスで業務上のメモを取ることで、会話の背景や感情など貴重な情報を見落としてしまうと回答。
会議の内容を積極的に聞くことを諦めてもリアルタイムで記録を取ろうとするビジネスパーソンが多く、46%は会議のニュアンスよりもデジタルデバイスに保存したメモの正確性のほうが重要と答えていた。半面、デジタルの記録が消えてしまった場合、会話の内容を一言も思い出せないと回答した人の割合は13%に上り、仕事の記憶をデジタルデバイスに依存している傾向がみられるという。
一方、Kaspersky Labと独ヴュルツブルク大学、英ノッティンガム・トレント大学が共同で行った調査では、19~56歳の95人を対象として、スマートフォンを作業机の上に置いた状態、スマートフォンをポケットやカバンに入れた状態、施錠した箱に入れ机上に置いた状態、部屋の外に出した状態という4つの異なる状況下で、参加者の生産性を比較している。その結果、スマートフォンを作業机に置いた時に最も点数が低く、参加者とスマートフォンの距離が離れるほど点数が上がり、スマートフォンを部屋の外に出した状態では作業机の上に置いた時よりも生産性が26%向上した。
Kasperskyの中小企業向けビジネス部門マーケティング部長、ウラジーミル・ザポリャンスキー(Vladimir Zapolyansky)氏は、この結果を受けて以下のように提案している。
「常にスマートフォンを使えるようにするのではなく、『スマートフォンなしの時間帯』を設けた方が仕事の生産性は向上するかもしれません。また、企業は日常的にインターネットを利用するビジネス環境で、集中力の低下がセキュリティの問題となり得るという認識が必要です。たとえば、通常とは違う内容の電子メールが突然送られてきた場合に、社員が警戒していれば、標的型攻撃に気づくかもしれません。企業はトレーニングを実施するなど、社員の警戒意識を高めておくことを推奨します」
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