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【国際】

陸自宿営地 隣で銃撃戦 南スーダンPKO 参加要件に疑問も

16日、南スーダンの首都ジュバで、7月に反政府勢力が立てこもり、砲弾で外壁に穴が開いたビル=共同

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 【ジュバ=共同】南スーダンの首都ジュバで七月に大規模な戦闘が発生した際、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地の隣にあるビルで二日間にわたり銃撃戦が起きていたことが分かった。南スーダン政府軍のルアイ報道官が十六日、共同通信に現場を公開した。 

 南スーダンPKOへの日本の参加を巡っては、停戦合意などPKO参加五原則は満たされているのか疑問の声が上がっている。安全保障関連法の成立から十九日で一年。同関連法に基づく駆け付け警護など新任務の付与について日本政府が検討する中、PKO参加の是非が改めて問われそうだ。

 陸自は、宿営地内で流れ弾とみられる弾頭が見つかったことは発表済みだが、周辺での戦闘の詳細は明らかにしていなかった。

 ルアイ報道官によると、銃撃戦があったのは七月十日から十一日にかけて。建設中のビルに立てこもった反政府勢力約二十人と政府軍の間で断続的に続き、政府軍の二人が死亡した。

 ビルから宿営地までは約百メートル。報道官は七階建てビルの五階付近に記者を案内し「反政府側はここから狙撃を繰り返した」と説明した。五階からは政府軍本部につながる道路や陸自宿営地が見渡せた。ビルの外壁には砲弾痕が確認できた。

 反政府勢力は宿営地の近くにある空港の占拠を狙っていたもよう。宿営地は標的にならなかったという。

 ルアイ報道官は「反政府側は弾薬を使い果たした後、武器を捨ててPKO施設内の避難民キャンプに逃げた」と述べた。銃撃戦があった七月当時、陸自宿営地があるPKO施設内にはキャンプが設営され、戦闘により家を追われたジュバ市民を受け入れていた。

 七月の戦闘では首都で二百七十人以上が死亡した。陸自隊員にけがはなかった。菅義偉官房長官は「武力紛争が発生したとは考えていない」との認識を示していた。

 

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