フレームレートが、24p、30pと複数あって、
しかも「30p」っていうのに実際は毎秒30コマではなく29.97。
訳が分からなくて不思議ですよね?
自分もむかーし大学で習った記憶はあるのですが、ちょっと再勉強がてら調べてみました。
一部想定が入ってますのであしからず。
まず、大元は映画の映写機・フイルムムービーカメラからきてます。
フイルムが24コマ/秒というのは知ってますよね。
なんでこの数字の設計になったかというと、人間がチカチカと点滅する光を見たときに、
「ちらつき」を感じる限界値が30 Hz から 60 Hz の間だかららしいです。
ちなみに蛍光灯は交流電源(東日本で50Hz)の2倍の回数(100Hz)で『点滅」してます。
蛍光灯は点滅ではなく点灯しているように見えますよね? 点滅が充分早いためです。
蛍光灯は点滅ではなく点灯しているように見えますよね? 点滅が充分早いためです。
点滅はあるスピードを超えると、点滅を感知できなくなり、点灯しているように見えます。
この限界の周波数を、「臨界融合周波数」 (critical fusion frequency; CFF) といい、この周波数は明るさで変化するので、暗いほど点滅回数が少なくてもちらつきは感じないそうです。
明るいと点滅回数が多くないと点灯してるようには見えない。
この限界の周波数を、「臨界融合周波数」 (critical fusion frequency; CFF) といい、この周波数は明るさで変化するので、暗いほど点滅回数が少なくてもちらつきは感じないそうです。
明るいと点滅回数が多くないと点灯してるようには見えない。
さて、フイルムの撮影時は半分のコマ数/秒で撮影し、映写時に同じコマを2回見せてます。
つまり1コマで2回明滅して1コマ送る。
元は24コマ/秒なのに再生時は2倍の48回/秒チカチカさせています。
元は24コマ/秒なのに再生時は2倍の48回/秒チカチカさせています。
16コマ/秒あれば、2倍で30点滅/秒になり、ちらつきを感じる30Hzを超えられるので、
サイレント時代は16コマ/秒だったらしいんですけども
トーキーの時代になってフイルムの端のサウンドトラックに同時録音される『音質』を確保するために
16コマ→24コマに変更されたのだそうです(知らなかった(汗))。
フイルムの走行スピードが遅いと、映像ではなく音質が悪かったらしい。
映像のなめらかさとか画質ではなく、実は音質の確保の為に24コマになった。
で、その後テレビ・ビデオが登場。
当時のテレビのブラウン管の水平走査発振信号は電源周波数の整数倍でないと安定せず、
元々はアメリカ電源周波数の60Hzに合わせて設計したらしい。
テレビ画面を60回/秒で書き換えるのは搬送波の周波数帯域が足りず、
半分の30コマ/秒で済ませることにした。
ところがブラウン管の電子ビームは、電子ビームの当たっている1点のみしか発光せず、
30コマ/秒だと画面上部の発光時間が持たずに暗くなってしまう。
当時のテレビのブラウン管の水平走査発振信号は電源周波数の整数倍でないと安定せず、
元々はアメリカ電源周波数の60Hzに合わせて設計したらしい。
テレビ画面を60回/秒で書き換えるのは搬送波の周波数帯域が足りず、
半分の30コマ/秒で済ませることにした。
ところがブラウン管の電子ビームは、電子ビームの当たっている1点のみしか発光せず、
30コマ/秒だと画面上部の発光時間が持たずに暗くなってしまう。
そこで画面の書き換えは、走査線の上から順に一列づつ書き換えていくのではなく、
まず初めの1/60秒で奇数列を書き換え、その後の1/60秒で偶数列を書き換えるという
インタレース(飛び越し走査)方式が取られたんだそうな。
(結局、足りない周波数帯域と、ブラウン管の短い発光時間という2つの解決策なんですな)
インタレース(飛び越し走査)方式が取られたんだそうな。
(結局、足りない周波数帯域と、ブラウン管の短い発光時間という2つの解決策なんですな)
これで映画のように30コマ/秒のデータ量で、60回/秒のちらつきになりました。
なので、モノクロの時代は、29.97fpsではなく、ちょうど30fpsで放送してたみたいです。
ちなみに上記のインタレースは頭文字の「i」をとって、30iとか表現されます。ところがその後、カラーテレビの時代がやってきたが、カラーのRGB3色をそのまま送ると3倍の帯域がかかってしまう。モノクロと同じ周波数帯域の電波を使ってカラーも送ることができないか?
そこでカラー映像のデータをRGBの3データではなくて、輝度信号と色信号の2データで表現し、周波数帯域は同じままで、搬送波と副搬送波で位相が干渉しないように重ねて送る(周波数インタリーブ)という方法で解決した。
この辺、難しいので肝心な所を飛ばしますが、この方式で、音声搬送波との干渉を最も抑える数値が
29.97fpsだったようです(下記詳しいです)。
さらにその後、パソコンのモニタが登場。上記のインタレース(飛び越し走査)方式の弱点は、
次のコマとオーバーラップするような形になるため、動く映像はなめらかでいいんですが、
固定の映像の場合は、細かいフォーカス感が悪い。
固定の映像の場合は、細かいフォーカス感が悪い。
昔のインタレース方式のテレビでパソコンの画面を表示させると、文字がつぶれて読めないです。
なので細かい視認性が重要なPCモニタは上から一列づつ順番に書き換えるプログレッシブ(順次走査)方式が採用されました。
デジタル一眼は元々写真用なのでCMOSのラインを順次走査(プログレッシブ)で読みだす方式が最初に採用されたらしい。このプログレッシブのPが30pのPです(30frames/s progressive)。
さて、ここからは余談になりますが、
29.97fpsで処理する場合、別な問題が発生します。タイムコードです。
通常、タイムコードは、1コマごとに時刻とフレーム数が記録されます。
00:02:43.29 は、時:分:秒.フレーム数 なのですが、
29.97fpsという、中途半端なフレームレートは、コマ単位に時刻を入れるとズレていきます。
(30fpsの頃はちょうどなのでズレが無かった。)
なので、時刻調整するために一定時間ごとにタイムコードの打刻を飛ばします(ドロップフレーム方式)。
00:02:59.28 → 00:02:59.29 → 00:03:00.02 → 00:03:00.03
(30fpsの頃はちょうどなのでズレが無かった。)
なので、時刻調整するために一定時間ごとにタイムコードの打刻を飛ばします(ドロップフレーム方式)。
00:02:59.28 → 00:02:59.29 → 00:03:00.02 → 00:03:00.03
ただ、これだと若干飛ばし過ぎになるので、
この方式をドロップフレーム方式といい、
逆に全体としてタイムコードを飛ばさないのをノンドロップフレーム方式 という。
なので、ドロップフレーム方式でタイムコードが入った映像を編集する際、
ちょうど1分目のコマを探しても、00:01:00.00 は存在しませぬ。
(昔これでとても悩んだ気がする。)
以前はCM素材なんかはノンドロップフレーム方式でしたが
・・・今回文字ばかりで申し訳ないです(誰かマトモに読むんだろうか・・・?)
60分のうち「0・10・20・30・40・50分」は打刻飛ばしを実施しないで
普通にカウントして帳尻をあわせる。
普通にカウントして帳尻をあわせる。
この方式をドロップフレーム方式といい、
逆に全体としてタイムコードを飛ばさないのをノンドロップフレーム方式 という。
なので、ドロップフレーム方式でタイムコードが入った映像を編集する際、
ちょうど1分目のコマを探しても、00:01:00.00 は存在しませぬ。
(昔これでとても悩んだ気がする。)
以前はCM素材なんかはノンドロップフレーム方式でしたが
ファイルベース時代になり、最近CM搬入暫定基準でドロップフレーム方式になったようです。
>フイルム代がかかったりフイルムの掻き落としのスピードの問題やらで
諸説ありますが、表現的な理由も重要かと思います。24の適度なパラパラ感が映画独特の表現として好まれているのです。(テレビドラマと映画のように、滑らかな映像が必ずしも良いわけではありません)