蘇る「陸軍中野学校」…来年度から富士に情報学校を新設
いわば情報のスペシャリストの養成機関で、戦前の陸軍中野学校をイメージする人もいるだろう。映画「陸軍中野学校」(1966年)では市川雷蔵が任務のため恋人も毒殺するニヒルなスパイを演じたが……。
「いまは電子スパイの時代。昔の映画の世界とは異なりますが、情報収集の背後に危険が潜んでいるのは今も昔も同じです」とは軍事評論家の前田哲男氏だ。
「考えられるのはネット情報をチェックして、自衛隊が自分たちの意に沿わない市民の情報をチェック、監視すること。エドワード・スノーデンの報告によって、米CIAが個人情報を監視していたことが明らかになったし、仏政府はテロ事件を受けて盗聴を合法化しました。日本でも2007年に仙台市の市民活動家ら107人が、自衛隊の情報保全隊の監視活動によって精神的苦痛を受けたとして裁判を起こしています。陸自の情報学校は“電子版の中野学校”になる可能性が極めて高いのです。われわれ国民は防衛省に通信の秘密を侵される危険があることを肝に銘じなければなりません」
戦争に反対しただけで官憲に投獄・拷問を受ける時代が来るかもしれない。