南スーダンの子ども支援を、内戦激化で 京都出身のユニセフ職員
内戦が再び激化している南スーダンで国連児童基金(ユニセフ)職員として活動する幸村真希さん(31)=京都市左京区出身=がこのほど一時帰国した。現状について「停戦後に解放が進んでいた子ども兵士の数がまた増えつつある。国内の栄養状態も厳しく、国際社会のさらなる支援が必要」と訴えた。
南スーダンは2011年7月、長い紛争の末にスーダンから独立したが、13年12月に政府軍と反政府勢力の間で武力衝突が勃発(ぼっぱつ)。今年に入り停戦合意したが、7月に再び激化。国内避難民の子どもは約90万人に上り、数万人が生命の危機にひんしているという。
幸村さんは昨年6月に首都ジュバにモニタリング・評価担当官として着任。総勢約320人の現地事務所で支援計画や報告書作成に従事していた。しかし治安情勢の悪化で今年7月、ケニアのナイロビに退避を迫られた。
「長い紛争で社会インフラも人材も育てられなかったが、やっと国づくりに取り組める兆しが出てきたので、内戦の再燃は残念」と話す。特に、1万6千~1万7千人いるといわれる子ども兵を解放するように働き掛け、保護したり家族の元に返したりする取り組みを続けてきたが、「また逆戻りしてしまう」と危機感を募らせる。
食糧不足も深刻さを増し、5歳未満では約36万人が重度の栄養不良で飢餓の危機にあるという。「緊急用のピーナツバターを配布しているが、事態の悪化が想定を超えている」と表情を曇らせる。
幸村さんは11~12年にも、NGO職員として同国の「洪水になれば土地が沼になるような」村に滞在した。「当時人々が独立を喜び、国歌を誇らしげに歌っていた光景が忘れられない。理不尽なこと、思うようにいかないことも多いが、子どもには罪はない。現地のスタッフと共にまた働きたい」。今月18日には再び南スーダンに戻る予定だ。
【 2016年09月17日 19時43分 】