出版案内
福祉事業団
47NEWS

南スーダンの子ども支援を、内戦激化で 京都出身のユニセフ職員

南スーダンへの支援の必要性を訴える幸村真希さん(京都市中京区)
南スーダンへの支援の必要性を訴える幸村真希さん(京都市中京区)

 内戦が再び激化している南スーダンで国連児童基金(ユニセフ)職員として活動する幸村真希さん(31)=京都市左京区出身=がこのほど一時帰国した。現状について「停戦後に解放が進んでいた子ども兵士の数がまた増えつつある。国内の栄養状態も厳しく、国際社会のさらなる支援が必要」と訴えた。

 南スーダンは2011年7月、長い紛争の末にスーダンから独立したが、13年12月に政府軍と反政府勢力の間で武力衝突が勃発(ぼっぱつ)。今年に入り停戦合意したが、7月に再び激化。国内避難民の子どもは約90万人に上り、数万人が生命の危機にひんしているという。

 幸村さんは昨年6月に首都ジュバにモニタリング・評価担当官として着任。総勢約320人の現地事務所で支援計画や報告書作成に従事していた。しかし治安情勢の悪化で今年7月、ケニアのナイロビに退避を迫られた。

 「長い紛争で社会インフラも人材も育てられなかったが、やっと国づくりに取り組める兆しが出てきたので、内戦の再燃は残念」と話す。特に、1万6千~1万7千人いるといわれる子ども兵を解放するように働き掛け、保護したり家族の元に返したりする取り組みを続けてきたが、「また逆戻りしてしまう」と危機感を募らせる。

 食糧不足も深刻さを増し、5歳未満では約36万人が重度の栄養不良で飢餓の危機にあるという。「緊急用のピーナツバターを配布しているが、事態の悪化が想定を超えている」と表情を曇らせる。

 幸村さんは11~12年にも、NGO職員として同国の「洪水になれば土地が沼になるような」村に滞在した。「当時人々が独立を喜び、国歌を誇らしげに歌っていた光景が忘れられない。理不尽なこと、思うようにいかないことも多いが、子どもには罪はない。現地のスタッフと共にまた働きたい」。今月18日には再び南スーダンに戻る予定だ。

【 2016年09月17日 19時43分 】

ニュース写真

  • 南スーダンへの支援の必要性を訴える幸村真希さん(京都市中京区)
京都新聞デジタル版のご案内

    観光・社寺のニュース

      政治・社会

      放火から街を守れ 京都市消防局、対策にコンサルタント養成

      20160918000101

       京都市消防局の「放火対策コンサルタント」養成講座が18日、南区の市消防活動総合センター..... [ 記事へ ]

      スポーツ

      サッカー、武藤が途中出場で得点
      ドイツ1部リーグ

      20160919000004

       【アウクスブルク(ドイツ)共同】サッカーのドイツ1部リーグで18日、武藤嘉紀のマインツ..... [ 記事へ ]

      経済

      若きアニメーター、京都で支援 NPO設立、プロアマ交流促す

      20160918000106

       アニメ制作者を目指す若者たちを支援するNPO法人「若年層のアニメ制作者を応援する会(A..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      政治や経済、実際に参加が大切 京都で主権者教育シンポ

      20160918000056

       中高生らを対象にした主権者教育について考えるシンポジウムが17日、京都市左京区の京都大..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      琵琶湖の外来「藻」、瀬田川にも 滋賀、セタシジミ壊滅的被害 

      20160918000123

       琵琶湖で大量繁茂が問題になっている外来水草が、瀬田川にも生育範囲を広げている。だが、滋..... [ 記事へ ]

      国際

      中国遼寧省、議員7割を摘発
      不正で資格停止、異例事態

      20160918000103

       【北京共同】中国遼寧省の人民代表大会(省議会)は18日までに、国会議員に当たる全国人民..... [ 記事へ ]