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 旧満州国の首都「新京特別市」だった中国東北部・吉林省長春市の旧日本人街が、2015年に取り壊されるまでの10年間を追った写真展「長春(ちょうしゅん)2006―2015」が22日、大阪ニコンサロン(大阪市北区梅田2丁目)で始まる。本社映像報道部の筋野健太記者(36)がポジフィルムで撮影した1万枚超の写真から、約50枚を選んだ。

 05年に休暇で長春市を訪れた際、渋滞を避けて入った路地裏でれんが造りの建物が並ぶ街並みに出会った。「タイムスリップしたような感覚」に襲われた。

 かつて旧満州国の首都として栄えた「新京」の日本人街。市内数カ所にあったとされるが、残っているのは70軒ほどの商店や住宅が並ぶここだけだった。だが、第2次世界大戦後、移住してきた中国人が住むこの街にも、経済成長に伴う再開発の波が迫っていた。「失われゆく街の記録を残さなければ」と、撮影を始めた。

 尖閣問題で反日感情が高まって…

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