福家司
2016年9月18日03時00分
シベリア抑留・引き揚げ関連資料のユネスコ世界記憶遺産登録1周年を記念して、舞鶴市による資料の全国巡回展が17日、神奈川県横須賀市で始まった。舞鶴市は引き揚げの史実と平和への願いを全国に発信するため、引き揚げ港のあった約10都市で順次開催することを計画している。横須賀市での巡回展は25日まで。
会場となったイオン横須賀店には、記憶遺産に登録された「白樺(しらかば)日誌」や抑留体験画のレプリカなど約120点を展示。横須賀市も共催し、地域おこし団体「中島三郎助と遊ぶ会」も写真やパネル約50点を展示。地元の浦賀港には中国南部やフィリピンなどから56万人の引き揚げ者を受け入れており、引き揚げ船内でコレラの検疫をする様子を紹介する写真などもある。
同会の大内透会長(70)は「こうした機会をいただき、ありがたい。浦賀には舞鶴と異なり、南方から短期間に集中して引き揚げ者があった」と話した。会場を訪れた舞鶴市の多々見良三市長は「コレラの流行など、引き揚げには様々なケースがあった。今後の巡回展でも抑留、引き揚げの歴史の多様性を知ってもらえれば」と話していた。
今年4月、旧海軍の鎮守府があった舞鶴、横須賀、呉、佐世保の4市の歴史が「日本遺産」に認定された縁で、今年度の巡回展は呉と佐世保でも予定される。横須賀市の吉田雄人市長は「第1回の場に選んでいただき光栄。歴史を引き継ぎながら観光客も誘致できるよう連携を深めたい」と話した。(福家司)
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