五月女菜穂
2016年9月16日03時00分
南丹市を中心に活動する河鹿(かじか)合唱団が24日、府立文化芸術会館(上京区)で創立70周年を記念したコンサートを開く。同合唱団は戦後、舞鶴港から列車で故郷へ向かう復員兵らに山陰線の園部駅で童謡を歌って慰問したサークル「プランタングリー」がルーツ。市民らが歴史を脈々と受け継いできた。
今回のコンサートは4部構成。「時の流れに身をまかせ」(荒木とよひさ作詞、三木たかし作曲)や「ドラえもんのうた」(楠部工作詞、ばばすすむ補作詞、菊池俊輔作曲)といった耳なじみのある曲のほか、丹波の四季を歌った混声合唱組曲など約20曲を披露する。指揮を務める長岡京市の阪正規さん(62)は「心が休まるような音楽で、心地よい場を与えられたら」と話す。
1966年6月1日付の朝日新聞「声」欄には、シベリアで捕虜となり、1947年6月にシベリアから舞鶴港に引き揚げた男性の投稿が掲載された。「東舞鶴から京都までの停車駅、綾部、園部ではエプロンをかけた女の人たちから湯茶を接待されたり、少年少女たちの合唱を聞いたり、扇子や本などをもらったときは目頭が熱くなった」
当時から所属する団員はもうい…
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