【コラム】日本政府の拠出金10億円は恥ずかしいカネなのか

 慰安婦問題における法的賠償は韓国が成し遂げるべき目標だと信じている。何よりもまず元慰安婦がそう望んでいる。長い間彼女たちを支援し、慰安婦問題を世界的な女性の人権問題として取り上げた支持者たちも望んでいる。そうした人々の意志は絶対に尊重されなければならない。だが、法的賠償でないという理由で、すべてを恥ずかしいと考えてはならない。20年前のアジア女性基金にも日本国民の真心が込められていた。そうでなければ、あれだけ多くの人々が募金に協力することはなかっただろう。彼らの募金はほぼ同時期、韓国で集まった元慰安婦への募金の数倍に達した。この時日本国民が基金側に金と一緒に送った謝罪の手紙は今でもインターネット上で見ることができる。それに対して「人間の尊厳と名誉を毀損するもの」と言われては、その善意の人々も傷付くのではないだろうか。

 法的賠償は簡単なことではない。最も理想的な当事国での賠償判決は残念ながら不可能になった。日本の法廷はこれまで元慰安婦の賠償請求訴訟をすべて棄却している。日本の過ちを否定したからではない。時効など法律上の制限に阻まれたのだ。勝算がなかった米国での訴訟は、韓国側弁護士の怠慢で棄却された。そのあきれて物が言えないような出来事の経緯が先月10日、金徳翰(キム・ドクハン)本紙ニューヨーク特派員のコラムに書かれている。こうした状況で賠償を実現させるには、日本の国会が特別法を作る方法しかない。元慰安婦団体はこれを要求している。しかし、戦後の日本の政治的基盤から見て実現の可能性はない。元慰安婦が存命中にこの基盤が変わる可能性もほぼない。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】日本政府の拠出金10億円は恥ずかしいカネなのか

right

関連ニュース