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【ソウルからヨボセヨ】
地震発生し「魂飛魄散」! 地震先進国・日本に学べムード高まる
先日、韓国で珍しく地震が起きたとき、新聞に「ホンビペクサン」という言葉が出ていた。聞いたことがないので辞書を調べたところ漢字では「魂飛魄散」と書く。意味は「非常に驚いて肝をつぶすこと」だという。地震の経験がほとんどない韓国人には、あの地震はそんな感じだったらしい。こういう時はやはり漢字語が迫力がある。
今回の地震は、南東部の古都・慶州が震源地だったがマグニチュード5・8にしては被害は少なかった。建物被害はあったものの死者はなく、幸い遺跡・史跡への被害も少なく「古都崩壊」は免れた。ただこれまで地震のない国と安心し、それがどこか“対日優位感”にもなっていたのだが、安心できなくなった。
原因について街では大地震頻発の「日本の影響」や「北朝鮮の核実験のせい」など素人談議が盛んだが、早速、安全対策など官民挙げて地震先進国の「日本に学べ」のムードになっている。
韓国は山がなだらかで台風もあまりこないし自然は実におだやかだ。だから日ごろの備えはいまいちなのだが、今回、東アジアの地図をながめて分かった。過去、30万人もの死者が出た中国の唐山地震の「唐山」など朝鮮半島のすぐ西にあるではないか。韓国人にとって地震も人ごとではなくなった。(黒田勝弘)