ポル・ポト政権の罪問う特別法廷で日本人専門家が証言

ポル・ポト政権の罪問う特別法廷で日本人専門家が証言
カンボジアで1970年代に虐殺や強制労働などによって、170万人以上の命を奪ったポル・ポト政権の罪を問う特別法廷で、初めて日本人の専門家が法廷に立ち、当時、一般の男女が強制的に結婚させられていた実態について、現地での調査結果を証言しました。
カンボジアでは1970年代後半、ポル・ポト政権による虐殺や強制労働などによって、当時の国民の5分の1にあたる170万人以上が死亡し、国連とカンボジア政府が政権の罪を問う特別法廷を設置しています。

13日の審理では、当時、一般の男女が強制的に結婚させられていた実態について、現地の大学で教べんを執りながら、この問題の調査にあたってきた中川香須美さんが日本人としては初めて法廷に立ち、証言しました。この中で、中川さんは、こうした結婚が数百人の単位で集団で行われていたことや殺されることをおそれて誰も拒否することができなかったことなど、実態の把握されていない強制結婚に関する聞き取り調査の結果を説明しました。

カンボジアの特別法廷では今も政権の元最高幹部2人に対する裁判が続いていますが、法廷の設置からすでに10年がたつなか、どこまで真相を究明できるのか、課題も指摘されています。中川さんは「裁判所にはぜひ、きちんとした証拠を集めて、100年後にカンボジア人が見てもわかるように、歴史的な記録として残してほしい」と話していました。