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 満州事変のきっかけとなった柳条湖事件から85年となった18日、中国遼寧省瀋陽市の「九・一八歴史博物館」で記念式典があった。中央政府からは劉延東副首相が出席。周辺の警備は例年より強化され、厳戒態勢のなかで式典が実施された。市内で反日デモは見られなかった。

 式典では事件の日にちなんで午前9時18分に劉副首相らが鐘を鳴らし、防空警報のサイレンが鳴り響いた。劉副首相は「習近平(シーチンピン)同志のもと緊密に団結し、偉大な愛国主義と抗日戦争の精神を発揚しよう」などと演説した。

 会場周辺には多くの市民が集まったが、今年は博物館沿いの大通りへの立ち入りが禁止された。「市民に見せないぐらいなら、日本に博物館を破壊させてしまえばいい」と警備担当者に不満をぶつける高齢女性もいた。(瀋陽=平賀拓哉)