事前認識
『アベンジャーズ』のメンバーが、「キャプテン・アメリカ」チームと「アイアンマン」チームに分かれて戦うらしい。
事実上、『アベンジャーズ3』だ。
とはいえ個人的には、『アベンジャーズ』過去2作より、『キャプテンアメリカ』過去2作のほうが好みなので、『キャプテンアメリカ』の3作目、と位置づけられていることに、期待感。
が、この作品群は、内輪ネタ、内輪もめ、内輪責任、が多くて、「おまえらがいなければ世界はもっと平和に……」なんて思いも、なきにしもあらず。
『ソー』のモデル、北欧の荒ぶる神々のように、その存在はけっして完全な善ではない、と解釈したほうがいいのかなあ。
こんな話でしょ? 的な予想(観る前に描いてます)
お祭りムービーだと認識してるので、こういうのでいいのだ。
さあ観てみよう。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ネタバレ感想、実況風
ストーリーはざっくり書くので、作中にはいるのに、ここにはいなかったりするが、ご了承を。
いうまれもなく、ぼんやり人間なので事実誤認はあって当然の体でご覧ください。
全四章構成と解釈。
第一幕:対立構図ができるまで
オープニングは、前作の敵、ウィンターソルジャーが生きてた、ってシーン。
こいつ好きだったからうれしい。
かつてはキャプテンの友だったけど、いまのところ悪のままっぽい。
どのタイミングで、どうお仲間になるのかしら。なるんだよね?
*
キャプテンアメリカ&仲間達が、任務でテロリストと戦ってる場面へ。
アメコミ映画を観てるといつも気になるのが、キャラごとの、能力のアンバランス、不公平感。
がんばれ、ブラックウィドウ!(貧弱イメージ)
おお、肉弾戦に重量感があってよい。
あ、一般人に甚大な被害が……。
でも、これまでも世間に大迷惑をかけてきたアベンジャーズだしな、スルーすべきか?
*
ところ変わって、社長(アイアンマンことトニー・スターク)登場。なんか講演してる。
彼は、「あんたがいなければこの世はもっと平和だったかも感」の代表格。はた迷惑なヒーロー、ってイメージ。
あ、ちゃんとその辺を責められてる。うん、そうじゃないとね。
*
アベンジャーズ一同が会議してる場面へ。
「国連の支配下に入れ」と提案されてる模様。
アベンジャーズは「独りよがりの自警団」だと世界から不安視されてるらしい。
今作は「はた迷惑なヒーロー」っていう、ある意味で「ネタ感」のある問題に向き合うようだ。
入ればいいじゃん、と私は思うのだが、悩む一同。
アメリカ人は自由が好きだもんね。
ここでさっそくアベンジャーズ一派が割れる!
「支配下に入るべき派」に、まさかの社長!(まあ、一番迷惑かけてきたキャラだもんな)
「支配下に入らない派」に、キャプテン!(権力に利用されてきた人生だもんね)
でもこの程度では、対立軸があまりくっきりしない印象。
ライバル作品ともいえる『スーパーマンvsバットマン』もそんな感じだったなあ。
赤(社長)チーム:現実主義、妥協的
青(キャプテン)チーム:理想主義、潔癖的
こんなイメージで。
第二幕:対立の明確化
テロ発生。
ウィンターソルジャー(以下、ウィンで)が主犯。
ええっ……、ここまで被害が出たら、仲間になれないよ……。
俺はやってないと主張するウィン。
無実、もしくは前作につづいての、洗脳状態のせいかな? 洗脳が理由なら、洗脳が解ければ許される、……のかなあ。
彼をかばうキャプテンサイドと、捕らえようとする体制側の社長サイドの争い、という構図が加わるのかな、それはわかりやすい。
新キャラでてきた。キャットウーマンっぽい男。
猫女男。(正式にはブラックパンサーっいうらしい)
逃げるウィン、守るキャプテン、追っかける猫女男。
カーチェイスシーン、アクションの構図が、迫力あるカメラワークでありつつ、位置関係がわかりやすくて、とても好み。
あ、キャプテンとウィン、体制側に捕まった。
*
社長の説得で、国連支配下に入ることに理解を示すキャプテン。
が、速攻で社長と口げんかして、決裂。
おい!
(ちょいちょい、悪者が悪事の計画を進めてるっぽいシーンが入る。赤チームと青チームが、対立からの共闘、って流れにするための、物語上の準備かな?)
ウィン、洗脳効果復活、敵となって逃走。
……こりゃあ、テロも彼の仕業だったのかなあ。
ウィンを止めようと片手だけアイアンマン化する社長。
いいね、無敵な感じじゃないのが。
ヘリで逃げようとするウィンを、力尽くで抑えるキャプテン。
筋肉すごい! 見せ場!
ウィン、逃亡失敗? あ、捕まえたのがキャプテンで、キャプテンは体制側に入るつもりはないから、ともに逃亡する模様。
今作は、洗脳が残るウィンターソルジャーとキャプテンアメリカの、70年ぶりくらい(?)の友情復活の物語かな?
『アベンジャーズ3』ではなく、『キャプテン・アメリカ3』である理由を理解。
*
ウィンターソルジャー的なやつ(悪の強化戦士)はほかにもいるという情報が。こいつらの復活(?)を急いで止めねば、的な流れ。
第三幕:精神的な対立が、物理的な対立へと発展
キャプテン→急がねば! 自由に動ける青チームのみで行こう!
社長→青チームを抑えろ、って命令されたから、赤チームで出動だ!
全150分のうち、時間は半分を経過。下準備は十分、ここからが物語の本番かな。
*
青、赤、それぞれ仲間をリクルート&集結させる。
うおっ、シリーズ初参戦のスパイダーマン登場!
な、なんかオタキャラ風だ。
赤チームに勧誘する社長、彼の衣装を「レオタード」って言ってる。ごもっとも!(笑)
やっぱヒーローの格好は、ちゃんとつっこんでほしよね、「それ、かっこいいと思ってる?」って。
スパイダーマン→赤チーム加入。
わわっ、アントマンも参戦するんだ?
アントマン→青チーム加入。
なんかわくわくしてきた。「祭りの前」感。
*
青チームと赤チーム、接触!
行きたい青vs止めたい赤。6対6くらいかな。
全面対決、大バトルシーンが開幕!
うわぁあああ、れぞれの能力が生きてて、アクションシーンが面白い!
クロスオーバー作品は、じつはやや反対派だけど、これはとてもいい! 楽しい!
オタっぽいスパイダーマンと脳天気なアントマンのせいで、いい意味で緊張感がない。(笑)
アントマン、まさかの必殺技! この作品で使うのがもったいないネタだよ!『アントマン2』とかで使うべきじゃないの?
これだけたくさんのキャラが乱戦してるのに、間とか位置関係に疑問を感じない。すばらしい!
DCとは違うなあ。
(DC派の方、ごめんなさい。でも直前に観た『スーサイド・スクワッド』が……)
ふう、マジ楽しいバトルでした。
今回の見所、「アベンジャーズの対立」について、見る前は、「話し合いで解決しろよ」って冷ややかな気持ちでいたんだけど、これだけコミカルにやってくれたら、うん、殴りあいでかたをつけろ、って感じで受け入れられる。
キャップテンとウィン、なんとか脱出、目的地へ向かう。
*
ああ……、もう満足だわ。
あとは、青チームが、強化戦士の復活を止められそうで止められなくて、赤チームと共闘で倒す、って展開でハッピーエンドでしょ!
あれっ? 赤チームのひとりが、致命傷を負ってた。対立構図に、思想だけでなく、感情的な軋轢も生まれてしまう感じ。
大丈夫か、ハッピーエンドの邪魔にならないか? 社長の技術でサイボーグ化、大復活、って流れかな。
第四幕:物語の結末
社長、情報によりウィンの無実を知る。
青チームと赤チームの対立理由が減った。
うん、洗脳状態という言い訳があるとはいえ、やってなくてよかった。
極寒の地で眠ってるらしい5人の強化戦士。彼らを目覚めさせようとしてるのが、今作の敵らしい。
目的の施設に到着したキャプテンとウィン。
社長も到着。
えっ、早くない? キャプテンのピンチで登場、でいいのでは? 隠れて待ってればいいのに。
→三人で止めに行くことに決定。
おや? 5人の強化戦士、死んでる……。
戸惑う3人。+1人(私)
敵が事情をほのめかす。
彼らをここにおびきよせることが目的だったのだ、的な。
おびきよせた理由は、アベンジャーズへの復讐。
といっても、彼は根っからの悪党ではなく、アベンジャーズの過剰な活躍によって、過去に被害を被り、家族を失った人間らしい。
ああ、やっぱり今作は、「あんたらがいなければ、世界はもっと平和だった問題」に向き合うストーリーだった。
*
でも敵さん、ひとりでどうやって戦うつもりなんだろ。
そもそも、こんな切ない設定の敵、倒してもハッピーじゃないぞ。
敵の目的は、「仲間割れ」をさせることだと判明。
なるほど。んじゃ青と赤に分裂したここまでの展開で、目的は達成された、ってことなんかな。でも、もう仲直りしちゃったよ?(笑)
敵さん、ウィンが過去に犯した罪の映像を見せる。薬品らしきものを強奪するため、年配の夫婦を惨殺するウィン。
激怒する社長→殴りあいに発展。
いやいや、そこは話し合いで解決しようよ。過去の、しかも洗脳されてるときの罪だもん。
えっ、社長が、「母の仇!」とか言ってる……。
ああっ、惨殺された夫婦、社長の両親か!(このタイミングで理解する私はアホ?)
洗脳時代のウィンが殺してた、って設定だったか。記憶にないな、ウィンじゃなくて私の記憶がやばいかも。
そりゃ怒るわ。この物語は、感情的な面で決定的な対立構図があったんだ。
……これ、共闘でラスボス倒してエンディング、って展開じゃないようだ。
どうやってしめるんだろ、ウィンの罪を知ってたキャプテンと、いま知った社長の対立が、むしろ深まっちゃったけど。
社長、二対一では分が悪すぎる、ノックアウト。
社長を置いて去っていくキャプテンとウィン。
決別、という結果に。
敵の計画通りだ。喜んでるわけじゃなさそうだけど。
*
あれ? おいおい、このままエンディングっぽいけど、どうまとめるんだ?
も、もしや……、ハッピーエンドじゃ、ないのか?
重たい話と見せかけて軽い話、と見せかけて、それなりに重いのかこれ。
決別したまま、お……、終わったぁああああ!
今回の話をまとめるなら、こうだ。
思想や主義だけでなく、感情面でも立ち位置は分かれた。
両方正義だけど、スタンスはことなる。だったら、それぞれにがんばろう。
感想まとめ
いったん分裂することによって、あらためて結束が強まる、って安易な話かと思ってたけど、ぜんぜん違った。
対立、分裂をたっぷり時間をかけて伝える話だった。
大きな物語の、途中経過にすぎない話。
単体の作品としては成立してないわけだけど、とても現実的な着地。
なれあいじゃない、本当にヒーロー同士が戦う物語だった。
個人的には、かなりよかった!
映像的な見せ場が、第四幕ではなく第三幕だったこととか、気になる部分はあったけど、話の流れが予想(超安易)と違ってたので、そこそこ長尺なのに、飽きずに観ていられた。
予想の1P漫画が恥ずかしい、消したい……。
ファンムービー的な馴れ合いストーリーだと舐めてかかっててスンマセン!
それにしても、アクションシーンがすっごくよかった。
迫力と見やすさの両立は、カメラワークと編集に相当こだわってる結果だと察する。
詳細はぜんぜん書かなかったけど、憎しみの連鎖を断ち切ったブラックパンサーが、もっとも大人なキャラだった。
猫女男、なんて呼んでスンマセン!
続編への期待
大きな物語の一部だから、続編を見ないわけにはいかないでしょう。
アクションがよかったから、監督のアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ兄弟には続投してほしい。
と思って調べたら、シリーズの本流ともいえる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の監督をやるってさ!
うれしい! 楽しみ! これも事前知識ナシでトライするぞ!
恥ずかしい予想漫画も描くかもね。
本作はサイト「Yahoo!映画」では現在、4.20 点(5.00満点、票数3682)
満足度は高め。イエス、納得!
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