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【大相撲】

最後の砦が隠岐の海止めた 豪栄道、唯一の7戦全勝

2016年9月18日 紙面から

隠岐の海を上手出し投げで下し、7連勝で単独トップに立った豪栄道(左)=両国国技館で(北村彰撮影)

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◇秋場所<7日目>

 (17日・両国国技館)

 かど番の大関豪栄道(30)=境川=が平幕隠岐の海(31)=八角=との全勝対決を右上手出し投げで制して、単独首位に立った。

 綱とりの大関稀勢の里は関脇宝富士を寄り切って2敗を保った。両横綱は日馬富士が妙義龍を上手投げで下して1敗を堅持。鶴竜は関脇高安に寄り倒されて3敗に後退した。高安は5勝2敗。

 かど番の大関琴奨菊が5勝目を挙げたが、大関照ノ富士は3敗目。

 無敗の豪栄道を1敗で日馬富士、隠岐の海、遠藤が追う。十両は阿武咲が7連勝で単独トップ。

◆ボクシング世界戦から刺激…オレも攻め抜く

 「重い地位ですよ」。大関の座を、そう表現するかど番の豪栄道が、出場の横綱大関全員撃破にリーチをかけた隠岐の海の前に立ちはだかった。ひたすら攻め立て、豪快な上手出し投げで返り討ち。快挙を阻止して取組後、支度部屋に戻ると目を見開いて「負けないと思っていった」と、誇りを示した。

 全勝を守った前日は、ボクシングのWBCダブル世界戦のテレビ中継にくぎ付けになった。「楽しい、激しい試合で興奮した。すごいねホンマ。あんな殴り合いのボクシングは、ホンマ見たことない」。壮絶な試合展開と会場の熱狂に触れ、攻めを貫く姿勢に火が付いた。

 朝稽古後は対戦相手を「ノッてる」と警戒したが、自身も土つかず。勢いのままぶつかり、鋭い寄りで追い詰めた。それでも「一気に勝負をつけたかったけど、慌てて出ると腰の柔らかい土俵際の投げがあるから」とカウンターを警戒。右上手をしっかり引いたまま、左の下手も探って“ジャブ”。相手の注意をそいで、慎重に仕留めてみせた。

 単独トップにも「先を考えると硬くなるから」と話すだけだが、注目の一番を見守った八角理事長(元横綱北勝海)は、大関の勢いを高く評価した。「あした勝ち越したら、色気を出していいと思いますよ。1つ余裕があるわけだから」と優勝争いにも言及。「横綱、大関戦まで全勝で」とリクエストも飛び出した。

 豪栄道本人は、かど番脱出王手にも「気にしない」ときっぱり。去り際の「(隠岐の海を)止めることができてよかった」の言葉通り、1日一番の集中力を武器に連勝街道を突っ走る。 (志村拓)

 

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