中国人に依存し過ぎの韓国観光業界、韓国人旅行客は海外へ

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 2日午後、ソウル・明洞にあるアクセサリー販売店。イスラエル人観光客のエリノルさん(39)が店頭の広告の前で困った表情を浮かべていた。そこには「30万ウォン(約2万8000円)以上ご購入でジュエリーボックスをプレゼント」と中国語で書いてあった。「イヤリングが見たい」と英語で話すと、中国人の店員は「ター・シュオ・シェンマ(何て言っているのかしら)?」と中国語で言って首をかしげた。エリノルさんは「いくら中国人観光客が多いからといって、これはひど過ぎるのではないか」と話した。周辺の化粧品店や靴店もほとんどが商品説明を中国語で掲示しており、店員も中国語を話す朝鮮族や中国人ばかりだ。

 今年上半期に韓国を訪れた中国人観光客は381万人。外国人観光客全体の47%を占めている。韓国の観光産業の中国人観光客への依存度は世界で最も高いレベルだ。2005年にはわずか12%だった。一方で昨年日本を訪れた外国人観光客のうち中国人の割合は25%だ。世界的な観光国家タイでは中国人観光客の割合は26%で、インドネシアとシンガポールはおよそ10%だった。

■中国一辺倒の観光業界、多様化が最重要課題

 免税店の中国人への依存度はもっと深刻だ。業界1位のロッテ免税店では、ソウル市内の3店舗の中国人による売り上げが2014年には71%で、今年上半期には78%を記録した。

 韓国観光公社は昨年、海外マーケティング費用134億ウォン(約12億4700万円)のうち33%に当たる45億ウォン(約4億1900万円)を中国市場につぎ込んだ。地方自治体や企業も同じだ。嶺南圏(慶尚道)のある地方自治体で地域の祭りを担当する関係者は「(中国は)韓国に近くて市場が大きいため、広報費用対効果が非常に高く、予算の少ない地方自治体としては中国市場にターゲットを絞るのが合理的な道」と話した。

チェ・ソンジン記者
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