Part 020 Microsoft 製品を使う上での注意事項など





 この Part は、どの Part にも属さない、注意事項を順不同に記載します。

 備忘録のために、記載しておきます。多くの調査により正しいと確信できた内容だと信じて記載するものですが、第3者の目にも触れるので、微妙な問題は明確にしていないことを付記しておきます。再読時に以上の言葉を思い出すよう、自身へのメッセージです。


この Part の目次
目   次 公開日 改定日 記   事
1 認証制限回数を超えた Microsoft Office 2013 のプロダクト IDを、有効な新しいキーに変更する  2014/01/04   新しくPart を追加しました。
2 Microsoft .NET Framework の入手方法 2014/01/14   新しくPart を追加しました。
   
     
     
     
     
     


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1章 認証制限回数を超えた Microsoft Office 2013 のプロダクト キー を、有効な新しいキーに変更する

 Microsoft と TechNet(MSDN も同様)の契約をしている人は、1つのプロダクト キーで Microsoft Office を、別々の環境に合計10回までインストールできます。この回数制限を越えると Microsoft の認証が得られず、いずれ使用できなくなるはずです。Office 2013 以前のバージョンでは、電話によるライセンス認証で解決できたのですが Office 2013 からは、この方法も使えません。

 Microsoft のライセンス認証窓口で相談すると、たとえ別の有効なIDプロダクト を持っていても、折角インストールした Office を削除し再インストールすることを奨められます。削除と再インストールで切り抜けた経験が10回近くありますが、最近4回削除と再インストールを繰り返しても、解決できない深刻な事態を経験しました。HD を交換した PC に Windows 7 Ultimate(x68) と Microsoft Office 2013 のインストールを試みた時の経験です。2013年12月時点で Windows 7 の Windows Update を全て完了するには、およそ6時間程度の時間がかかります。Windows 7 の削除と再インストールを行えば解決するのは確実ですが、この作業を繰り返す元気がありません。
 MSDN 事務局と長時間の相談を重ねた上で、この問題を解決するには、MSDN フォーラムを活用して自分で解決するか、技術サポートを受ける以外方法が無いとの結論を得、やむを得ず貴重なインシデントを添付して技術サポートを受けることになりました。
 正当な使用権利のある製品のインストールに係わる内容と云うことで、インシデントの消費は免れましたが、同じ苦労を繰り返さないために備忘録としてまとめ、公開します。

 ここで行う説明は、Microsoft Office 2013 の削除と再インストールを行わないで、新しいIDプロダクト を入力する方法です。この技術は、『Part 010 参考文献 No. 87 Office 2013 のボリューム ライセンス管理ツール』に基づいており、Microsoft の ”SN” さんに教えていただきました。
 この方法は、Windows 7 などのライセンス認証に比べるとコマンド プロンプト画面の作業が必要で、多少煩わしいのですが、折角インストールした Microsoft Office を削除し再インストールする作業に比べれば格段に手間が省けます。

 Microsoft Office をインストールした後、IDプロダクト の回数制限を越えていることが判った状況から脱出できない理由は、入力したIDプロダクト 情報をシステムが保持し、新たな変更入力を拒否しているからです。この状況から脱出するには、システムが保持しているIDプロダクト 情報を削除する必要があります。

 システムが保持するプロダクト キー の情報を削除する手順概要を次に示します。ただし次の2つのコマンドは、Office 2013 がインストールされているフォルダーに移動して実行する必要があります。

No. 使用するコマンド 説  明
Cscript ospp.vbs /dstatus このコマンドで削除対象を特定し、
識別情報 5文字を取得する。
Cscript ospp.vbs /unpkey:xxxxx  上のコマンドで取得した5文字を
左のコマンドの xxxxx 部分に入力し
システム保持情報を削除する。

 上の表の最初のコマンドは、あなたが入力した プロダクト キー が明確に判っている場合は不要です。その場合は入力したプロダクト キー の最後の5文字を2番目のコマンドで xxxxx の部分に入力してください。

 上の表の最初のコマンドで表示される情報から、削除対象を特定するためのキーワードを取得します。以下の説明を注意深く読み取ってください。

 -----------------------------------
          と
 -----------------------------------

 で挟まれた約10行のメッセージが1つのグループです。

 このメッセージから ”LICENSE NAME: Office 15, OfficeProPlusMSDNR_Retail edition”の文字列があるグループを探します。2014年1月現在 Microsoft から提供される Microsoft Office 2013 は、「Office Professional Plus 2013」だけなので、この文字列でグループを特定してください。
 なお、Visio Professional 2013 の場合は、”LICENSE NAME: Office 15, OfficeVisioProMSDNR_Retail edition”を探します。この場合も、2014年1月現在 Microsoft から提供される Visio 製品は、これ1つだけなので、この文字列でグループを特定してください。
 
 グループが特定できたら、”ERROR CODE: 0xC004F009”の文字列も確認しておきます。次に、グループ最後の次の文字列に注目します。”Last 5 characters of installed product key: CPMH3”
 この最後の 5文字が、上の表の2番目のコマンドで使用する識別子です。なおこの5文字は、あなたが入力したプロダクト ID の最後の5文字と同じです。

 なお、”LICENSE NAME: Office 15, OfficeProPlusR_Grace edition”の文字列も表示されていますね。この文字列中の ”Grace”は、一般ユーザー向けに(箱売りで)販売されている商品に付けられた愛称です。Last 5 characters of installed product key: 27GXM の最後の5文字は、全ての製品に埋め込まれた Grace 製品用の回数制限を超過した現実には無効なプロダクト ID の最後の5文字です。このように無効なIDプロダクト を予め埋め込むことで、正しいキーを入力するまでの間は、必ずエラー状態(認証されていない状態)になっています。
 これを別の観点から見ると、 Grace 製品と MSDN 製品の内容は完全に同一で、入力されたプロダクト ID により実質的な区分けが行われるのです。『 Grace 製品と MSDN 製品の内容は完全に同一』と断定しましたが、これは Microsoft の正式なアナウンスでは無く、私の推定であることを付記します。

 ERROR CODE: 0xC004F009 は、システムのライセンス認証手続き完了前に猶予期間が切れた場合に発生するエラーで、システムは機能制限モード (RFM) 状態です。
 またここで、TechNet は MSDN に包含されていることに注意してください。


 最後の5文字が同じでも、残りの20文字が違う有効なプロダクト キーも存在しますので、充分注意してください。




 以下の作業手順に従って作業を進めてください。

① Office 2013 を閉じます。

 あなたの現在の PC 画面は、次にようになっているはずです。



 上の図で「キャンセル」を選び、Office 2013 を閉じます。

② ospp.vbs スクリプトを利用します。

 IDプロダクト 情報をシステムから削除するには、Ospp.vbs スクリプトを使います。このスクリプトファイルは、下図の場所に有ります。



 上図の緑色枠で囲った部分は、64ビット OS の場合の OSPP.VBS のフォルダー情報です。32ビット OS の場合は、下のようになります。

      64ビット OS : C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\Office15
      32ビット OS : C:\Program Files\Microsoft Office\Office15

 OSPP.VBS を探すには、Windows 7 で有れば、「スタート」ボタンで表示される「プログラムとファイルの検索」ボックスにこの文字列を入力し、表示されるファイル名を右クリック→「ファイルの場所を開く」で上の図に到達します。

③ OSPP.VBS のアドレス情報をコピーします。

 上の図の緑枠部分を右クリックすると下の図が表示されます。



 上の図で赤枠部分を選ぶと OSPP.VBS ファイルのフォルダー情報がコピーできます。

④ コマンド プロンプトを管理者として開き、カレント フォルダーを移動します。

 OSPP.VBS スクリプトを使う作業は、管理者として開いたコマンド プロンプト画面で行います。キーボード入力作業を容易にするため、OSPP.VBS スクリプト ファイルが有るフォルダーに移動します。

 "CD" の後にブランク文字を入力し、さらに③でコピーしたフォルダー情報を貼り付けます。貼り付けは、コマンド プロンプト画面上で右クリックして表示されるメニューから「貼り付け」を選びます。続いて "Enter" キーを押してください。このときの状態を下図に示します。




 上の図で、赤線部分があなたが入力したコマンドです。この作業で、その次の業に示されるように、カレント フォルダーが移動します。


⑤ Cscript ospp.vbs /dstatus と入力しIDプロダクト のライセンス情報を表示します。

 実際に作業を行うエンジンは、Cscript.exe です。このエンジンは C:\Windows\System32 フォルダーに保存されているので、カレント フォルダーが何処にあっても実行できますが Ospp.vbs スクリプトを使うため、このスクリプト ファイルのあるフォルダー場所に④の作業で移動しました。

 Cscript ospp.vbs /dstatus を実行したコマンド プロンプト画面を次の図に示します。



 上の図でピンク色のアンダー ラインを付けた部分が、入力したコマンドです。

 次に LICENSE 製品名で探してください。赤色のアンダー ラインを付けた Office 15, PloPlusMSDNR_Retail edition が見つかります。これが今回IDプロダクト を入力し、回数制限を超過した製品です。
 緑色のアンダー ラインを付けた Office 15, PloPlusR_Grace edition もありますが、これは先に説明した Grace 製品なので、無視してください。どちらも、その4行下にエラーが2行表示され、ライセンス認証が出来なかったことを示しています。

 最後に赤色枠で囲った5文字は、ライセンス認証用にあなたが入力した25桁のIDプロダクト の最後の5文字で次の ⑥ のライセンス情報の削除作業で識別文字として使います。

⑥ Cscript ospp.vbs /unpkey:xxxxx と入力し、ライセンス情報を削除します。

 識別文字 xxxxx は、⑤の画面に表示されたIDプロダクト の最後の5文字です。大文字と小文字は区別されません。

 画面ショットを下の図に示します。

 注意: "/unpkey:" と識別文字の間にブランク文字があると正しく動作しません。ご注意ください。




 上の画面でアンインストールが成功したことがわかります。これで別のIDプロダクト が入力できるようになりました。

 なお、コマンド プロンプト画面は、新たなIDプロダクト が無効な場合を考慮して、最終確認が終るまで現状のままにしておきます。


⑦ Office 2013 を再度起動します。

 起動するのは、Microsft Visio 以外であれば、Word でも Wxcel でも何を起動しても効果は同じです。次の「Office ライセンス認証」画面が起動されます。



 上の図の最大の目的は、ユーザーに電子メール アドレスを入力させることですが、電子メール アドレスがサブスクリプションに関連付けされていない場合は、あまり意味が無いと考えます。
 そもそも現行の Microsoft Office 2013 は、電子メール アドレスに関連付け出来ないので、私はいつもこの処理をスキップし、「IDプロダクト を代わりに入力する」を選び、次の図を表示させます。



 お馴染のこの画面の処理は、説明を省略します。

 新しいIDプロダクト を入力して認証が成功した場合、この Part の処理は完了です。

 新しいIDプロダクト でも認証が出来ない場合は、Office 2013 の画面を閉じ、⑥ に戻り新しいIDプロダクト を用意して、同じ処理を繰り返します。


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2章 Microsoft .NET Framework の入手方法

 Part 303 『6.4 Windows PE 5.0 構築ウィザード』に記載する Wizard を起動するコンピューターに Microsoft .NET Framework 4.5.1 がインストールされている環境が必要です。この環境は、Visual Studio 2013 をインストールすれば自動的に実現しますが、Visual Studio 2013 がインストールされていない場合は、別途入手してインストールする必要があります。
 .NET Framework は、Windows Update を利用すれば誰でも自由に無料で入手できますが、Windows Update の適切な設定と操作が必要です。

① インストールされた更新プログラムを確認します。

 この作業の目的は、既にインストールされた更新プログラム中に「Microsoft .NET Framework 4.5.1」の有無を確認することです。「Microsoft .NET Framework 4.5.1」の有ることが確認されれば、これ以降の作業は不要です。

 コントロール パネル→Windows Update で Windows Update を開いた場合、下の図が表示されたとします。



 上の図で見る限り「Microsoft .NET Framework 4.5.1」は存在しないので、入手が必要です。上の図では、インストールされたプログラムは、僅か10個だけですが普通は数百個のプログラムがインストールされています。並び順は「インストール日」です。上図に赤枠で囲った「名前」をクリックすると名前の順番にソーティング表示されます。「名前」をクリックする度に、昇順/降順が入れ替わり表示されます。

② Windows Update の設定を確認します。

 この作業の目的は、全ての更新プログラムを確認するためです。

 コントロール パネル→Windows Update(下図上部の緑色下線)で Windows Update を開きます。



 上図の赤色枠部分の「設定の変更」を選ぶと下の図が表示されます。



 上図の赤色枠で示した部分を上の図と同じように選びます。

③ 更新プログラムの内容を確認します。

 再度 Windows Update 画面を開き下の図が表示されたものとします。



 上図赤枠部分を選び更新プログラムの内容を展開すると下の図が表示されます。



 運よく「Microsoft .NET Framework 4.5.1」が見つかりましたね。チェックを付けて「OK」ボタンを押してインストールを行います。実作業でこんなに簡単に見つかることはありませんが、② の設定をしておけば、必ず見つかります。
 
 上の図で「Microsoft .NET Framework 4.5.1」にチェックが付いていないことに注意してください。その理由は、この更新プログラムが「重要な更新プログラム」ではあるが、絶対に必要なプログラムではないからです。あくまでもインストールを「推奨される更新プログラム」の位置付けなのです。
 その結果、場合によっては次のような表示もありえます。



 「Microsoft .NET Framework 4.5.1」は、時として「オプションの更新プログラム」に分類されることもあるので、こちらも注意して探してください。


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Copyright(c) 2014 Takashi Shima

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