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豊洲市場「爆発」の恐れも 地下空洞に引火性ガスの危険性

 ここで都担当者の「酸欠」という表現を額面通り受け取れば、「青果棟」地下の空洞には排気口などの設備が一切ないと言っているに等しい。ということは、「引火性の高いガス」が密閉空間にたまり続けていることになる。つまり、一歩間違えれば「大爆発」の可能性もゼロじゃないのだ。

 都はあらためてコンクリートを敷く方針のようだが、「酸欠」や「がん」に加え、「爆発」の危険性がある場所の工事を誰が引き受けるのか。福島原発の廃炉作業じゃあるまいし、全面マスクをかぶって作業――なんて事態になれば最悪だ。そんな場所に「都民の台所」を設置していいはずがない。豊洲移転の計画当初から、土壌汚染対策の重要性を訴えてきた日本環境学会の坂巻幸雄・元副会長はこう言う。

「今、起きている問題は、我々がどんなに都に対策を求めても応じず、最初から移転ありきで突っ走ってきたツケが出ていると言っていい。都は豊洲市場の建物内外のベンゼンの大気濃度を測って公表していますが、青果棟は他の測定場所と比べて数値が高いのです。爆発するかはともかく、揮発したベンゼンが地下空間にたまり続けている可能性はあると思います」

 もはや小手先の対策でどうにかできる問題じゃない。まずは、強引に移転計画を進めた石原慎太郎元知事や歴代の担当職員の責任を徹底追及し、これまで整備に費やしたカネを請求するべきだ。

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